車内放置で子どもが亡くなる事故に有効な「リアシートリマインダー」の普及に期待

シエンタやホンダeに採用されたリアシートリマインダー

まだまだ残暑厳しい季節。時折、子どもが車内に放置され亡くなってしまうという痛ましい事故の報道があります。

「朝、保育園で降ろしたつもりになっていて、乗せたまま出社してしまった」といった話を聞くと信じられないと思ってしまいますが、脳が大事なことを忘れてしまうのは、確率的には低くとも、人間である限り起きてしまうという説もあります。

そうした悲惨な事故でなくとも、買い物した荷物を後席から降ろすのを忘れて、駐車場で腐らせてしまったという話も絶えません。では、後席に乗員が残っていることや、荷物を置きっぱなしにしてしまっていることを注意喚起することはできないのでしょうか？

じつは、すでに一部のクルマにはそうした機能が実装されています。それが「リアシートリマインダー」。10月末に発売される電気自動車「ホンダ e」には、ホンダの国内モデルとして初めて「リアシートリマインダー」が装備されることが発表されています。ちなみに、国内モデルとしてリアシートリマインダーを初採用したのは、トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」です。

将来はファミリーカーに標準装着されることを期待

シエンタもホンダeもリアシートリマインダーの基本的な仕組みは共通。リアドアの開閉をトリガーとしてシステムが起動、目的地で停車してシフトをPレンジにしてシートベルトを解除したとき、もしくはシステムをオフにしたときに後席の乗員や荷物の存在について注意喚起を行なってくれるというものです。

ホンダの海外モデルでは、さらに進化したリアシートリマインダーが用意されています。北米仕様のミニバン「オデッセイ」には、走行中に後席を確認できるカメラを装備しているのですが、リアシートリマインダーと後席用カメラを連動させて、ドライバーが降りようとしたときに注意喚起すると同時に、モニターに後席の様子を映し出すことが可能です。

後席に子どもやペットを乗せていること、荷物を置いたことが完全に頭から抜け落ちてしまっていても、ここまで車両のほうでカバーしてくれれば、まさに命にかかわるミスを減らすことができるのではないでしょうか。

後席シートベルトの着用警告は2020年9月1日以降の新型車において義務化になっていますが「リアシートリマインダー」については義務化という話は聞こえてきません。しかし、技術的に量産車に搭載することが可能であり、それによって一人でも多くの命が救えるのではれば、とくにファミリーカーとして使われるモデルにこそ標準装備化の流れを期待したいところです。

文：山本晋也（自動車コミュニケータ・コラムニスト）

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写真1枚目：ホンダe
写真2枚目：シエンタ
写真3枚目：北米版オデッセイのシートリマインダーの警告画面

Comments

ホントに事故だと思ってんの？おめでたい話だな。
よく犬を乗せて出掛けるが、忘れたことなど１度もない。

全て殺人罪で生涯塀の中、免許も生涯没収でいい。
忘れていいものと、絶対あってはならないものがある。