アルピーヌF1、苦戦原因は“間違った首脳陣”のせいだった？ 特別顧問ブリアトーレが指摘「マネジメントがされていなかった」

　アルピーヌF1のエグゼクティブアドバイザーを務めるフラビオ・ブリアトーレは、チームがここ数年苦戦してきた原因は、間違ったマネジメント陣にあると考えている。

　ブリアトーレは現在の役職に就いて初めて、自身のビジョンと意見を公の場で語り、ルノー傘下のワークスチームが厳しい状況に置かれている原因について口を開いた。

　そしてこの原因が、サマーブレイク前にオリバー・オークスを新チーム代表に迎えることを発表し、首脳陣の刷新を急いだ理由のひとつだとブリアトーレは説明した。

　アルピーヌがF1で後退した原因を訊かれたブリアトーレは、こう答えた。

「マネジメントがされていなかったのだ。アルピーヌの問題はここにあったと思う。ある時には、彼らは間違ったマネジメント陣を選んだと思う。間違った人たちのリストはかなり長い。良い人のリストはない」

「エンストン（チームのファクトリー）でのマネジメントは難しい。エンストンは大規模であり、大きなモンスターだ。そこにいる必要がある」

「アルピーヌのようなチームをパリや別の場所から管理するのはとても難しい。日々の存在感が必要だ」

　アルピーヌ／ルノーは、わずか1年あまりの間に3人のチーム代表が生まれるという波乱に満ちた時期を過ごしてきた。昨年のベルギーGP以降はブルーノ・ファミンがオットマー・サフナウアーの後任としてチームを率いてきたが、今年のサマーブレイク明けから36歳のオークスがチーム代表に就任したのだ。

　しかしブリアトーレは、オークスの代表起用によって、エンストンのファクトリーに若い情熱が注入されると語った。

「オリーは情熱的で若く、野心的だ。我々はチームにそれが必要だった」とブリアトーレは言う。

「このチームを立て直すには、若い人たちが必要だし、仕事に対する情熱にあふれた人たちが必要だ」

「みんな良いモノは理解しているが、悪いモノは理解していない。ファクトリーで何が起こっているのかを理解する必要があるし、レースで何が起こっているのかを理解する必要がある。これが原則だ。彼はこのような大きなチームでの経験はないが、成功するだけの才能がある」

　一方オークス代表は、ここ数週間での第一印象から、アルピーヌには大きな可能性が眠っていると感じたという。

「まず、エンストンには金で買えないモノがある。それはレーシングスピリットであり、歴史だ」とオークスは言う。

「この場所をあるべき姿にするため、大きな情熱を燃やす何かを見つけなければならない」

「あえて言うなら、この数年間はマネジメントがされてこなかった。その点を批判するのは簡単なことだと思う。我々は過去に多くのことを話してきた。フラストレーションは溜まるが、それは私のスタイルではない」

「純粋にレースへ集中することに戻るべきだと思う。ここには素晴らしい人材がいる。彼らのせいではない。これまでのリーダーシップの失態だ」

「私はラッキーなポジションにいると思う。素晴らしいチームだ。やるべきことは沢山あるが、実はとてもシンプルなことだ。いいマシンが必要だし、みんなが力を合わせなければならない」

■ブリアトーレの大改革、始まる

　ブリアトーレはここ数ヵ月、アルピーヌの運営における長所と短所を調査しており、改革が必要だということに疑いの余地はないという。

「システムを活性化させる必要がある。電気ショックが必要だ」とブリアトーレは語った。

　そしてオークス代表は、次のように付け加えた。

「私はこれをフラビオの“トルネード”と呼んでいる……」

　ブリアトーレは、アルピーヌが将来的に成功を収めることができると確信している一方で、あまりに野心的な目標を設定することには慎重。表彰台を狙えるのは2027年からだと考えているのだ。

「私は現実的になれと言っている」とブリアトーレは語った。

「2027年には表彰台を狙いたい。今の状況は理想的ではない」

「本当のことを言うと、今のF1はとても難しい。非常に良いチームが6～7ついる。多くのチームが勝つ可能性を秘めている」

「我々はこの競争に打ち勝つ準備が必要だ。しかしそのためには努力が必要だ。正しいドライバー、正しいチーム、正しいテクニカルディレクター、正しいマネージャーがいる。全てが機能していなければならない」

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[sasa]

メッキはがれたのでは？