推定落札価格は約820万円からだったが……
2024年5月18日、アイコニック・オークショネアーズがイギリス・ノーサンプトンシャー州で開催したオークションにおいて日産「スカイラインGT-R」が出品されました。ノーマル車両ではなく、チューニングが施された同車の保管状況は良く、走行距離10万kmを超えていながらもキレイなコンディションを保っていました。果たして落札価格は……。
まさに日産「スカイラインGT-R」のワゴン版!「ステージア オーテックバージョン260RS」のエンジン載せ替えだけじゃないチューニングとは
1995年に登場したR33型スカイラインGT-R
「スカイラインGT-R」ファンの中では、「R33GT-R」と呼ばれることも多いこのモデルは、正確にはBCNR33型という型式を持つモデルだ。発表は1995年1月に開催された東京オートサロンで、この新型GT-Rの発表を機に、ドレスアップやチューニング車の祭典でもある東京オートサロンで新型車の発表が行われる機会が多くなった。R33型スカイラインのワールドプレミアは、その意味でもきわめてセンセーショナルなものだったのだ。
1995年1月に発表されたモデルは、スタンダードなモデルに加えて、Vスペック、VスペックN1があった。今回アイコニック・オークショネアーズから出品されたモデルは、その1995年式であるから、R33型GT-R(以下:R33)としては最も古いモデルにあたる。とはいえ前オーナーの管理が良かったのか、ホワイトのボディカラーや、インテリアのコンディション、そしてもちろん先代モデルのBNR32型から受け継がれたRB26DETT型エンジンを核とするメカニズムも良好な状態に保たれている。
ボディの大型化により車重が増加した
R33では、ボディの大型化などにより車重は1530kgにまで増加してしまったが、そのために開発陣はエンジンの高出力化を図ることになった。ツインで装備されるターボの過給圧向上、圧縮比の向上、さらにはバルブタイミングや吸排気効率の見直し、ECUの16ビット化など、そのパートは広範囲にわたったが、最高出力は280psと不変のままだった。
これは当時日本では、各メーカー間で政府と紳士協定を結び、新型車の定格出力は280psに制限されるという条件が定められていたからだ。日本でスポーツカーを販売するのに、これ以上不都合な紳士協定もなかっただろうが、R33では、メーカーのラインを出れば、RB26DETT型エンジンは瞬時に300psの最高出力を発揮するとも噂されていた。
最大トルクの368Nmも、当時のスポーツカーとしてはじつに魅力的な数字だった。大衆文化にとって最適なタイミングでデビューした『グランツーリスモ』のようなビデオゲームは、GT-Rが販売されていなかったアメリカなどの市場では圧倒的な人気を博し、R32の時代にはすでに「日本から来た怪物ゴジラ」というニックネームもつけられた。GT-Rは間違いなく日産というメーカーを侮れない存在として、ファンに認知させる存在となったのである。
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さまざまなチューニングが施された1台
出品車のR33には、さらにノーマルの車両にはない、さまざまなチューニングが施されている。カーボンファイバー・バックによって強化されたコクピットエリアや、モーターショーに出品したくなるような細部まで美しく作り上げられたエンジンルーム。
メカニカルな面ではオリジナルのターボを工場出荷時のセッティングのまま装着し、2020年にRHDジャパンから発売された等長ダウンパイプを通し、BLITZ Nur-Specのエキゾーストパイプから排気される仕組みだ。長年にわたって行われたこのほかのチューニングメニューについては、出品車に添付されている包括的なヒストリー・ファイルに詳述されている。エンケイ製のRPF1アルミホイールと、ヨコハマアドバンAD08タイヤの組み合わせもきわめて良好な状態だ
現在オドメーターが示す数字は10万6600km。アイコニック・オークショネアーズは、このR33スカイラインGT-Rに、4万ポンド(約820万円)から4万5000ポンド(約920万円)のエスティメート(推定落札価格)を掲げてみせたが、落札価格はそれより安い、3万7125ポンド(邦貨換算約735万円)で落ち着いた。日本製スポーツカーの人気に本格的な人気が沸騰するのは、まだまだこれからと見るべきなのだろうか。判断は難しい。
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みんなのコメント
最近カバーを新調したあたりから察するに所有者もわかっていて堂々と放置してる感じだが、プレ値期待してるならもっと大事にしないと値がつかないだろうな。