■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ
最近のクルマの多機能、高機能ぶりには眼を見張るばかりだ。特に、運転支援技術やパワートレインの電動化、インターネットへの接続などは、どれもこれも新しいものばかり。新しいから、その更新ぶりも日進月歩。「そんなことまでできてしまうのか!?」と、日頃から多くのクルマを取材している専門家でさえも驚かされてしまっている。まだまだ馴染みの薄い新技術や走りっぷりを自動車評論家の金子浩久が相談者とともに運転しながら試し、その効能と真価を探っていこうという読者参加型企画です。
今年の新成人の運転免許保有率は56.4%、マイカー所有率は14.8%、車の購入予算は平均184万円
◎今回の相談者 KSさん
◎今回のクルマ シトロエン「C5 AIRCROSS」
◎ 今回の相談者 KSさん
KS50さんは50代。外資系企業に勤務するビジネスマン。現在、2013年式のアウディ「S6アバント」を新車で購入し、以来使用中。クルマの使い途は、片道約50kmの通勤のほか、オフタイムのゴルフや妻とワンコ2匹と一緒に東北や四国への長距離ドライブ旅行を楽しんでいる。今回、コンシェルジュを訪ねた目的は2つ。SUVに買い替えようかと検討していることと、その際には運転支援機能に代表される最新の安全装備が充実しているクルマを選びたいが、それらがどのようなものなのかを運転して体験してみたいということで・・・。
「最新の運転支援やコネクト機能が備わったSUVに買い替えたい」と願っているKSさんへのリコメンド企画第3弾は、シトロエン「C5 AIRCROSS」だ。初回の「レンジローバーPHEV」、第2回の「ディフェンダー」とは、ある意味、対極にあるSUVだ。
最初の2台が過酷なオフロードでの走破性を、商品DNAの軸に据えた本格的な4輪駆動車であるのに対し、「C5 AIRCROSS」は前輪駆動のクロスオーバータイプのSUVである。ボディーサイズもひと回り以上小さく、エンジンパワーも小さい。内外デザインは個性的でポップな印象だ。
走行モードにオフロードモードは備わっているが、ランドローバーの2台のような、副変速機付きのフルタイム4輪駆動やエアサスペンションなどは備わっていない。地球の果てまで冒険旅行にでも出掛けられる2台に対し、「C5 AIRCROSS」はもっと軽妙だ。SUVにカテゴライズされるかもしれないけれども、同じグループには入らない。では、なぜ、KSさんに勧めるのか?
それは“空間を充実させたい”というKSさんのSUV選びのモチベーションに応えるためだ。「レンジローバーPHEV」の、国際線のファーストクラス、伝統と格式の5つ星ホテルのような“おもてなし”ではなく、デザインホテルやヒップなホステルのような新しい息吹とセンスを感じさせてくれる空間の見せ方、使い方が「C5 AIRCROSS」にはあると思っているからだ。
機能面でも、最新の運転支援機能もコネクティビティーも備えている。当然のように、Apple CarPlayやAndroidAutoもインストールされている。ジャングルのようなところこそ出かけないけれど、季節ごとの東北や四国への家族旅行やゴルフ、出張などで長距離運転していくKSさんのクルマの使い方には、「C5 AIRCROSS」もまたピッタリなのではないかと思った。
女性でも安心して扱えるサイズ感
ネットでは「C5 AIRCROSS」を見たことがあるが、実物を見て、運転するのは初めてだというKSさん。
「シトロエンというクルマに乗るのも初めてです」
ちなみに、手頃なサイズ感であることから、奥さんとも共用するかもしれないということで、今回も奥さんが同乗試乗。真剣な表情で「C5 AIRCROSS」の周りをグルッと回って眺めている。シートにも腰掛けてもらった。
「これなら私も毎日運転できるわ」
奥さんは今は、自分用の軽自動車に乗っているということで、「レンジローバー」や「ディフェンダー」は、彼女にとっては大きすぎると感じたようだ。
それではいよいよドライブへ。まずは、私が運転した。県道、国道と走って高速道路に乗り、その先の峠道を往復して戻ってくるルートを選択。途中で、KSさんに運転を代わるというプランだ。
「ずいぶん前に、知り合いがプジョー『205』に乗っていて、“フランスのクルマって、お洒落でカワイイ感じだな”って思っていましたが、その頃のシトロエンの印象は残っていないんですよ」
プジョー「205」なら、AXやBXの時代だ。
「でも、最近のシトロエンは印象に残るカタチをしていて、いいですね。『C3』や『C4カクタス』。『DS』もいい」
運転しながら、シトロエンとプジョーそれぞれについて解説。シトロエンについては、創業者アンドレ・シトロエンの思想の革新性から始め、DS、ハイドニューマチック・サスペンション、2CVなど、個性的なメーカーである点を強調しておいた。
新開発のダンパーを搭載し悪路走破性も向上
