バーレーンGPで衝撃的な速さを見せたシャルル・ルクレール(フェラーリ)が、2週間後の中国GPでは5位に沈んだ。「打倒メルセデスAMG」、「今度こそ優勝」と期待された新星は、なぜ勝てなかったのだろう。
メルセデスAMGに勝つための戦略がうまく機能しなかった
ルクレールはなぜ表彰台にすら上がれなかったのか、それにはいくつかの要因があった。
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4番手からスタートしたルクレールはオープニングラップでチームメイトのセバスチャン・ヴェッテルをパスしてすぐさま3番手に上がる。しかし、先行するバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)のペースについていけず、少しずつ離されてしまう。
そこでヴェッテルの方が速いと判断したピットから、「ヴェッテルとポジションを入れ替えるように」指示される。しかし、入れ替わったヴェッテルのペースが思うように上がらずタイムをロス、さらに、タイヤを交換して後方に下がったボッタスを抑えるためピットインを遅らせたことからマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)にアンダーカットされて5番手に落ちてしまう。
これでルクレールは思うようなレースができなくなった。結局、2回目のピットインでもボッタスを抑えるためにピットインを遅らせたことでフェルスタッペンとの差はさらに広がり、最後のタイヤ交換後にペースを取り戻したものの、もはや追いつくことはできなかった。
この日のフェラーリにはメルセデスAMGに追いつく速さはなかった。それでもルクレールには4位、あるいは3位の可能性もあった。一部にはチームの判断ミスを指摘する声もあるが、メルセデスAMGに勝つためのチャレンジングな戦略としては間違いではなかっただろう。ルクレールが予選でヴェッテルを上回っていたらピットの判断は違っていたはずだ。
中国GPについてルクレールは。レース後「簡単ではありませんでした。我々にはライバルとトップ争いをする速さがありませんでした。セバスチャンもボクもタイヤに苦しんでいました。ポジションを入れ替えてもセバスチャンのペースは上がらず、ちょっとオーバーヒート気味になって少しタイムを失いました。できれば2セット目のタイヤで最後まで走ろうと思いましたが、もう一度ピットインしなければならずポジションをキープすることができませんでした。次のレースではまた強くなって戻ってきます」と振り返った。
一方、スクーデリア・フェラーリのマッティア・ビノット代表は「メルセデスAMGはこの週末ずっと速かったですね。2週間前のバーレーンとは状況がまったく違っていました。しかしこれは2週間後にまた逆のことが起こる可能性があることを示しています。状況は刻々と変化しています、チャンピオンシップ全体で見る必要があります。また、レースの戦略はチームに最大の結果をもたらすように考えられています。マラネロに戻って、この週末にうまくいかなかったことについて分析します。次のアゼルバイジャンは今回とまったく異なるコースです、ポジティブな姿勢でアプローチする必要があるでしょう」と語っている。
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