バイクブームの今こそ注目したい
text:John Hogan(ジョン・ホーガン)
【画像】新しいバイクライフへようこそ【各モデルを写真で見る】 全66枚
translator:Takuya Hayashi(林 汰久也)
電動バイクは、電気自動車(EV)と同じくらい長い歴史を持っている。そして、今になってようやく注目を集め始めた。現在、既存の大手メーカーと同じくらい多くの新ブランドが、市場への参入を目指してバイクを開発している。
今回紹介する電動バイクの価格は3499ポンド(約50万円)から2万8995ポンド(約440万円)と幅広く、出力も5psから200ps、航続距離は80kmから400km以上と多種多様だ。あらゆるニーズに応えるだけの製品が揃いつつあることは確かだ。
この記事では、現在世界で販売されている電動バイクの中から6つのベストモデルを紹介するとともに、間もなく発売見込みのエキサイティングなモデルも取り上げたい。
1. ハーレー・ダビッドソン・ライブワイヤー
価格:349万3600円
出力:75kw/100ps
航続距離:235km
急速充電時間:1時間
ハーレー・ダビッドソンの画期的な新モデル、ライブワイヤーは、電動バイクとしても一般的なオートバイとしても質が高い。ブレンボ製のブレーキとショーワ製のサスペンションが255kgの重量をうまくこなしている。動力源が何であれ、これまでに作られたハーレーの中で最もダイナミックなバイクであると感じる。
ガソリンVツインの感覚を再現したパルスにより、足の間で車体がわずかに揺れるような感じが気に入っている。また、高速道路で追い越しを行う際の中速からのパンチ力も良い。最高速度が185km/hでは物足りないと思うかもしれないが、一度乗ってみれば納得できるはずだ。ライブワイヤーは、乗っているだけで本当に楽しい。
もし購入を検討しているなら、もう少し待った方がいいかもしれない。米国では最近、価格が30%値下げされて2万1999ドル(約240万円)になったばかりだ。日本仕様にこの価格が導入されるかどうかは定かではないが、待ってみる価値はあるだろう。
2. ゼロSR/S
価格:1万9590ポンド(約300万円)
出力:82kw/110ps
航続距離:210km
急速充電時間:2時間半
ゼロは2006年から電動バイクを製造しており、市場のパイオニアとも言われている。2020年の世界販売台数は4000台と、それほどインパクトのある数字ではないが、今年は大幅に増加することが期待される。
ゼロSR/Sは、ライブワイヤーよりパワーがあるが、ダイナミックさやタッチの洗練さには欠けている。フルフェアリング(カウル)に覆われ、ネイキッドのSR/Fと比較しても風に対するストレスは少なく、見た目もかなりスマートだ。加速性能はどちらも同じようなレベルで期待できる。
3. スーパーソコTCマックス
価格:49万2800円
出力:5kw/6.8ps
航続距離:110km
充電時間:7時間(急速充電非対応)
スーパーソコは、2本のタイヤを使い倒すバイクライフへの理想的な入り口と言える。細身でとても軽いので、バイク初心者やガソリン車からの移行にも最適だ。
街中では、流れをリードするだけの十分なパワーがある。アクセルを回しすぎるとシャシー性能を越えてしまうが、低出力モードで走る分にはすべてが気持ちよく調和する。充電システムは使いやすく、価格も比較的お手頃。現行の電動バイクとしては有力な候補になり得る。
4. ベスパ・エレットリカ
価格:6600ポンド(約100万円)
出力:3.7kw/5ps
航続距離:80km
充電時間:4時間(急速充電非対応)
個人の移動手段として、洒落た選択肢を提供してきたベスパ。欧州を始め、世界各地の主要都市ではディーラーネットワークが確立されているため、人里離れた場所に住んでいない限り、サポートに苦労することはない。ブラシレスモーターとバッテリーはメンテナンスフリーで、携帯電話とのペアリングも簡単にできる。
欧州では性能の異なる2種類のモデル(最高時速50km/hか70km/hの違い)が用意されているが、価格差は300ポンド(約4万5000円)しかない。航続距離は約80kmとされているが、そもそもスクーターは短距離走行を想定して作られている。
しかし、ベスパのデザインは決して安くない。6600ポンド(約100万円)という価格は、多くの人にとって高すぎる。
5. スンラ・ミク・スーパー
価格:3499ポンド(約53万円)
出力:3kw/4ps
航続距離:130km
充電時間:4時間(急速充電非対応)
電動バイクはまだ発展途上にあり、どうすればユーザーの目を引くことができるのか、誰もが試行錯誤しているところだ。中国のスンラは、強力なグローバル・ネットワークを構築しており、欧州での販売にも力を入れている。
このミク・スーパーはとてもコンパクトで、キャンピングカーの荷台に取り付けたり、街中の狭い駐車場に押し込んだりするのに適している。80km/hでの走行も問題なく、ブレーキ、サスペンション、タイヤはすべてノーブランドだが、ペグが擦れるほどの走りは賞賛に値する。
充電には4時間かかり、約130kmの走行が可能だ。