「この先の道の舗装が1kmぐらい、すごく荒れていて通勤時に自分のクルマ(アウディ『S6アバント』)で走ると、ガタガタ激しく揺すられてイヤなんですよ。このクルマだと、どうでしょう?」
片側1車線の県道で、両側は雑木林や田畑などが広がっている。
「抜け道になっているみたいで、夜でも交通量が多いし、大型トラックも多いんですよ」
「C5 AIRCROSS」は「PHC(Progressive Hydraulic Cushions)ダンパー」という新開発のダンパーを装備している。PHCダンパーは、ダンパー内部にもうひとつのサブダンパーを内蔵している。それによって、オーソドックスなダンパーでは吸収しきれなかったショックを抑制し、しなやかで滑らかな乗り心地を実現しようとしている。
昨年、「C5 AIRCROSS」で東京から気仙沼の往復約1000kmを日帰りで往復して、その効能を期せずして試したことがあった。期待以上だった。路面の凹凸や舗装のつなぎ目などからのショックを和らげ、大きなうねりも抑えてボディをフラットに保とうとする。ショックの角が丸められ、ひと回り大きなクルマに乗っているようなゆったりした感じがあって、積極的に乗り心地が良かった。
往路はまだしも、気仙沼でシトロエン「DS」とそのオーナーを取材した帰路は一人だったので、疲れや眠気との戦いを覚悟していたが、PHCダンパーがもたらしてくれるソフトながらクルマの芯と通じ合っているような安心感と心地良さが無事に帰京させてくれた。ペースも落とさずに走り続けられたのは、PHCダンパーと最新の運転支援機能、そして優れたシートだったと確信している。
「いいですね~。僕のクルマと違って、ガタガタきません」
路面が洗濯板のように波打ち立っているのが、運転席からも良く見える。これじゃ、サスペンションが引き締まっている「S6アバント」には容赦ないはずだ。
「多少は揺すられますけど、凸凹をそのまま通過してもタイヤが暴れる感じがない。ショックをうまく吸収している。クルマによって、ずいぶんと違うものなんですね」
「C5 AIRCROSS」の乗り心地の良さは、続く国道16号でも証明された。
「この16号にも路面が荒れているところは何か所もあります」
流れの速い片側2車線を大型トラックがひっきりなしに通過していく。たしかに、ところどころ荒れていて揺すられる。
「ここでも、いいですね」
実は重要なシートの快適性
毎日のように運転して通っている通勤路だから、助手席に乗っていても、KSさんは「C5 AIRCROSS」の快適性をすぐに体感できた。
「このクルマって、シートもいいですよね。さっき乗った瞬間から感じました」
「C5 AIRCROSS」のシートはナッパレザー製とハーフレザー製の2種類がある。今回のは、ナッパレザー製。特に特色のある形状をしているわけではないのに、運転中のフィット感に優れ、身体をサポートしてくれる。
「ただ、このクルマではシートクーラーを選べないのが残念なんですよ。一応、シトロエンのサイトを昨日チェックしてみたんですが、オプションでも設定されていませんでしたね。『レンジローバー』や『ディフェンダー』には設定されていたので、汗っ掻きの僕はぜひとも装着したいんです」
この日にKSさんと一緒に乗った「C5 AIRCROSS」は、「SHINE Blue HDi」というグレードの「ナッパレザーパッケージオプション装着車」だった。排気量2.0Lのターボディーゼルエンジンを搭載した「SHINE Blue HDi」(438万円)のハーフレザーシートがナッパレザーシートととなり、パノラミックガラスサンルーフやシートにマルチランバーサポートやナッパレザー巻きのステアリングホイールなどがパッケージで組み込まれている。
車両価格は、37万円高の475万円。シートには、シートヒーターは備わっているのだが、シートクーラーの用意がないのがKSさんの期待から外れていた。シートクーラーは腰の周りの湿気を取り除き、腰痛にも好影響を与える効果があると言われているので選べたらうれしい。
ちなみに、シトロエンのラグジュアリーブランドである「DS」のSUV「DS 7 CROSSBACK」には、シートベンチレーションがオプションで設定されている。高速道路に乗って、2.0Lターボディーゼルエンジンは太いトルクを発生し、8速の(!)ATは素早くシフトアップを繰り返して巡航態勢に入った。トップの8速ギアに入ってしまえば、100km/hでエンジン回転数は2000回転にも達しない。だから、現代のディーゼルは逆説的に高速巡航が静かなのだ。
高速道路でもPHCダンパーの効能が発揮されて、フラットな姿勢を維持しながら巡航できるのが心地良い。真横から眺めると、4本のタイヤだけが路面に応じて上下動を繰り返しながら、ボディは水平に進んでいくように見えるだろう。
4輪駆動の代わりとなるオフロードモード
