世界耐久選手権(WEC)第7戦富士6時間レースを10位で終えたトヨタ8号車の平川亮は、ペナルティを受けるほどの行為はしていないと、納得できない様子を見せた。
レース残り1時間を切ったタイミングでトヨタ8号車は、他車より早めに最後のピット作業を行なった結果、首位を走るポルシェ6号車の前でコースに復帰することになった。
■大波乱のWEC富士、ポルシェ6号車が完勝。トヨタは7号車リタイア&8号車10位、悪夢のレースに
トヨタ8号車がポルシェ6号車にラップダウンされるかどうか……という攻防の中、2台はターン15で交錯。押し出されるような形で、8号車がコースオフした。このインシデントは16時4分に起きたが、チェッカーまで残り17分という16時43分に審議対象となり、1分後に8号車へのドライブスルーペナルティが発表された。
この時、8号車は表彰台圏内の3番手を走行。苦しい中でも最大限の結果を残すべく奮闘していたが、ペナルティにより10位までポジションを落とすことになった。
当然ながらレース後、平川はこのペナルティに納得いかないと語った。
「何も悪いことはしてないですし、納得いかないです」
「もう1回見直さなきゃいけないと思いますが、ただ、結果的には何も違反はなかったと思うので、すごく残念です」
接触当時、6号車にラップダウンにされそうだということは頭にあったのかと尋ねられた平川は、こう答えた。
「ラップダウンというところまで頭にありませんでしたが、僕の方が先にピットに入っていて、争っていることは知っていました。タイヤを温めながらベストを尽くしつつ、当然6号車も先に行かせたくなかったのですが、結果的にああいう形になり、その先のターン15で押し出されて前に行かれてしまいました」
「ペナルティの前は3番手でしたし、その先にどのくらい差があったか分かりませんが、表彰台は少なくとも獲得できたと思います。ただ今日は優勝できる力はなかったかなと、正直感じます」
自身の担当スティントについては、周囲のマシンとのタイヤ戦略の違いによって苦しんだものの、ペースは悪くなかったという。
「スティントの最初は多分良かったのですが、その後にセーフティカーが出て、周りにニュータイヤを履いたクルマが増えて、リスタート後はタイヤがもう厳しかったです。それでちょっと抜かれたり付き合わされる場面がありましたが、その後のペースは悪くはなかったと思います。かといってすごく速かった訳でもないと思います」
「今は作戦を色々と振れるので、給油を短くしたり、どうにかクリーンエアで走れるようなトラックポジションにしようとピットのタイミングを考えていました。セーフティカーも多かったので、タイヤのアロケーション(割り振り)とかも色々考えつつ、でした」
次戦はシーズン最終戦のバーレーン。リタイアに終わったトヨタ7号車のドライバーズタイトル獲得は数字上かなり難しくなってしまったが、8号車の平川は良い形でシーズンを締めくくり、今回逆転されてしまったマニュファクチャラーズタイトルを獲り返したいと語った。
「バーレーンはやっぱりタイヤに厳しいサーキットなので、そういった意味では最後を良い形で締めくくれると思います。今回ホームレースで悔しい思いをしたので、最終戦はしっかりと決めてマニュファクチャラーズタイトルはなんとしてでも取り返します」
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