6. エネルジカ・エヴァ・リベルRS
価格:1万9590ポンド(約300万円)
出力:126kw/170ps
航続距離:420km
急速充電時間:2時間半
イタリアの電動バイクメーカー、エネルジカ(Energica)は、EV界のドゥカティと呼ばれている。モデナで製造されたこのRSモデルは、同社のハイパーネイキッドと称されている。面白いのは、充電時間を正確に設定できる機能だ。例えば、毎晩1時間の充電で十分であれば、必要な分だけ充電して停止してくれるのだ。
マルゾッキ製のフォークとビチューボ製のショック、ブレンボ製のラジアルマウントブレーキなど、あらゆる意味でプレミアムな仕様となっている。トラクションコントロールは6段階から選択可能で、内燃機関のバイク乗りに笑われるような要素はほとんどない。
直線ではハイパーカーやスーパーバイクと対等に張り合うことができるが、コーナーに入るときは260kg(平均的なハーレー・ダビッドソンと同等)の車重を忘れてはならない。今のところ、このリストの中では一番のお気に入りだ。
未来のスピードトリプル:トライアンフTE-1
価格:未定
出力:130kw/180ps
航続距離:190km
急速充電時間:0~80%で20分未満
これから紹介するのは、発売が待たれるモデルやまだコンセプト段階のモデルもあるが、いずれも将来性を感じさせるものばかりだ。
トライアンフ・モーターサイクル、ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング、インテグラル・パワートレイン、ウォーリック大学の共同開発によるTE-1は、従来の電動バイクの性能をさらに高めるものだ。
20分以内に160km分の充電が可能であることや、220kgの重量に180psもの出力を持つことなど、注目すべきポイントは多い。良いバイクの作り方をよく知るブランドの手によって作られるのだから、期待しないわけにはいかない。最高品質のブレーキとサスペンションに加えて、「未来のスピードトリプル」のスタイリングに包まれているのだから、ガソリンファンにとっても無視できない存在になるだろう。
トライアンフは、ハーレーがライブワイヤーの販売に苦戦しているのを見ているはずだから、競争力のある価格をつけてくれるといいのだが……。300万円台ではなく230万円程度になれば、ベストセラーになるだろう。
美しいオフ車スタイル:DABモーターズ・コンセプトE
価格:未定
出力:10kw/13ps
航続距離:110km
充電時間:不明
このフランス製スーパーモト風バイクの軽やかなラインに惹かれないバイカーがいたら、バスの定期券を買うことをおすすめしたい。
ベルリンガー製のブレーキ、カーボンファイバーのシャシーとスイングアーム、オーリンズ製のサスペンションなどを採用しているが、市販されるとなると莫大なコストがかかるだろう。
13psという低出力で最高速度も60km/h程度なため、初心者でも扱いやすく、若葉マークのバイカーがディーラーに列をなすことになるだろう。DABモータースが手頃な価格を実現できれば、日本を含めアジア圏でも人気を得られるはずだ。
世界最速?:ライトニングLS 218
価格:3万8888ドル(米ドル、約430万円)
出力:150kw/200ps
航続距離:160km
急速充電時間:60分
車名の「218」は、2011年にボンネビルで達成した最高時速218マイル(350km/h)に由来しており、ライトニングは地球上で最も速い市販バイク(ガソリンエンジンを含む)と主張している。また、同モデルは2013年にパイクスピークの2輪オープンクラスでも優勝しており、その性能が本物であることはほぼ間違いない。
2019年、LS 218より安価で低出力の「ストライク」が発表された。テスラでいうところのモデル3に相当する位置づけだ。しかし、海外ユーザーの評価はまちまちで、カタログ性能と実際の性能にいささか疑問があるようだ。
ライトニングには期待したいところだが、やや不安が残るのも事実だ。
安全かつ快適なSS:デーモン・ハイパースポーツ
価格:2万4995ドル(カナダドル、約220万円)
出力:150kw/200ps
航続距離:480km
急速充電時間:60分
デーモン・モーターサイクルは、カナダのスタートアップ企業だ。
ハイパースポーツの最高速度320km/h、航続距離480km、最高出力200psという数字は、どれも驚くべきものだ。また、伝統的なスポーツバイクの魅力と、未来のあらゆる可能性を融合させた、均整のとれたバイクでもある。
前後に設置されたカメラがレーダーシステムと連動してライダーに安全警告を発する。また、SHIFTシステムと呼ばれる乗車姿勢の切り替え機能を搭載。ボタンを押すだけでハンドル、ペグ、シールドなどの位置が自動的に調整され、シャープなスポーツバイクから快適な通勤バイクへと性質を変えてしまう。
実際に見てみないと何とも言えないが、デーモンのバイクが日本に上陸する日を待ちたい。
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