高速道を降りて、峠道へ。スポーツ、ノーマル、エコと3種類の走行モードからスポーツに切り替える。ちなみに、オフロードモードには、マッド(泥)、スノー(雪)、サンド(砂)の3つが用意されている。「C5 AIRCROSS」は前輪駆動で、4輪駆動版はない。しかし、オフロードモードの他にもグリップコントロールやヒルディセントコントロールなどを備えていて、電子制御によってエンジントルクを最適に配分しグリップを確保しようとしている。
人間が歩いても越えられないような岩場や泥濘地なども越えるほどの走破力こそ備わっていないが、日常的な使い方の範囲内ならば十分だと割り切っている。
「私はそういうところには行きませんから、これで十分ですよ。ハハハハハハッ」
峠道を降りたところの道の駅に入って小休止。自動販売機で冷たいものを買って、しばし、クルマ選び談義。
「あっ、妻からLINEメッセージが入っています」
それによると、奥さんは「C5 AIRCROSS」はすぐに慣れそうだから、自分のクルマとして使うことを考えているそうだ。
「それもいいじゃないですか!?」
「ええ。彼女が今乗っている軽自動車をこれにして、私の『S6アバント』を『レンジローバー』なり『ディフェンダー』に買い換えることになる」
「2台一気に買い替えですね」
「それでも構わないんですけど、中型のSUV(C5 AIRCROSS)と大型のSUV(レンジローバーもしくはディフェンダー)があってもしょうがないんじゃないかと。『レンジローバー』に乗せてもらって以来、毎日、いろいろ考えているんですよ」
たしかに、いくらタイプが違うとはいえ、SUVを2台は過剰で、無駄だ。
夫婦で一緒に使えるSUVの条件
「このクルマならば、休暇のドライブ旅行にも十分に耐えられるでしょうし、彼女が毎日乗ることもできる。そうしたら、僕が乗るクルマを考え直さなきゃならなくなっちゃうんですよ」
家族のクルマ編成を一気に一新だ!
「だとしたら、私は通勤とゴルフに使えるクルマを選べばいいわけだから、SUVじゃなくたって良くなります。ゴルフクラブのバッグが入るのなら、スポーツカーだって構わない」
KSさんは「レンジローバー」に試乗して以来、奥さんとクルマについて話し合っている。
「妻は、“次に買うクルマは災害時に車中泊を何泊かできるクルマが良いのではないか?”とも言っています。私も賛成です。ある程度の大きさの車内スペースを持ち、悪天候でも走れるとなるとSUVです。プラグインハイブリッドなら、それを電源として車中泊に使うこともできるんですよね?」
三菱「アウトランダーPHEV」は、まさにそのような使い方を想定している。数日分の電気を蓄えることができるから、もし災害で停電になっても車内で電気を使って数日間は生活することができる。
ただ、「アウトランダーPHEV」はそうした使い方を想定しているが、他のプラグインハイブリッドのSUVが同じではない。バッテリーの容量や開発コンセプトが違うと、車中泊での電気使用はほとんどできなかったりするから吟味が必要になってくる。
「そうなんですよね。単に僕の『S6アバント』を買い替えだけで済む話ではなくなってしまうんですよ」
災害に備えたクルマ選びというのは、これから重要な視点だろう。クルマで旅行中に東日本大震災に罹災したKSさん夫妻ならば、その危機意識はなおさらだ。続けて、LINEメッセージが届いた。
「ハハハハハハッ」
「何て書いてありますか?」
「“そのクルマは私には似合うけれども、あなたっぽくない”ですって」
ポップでカジュアルな感じは、たしかに人を選ぶかもしれない。
「以前に、ディーラーが車検の代車で持ってきたアウディ『A8』に乗ったことがあるのですが、彼女には“オッチャンぽい”って不評でした。クルマとしては、とても良かったんですけどね」
最新のディーゼルエンジンの完成度
では、KSさんの運転で「C5 AIRCROSS」に乗ってみよう。
「ディーゼルエンジンのクルマを運転するのは初めてですが、運転してみて初めてわかりますね」
つまり、現代のディーゼルエンジンは振動も音も助手席に乗っていてはほとんど感じないということだ。
「加速が重ったるい感じはしません。でも、『レンジローバーPHEV』のレスポンスの良さを憶えているので、このクルマのパワートレインから何か強い印象を受けることはなさそうです」
「C5 AIRCROSS」は、空いた山道を軽快に駆け抜けていく。
「コーナーが連続するこういう道で運転すると、シートの良さがなおさら感じられます。自分の『S6アバント』のシートも気に入っているのですが、このクルマの良さは違います。『S6アバント』が運転中に身体を的確に支えてくれるのに対して、このクルマのシートはカラダ全体が包み込むような感じがします」
僕は以前にシトロエン「CX」やプジョー「504」と「505」などに乗っていたが、どのクルマのシートも良かった。クルマの特色を国籍で判断するのはナンセンスになりつつあるけれども、フランスのクルマのシートが優れている傾向にあることは変わらないようだ。
峠道を降りて、一般道を走り、高速道路に乗った。
「ディーゼル独特の加速感って、これなんですね。たしかに、高速道路を一定に走るには良いかもしれませんね」
運転支援機能の使い勝手は?
