現在のF1におけるレッドブルの優位は、多くのチームに空力効率が成功に不可欠であることを示している。
ダウンフォースが依然として重要なファクターであることに変わりはないが、ドラッグ(空気抵抗)が多すぎては速くは走れない。逆にストレートで強力なマシンはレースでも強く、その見返りはかなり大きい。
■F1メカ解説|最強レッドブル、その止まらない創意工夫……サウジアラビアでは冷却用パネルの調整で、最高速を確保
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の成功の大部分は、トップスピードのアドバンテージを活かし、オーバーテイクされづらい、あるいは集団の中を簡単にすり抜けることができるという点によって築かれてきた。
しかしサーキット毎に適したダウンフォース/ドラッグレベルを達成するのは、フラップが調整可能なリヤウイングを採用していた以前のように簡単ではない。
現在のルールでは、リヤウイングのフラップの角度は固定されている。そのため、もしチームがドラッグを大幅に減らしたい、あるいはダウンフォースを大幅に増やしたいのであれば、全く別のウイングを使うことになる。
現行レギュレーションが導入されて最初の2年間、おそらく多くのチームがこのエリアにそれほど注意を払っていなかったのだろう。しかし今や、すべてのチームがパフォーマンスに重要な要素であることに気づいている。
マクラーレンのチーム代表であるアンドレア・ステラは、現在チームがドラッグレベルを調整できる唯一の方法は、新しいウイングを使うことだと説明した。
「ローンチカーのように比較的成熟したマシンの場合、ドラッグレベルはリヤウイングでほぼ決まってしまう」
「ボディワーク、フロア、フロントウイングをすべて手に入れたから、リヤウイングを再設計する必要がある、ということではないんだ」
「リヤウイングの新しい一群をデザインするのは、そうすることでより効率的なリヤウイングが見つかるからだ。だから、リヤウイングがクルマ全体のドラッグレベルに追従する必要はない。リヤウイングはほとんど独立しているんだ」
しかしそれは、チームが超低ドラッグのウイングを追求し、それが自動的に機能することが期待できるというわけではない。
現在のマシンは、すべてのエアロパーツが他のパーツとどのように連携しているかが非常に重要だ。そのためリヤウイングのダウンフォースを削減するのは、その他の性能にある程度の自信がある場合に限られるだろう。
「リヤウイングはボディワークの形状、フロアの形状、リヤブレーキと相互作用する」
ステラ代表はそう説明する。
「ひとつの要素として、他の部分と調和させクルマを作り上げるためにすべての相互作用について考える必要があるんだ。ドラッグレベルが変わったからと言って、コンセプトを変える必要はない。ドラッグレベルはリアウイングによって大きく左右されるんだ」
メルセデスW15のリヤウイング比較
サウジアラビアGPでは、各チームが今季初の低ダウンフォースサーキットでの正しいアプローチを見つけるために多大な努力を払っていた。
メルセデスはレースウイークを通じて2種類のリアウイングを使用し、予選と決勝のパフォーマンスバランスを探った。
木曜日のFP1とFP2では両ドライバーとも低ダウンフォース仕様のリヤウイングで走行したが、ハミルトンは何らかの答えとバランスを求めてか、FP3ではバーレーンで使用された高ダウンフォース仕様に変更した。
しかしながらトップスピードを追求し、両ドライバーは予選と決勝で低ダウンフォース仕様のウイングを使用することになった。
ウィングのデザインに関しては、2つのソリューションは全体的に同じようなDNAを持っている。スプーン形状となっているメインプレーン中央部は、低ダウンフォース仕様では膨らみが浅くなっている。
フラップ両サイド先端部分のリーディングエッジは、以前よりもエンドプレートに近い位置に引き下げられ、金属製の接合ポイントを覆い隠すような形状になっているように見える。
注目すべきは、アッパーフラップの中央部分にある半円形の切り欠きだ。ウイングのその部分を横切る気流をよりうまく管理するために切り落とされている。
興味深いのは、メルセデスがバーレーンGPのときと同じハイダウンフォース仕様のビームウイングに、低ダウンフォース仕様のウイングを組み合わせたことだ。これは多くのライバルがサウジアラビアで行なったこととは対照的だ。
マクラーレンのローダウンフォースリヤウイング
フェラーリはサウジアラビアGPに先立ち、よりダウンフォースの低い新しいリヤウイングを用意したと発表した。しかし昨シーズンもそうだったように、実際にこのウイングがマシンに装着されることはなく、チームはバーレーンで使用されたものと同じデザインのウイングを使用した。
しかしドラッグを減らし、ストレートと高速コーナーのパフォーマンスを向上させるために、フェラーリはビームウイングを一枚減らしていた。
マクラーレンのローダウンフォースリヤウイングは、アッパーフラップに2つの異なるデザインを採り入れていた。
マクラーレンもフラップ後縁の中央部分に切り欠きを設けたが、この切り欠きの周囲が沈み込んでおり、従来とは異なる気流環境を作り出しているのだ。
またフェラーリ同様、マクラーレンもサウジアラビアではシングルエレメントのビームウイングを採用した。
アストンマーティンのリヤウイング
アストンマーティンもまた、サウジアラビアでダウンフォースとドラッグの低減に焦点を当てた新しいリヤウイングを装着したチームだった。
フラップ中央には切り欠きがある他、フラップ外側の部分にも変更が加えられている。外側に向けて後縁の高さが低くなっているのだ。これによってダウンフォースとドラッグを減らすほか、この部分で発生する気流にも影響が及ぶだろう。
またアストンマーティンは、2023年にテストしながらもうまく機能せずに実装を見送ったアイデアも再登場させた。
昨年のオランダGPで、アストンマーティンはリヤの衝撃吸収構造に小さなウイングレットを搭載。そのために新しいリヤジャッキも設計していたが、それでもピットストップ時にジャッキアップする際、パーツの破損を避けるのに苦労していた。
今季バージョンは、2枚のウイングレットで構成されており、ひとつは衝撃吸収構造の側面に、さらに、昨年よりも平面的な構造となったウイングレットが衝撃吸収構造の背面に搭載されている。
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