KSさんは、もう僕が何も教えなくても自分で運転支援機能をオンにした。このクルマの操作スイッチは慣れれば使いやすいのだが、慣れるまでちょっと取っ付き難いのだけれども、確かめながら操作して覚えてしまったようだ。
再び、「C5 AIRCROSS」は高速道路を巡航態勢に入った。
「メーターパネル表示が、とてもわかりやすくていいですね」
全面デジタルモニター画面になっているメーターパネルが表示パターンを3種類に切り替えられるようになっていて、そのうちのひとつでは運転支援機能を大きく映し出す。スピードは数字だけとなり、タコメーターは上辺に細長くバーグラフ状に表示される。道路を進んでいく「C5 AIRCROSS」の後ろ姿が大きくイラスト化され、パネル中央に表されている。
ACC(アダプティブ・クルーズコントロール)をオンにして前を走るクルマを捕捉すると、その姿がイラスト化されて現れる。LKAS(レーンキープアシスト)がオンになって、左右の車線を読み取っているかどうかも太い線がグリーンになるかどうかでドライバーに示している。
「ランドローバーの2台もこれとほぼ同じでしたが、これだけ大きく表示してくれると助かりますね」
どちらの運転支援機能も“レベル2”と呼ばれる段階のもので、クルマに運転をアシストしてもらったとしてもドライバーはつねに前を向いてハンドルに手を添えて運転操作を行なっていなければならない。クルマに任せっ放しにして構わないレベル3やレベル4の段階ではない。ACCやLKASをオンにしていても、こちらのクルマが捕捉できていなかったりしたら、アシストが効いていないことになるわけで、最悪の場合は他車に追突したり、壁に衝突したりすることもあり得る。
「金子さんが、いろいろなクルマのレビューで必ずそのことに触れている理由がわかります。このクルマは、先行車と自車の車間距離が増減する様子もわかりやすく表示してくれます」
運転支援を使って走っている時にはそれが効いているかどうかがドライバーにとって一番重要な情報となるので、それを大きく表示しなければならないのは自明の理のはずだが、いろいろな事情があって、そうではないクルマの方がまだ多いのが実情だ。
速度やエンジン回転数、水温などではなく、それらは必要最小限のものを表示すればいい。何が重要で、何を最優先してドライバーに伝えるべきなのか、その“交通整理”がキチンとできている。
LKASに搭載された便利な独自機能
「C5 AIRCROSS」とプジョー「508」には、LKASに独自の機能が備わっている。一般的なLKASは車線と車線の間のどこかだったり、車線の中心を走るように設計されているが、これら2台のLKASでは車線内のどこを走るかを任意で調整できる。車線内の右寄りか左寄りかを調整できるから、舗装が良くないところが続いていたり、バイクが頻繁に通っていたりするところを避けながらLKASを効かせたりすることができる。
「これは便利ですね」
気が利いている。
「このクルマには『レンジローバー』のような重厚感はないけれども、路面からのショックを巧みに吸収して、快適な乗り心地に仕上がっている。きっと、長距離を運転してもラクなんでしょうね」
それは前述した僕の東京ー気仙沼1000km日帰りほぼ単独運転の感想でも証明されている。
「ランドローバーの2台とは同じSUVというカテゴリーに分類されるとは思えないほど、違ったクルマですね。ましてや、自分の『S6アバント』ともまったく違う。今日も面白かった。でも、運転支援の優秀性と快適な乗り心地は体感できました。どちらも私が求めるものなので、悩ましくなります」
高速道路を降り、国道16号に戻ってきた。辺りは、すっかり暗くなっている。
「そう、悩ましいんですよ。今日、乗ってみてこのクルマの良さもわかりました。想像以上でした。妻は気に入っているみたいですけど、そうすると私の次のクルマも考えなきゃならなくなってくるんですよ」
リコメンドした僕からすれば、意外な展開だけれども、そうなるのは当然だ。奥さんが「C5 AIRCROSS」に乗るのはいい考えだと思う。となると、KSさんの“ゴルフに通えるスポーツカー”選びも始まってくる。SUVと同じくらい、難しく楽しいテーマだ。
◆ 関連情報
https://www.citroen.jp/car/c5aircross/
文/金子浩久(モータージャーナリスト)
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