例年IGTCインターコンチネンタルGTチャレンジのオープニングイベントとして開催される『リキモリ・バサースト12時間』は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックと世界的な貨物輸送の課題が続いている影響で、今年はプロ・アマクラスを頂点とする方式に戻ったが、来季2023年については2年ぶりにオールプロドライバーのラインアップを認めることが決定した。
IGTCを運営するSROモータースポーツ・グループは、マウント・パノラマへの復帰を目指す主要ブランドやチームから強い関心が向けられるなか、オーストラリアの国際的なエンデューロを世界トップクラスの長距離レースのひとつにしたフォーマットに戻す時期が来たことを確認した。
FIAが2023年の暫定版ドライバー・カテゴライゼーションを発表。50名以上がシルバーからゴールドに格上げへ
来年2023年2月4~5日に行われるレースのクラス構成では“クラスA”において、プロとプロ・アマ、シルバーカップが並ぶことになる。このうちプロ・アマではブロンズドライバーを1名以上含めることが求められる。また、シルバーカップはラインアップの全員がシルバー以下にカテゴライズされたドライバーである必要がある。
“クラスB”は最新の992型911 GT3を含むポルシェ911 GT3カップカーが、“クラスC”はGT4カーが参加する。インビテーショナルクラスはSRO GT2マシンを含む車両が対象だ。ドライバー要件は、クラスBとインビテーショナルクラスで2023年にブロンズの評価を受けるドライバーが1名以上起用することが義務付けられた。
2023年のレースではプロクラスの復活とともに、トップ10予選シュートアウトも戻ってくる。これは土曜午後に行われるセッションで、通常の予選の後トップ10タイムを記録したクルマがポールポジションをかけて争うもの。15分間のセッションが2回用意され、トップ10車両のうち上位5台と下位5台のグループに分け、各セッション内でアタックを行う。
また、2022年から導入されたアマチュアドライバー専用のプラクティスも引き続き実施され、プロ・アマカテゴリーではアマドライバーが予選を担当することになるなど、レース全体におけるプロ・アマの重要性が高められている。
レース中のプロドライバーの行動に関するドライビング基準に関しても、より厳しい規制が適用される予定だ。これについてはイベント中のいかなる時点であれ、プロドライバーがアマチュアドライバーと接触した場合、長時間のストップ&ゴーペナルティを含む厳しい罰則が適用されるという。
これらの罰則は、2023年大会のスポーティングレギュレーションとテクニカルレギュレーションの改訂版に盛り込まれている。また、ワンラップダウンとなった車両に対する救済措置“ラッキードッグ”ルールも今季から引き継がれた。
■プロカテゴリーの復活は「バサーストにとって100%正しい決断」とステファン・ラテルCEO
「2023年のリキモリ・バサースト12時間を素晴らしいショーにするために、我々は100%の努力をしている」と語るのは、イベントディレクターのシェーン・ラジス氏。
「我々は2023年のフォーマットを開発するためにパートナーと密接に協力してきた。彼らのコミットメントと、マウンテンへの復帰を望むメーカーからのコミュニケーションは、アウトライト・ファイトのためにオールプロのフォーマットに戻る時期が来たことを納得させるのに充分だった」
「同時に、プロ・アマチームとアマチュアドライバーに可能な限りの配慮をするため、ドライバーの基準に関する新しいレギュレーションを開発した。また、今年のドライブタイムとスティントの長さに関するアマチュア中心のレギュレーションの多くもそのまま適用されることになっている」
「2022年に予選フォーマットを変更するという土壇場での決断は、12時間レースに独自のシュートアウト・フォーマットを与えるという副産物を生み出した。マウント・パノラマでポールポジションを獲得するには、完璧な1ラップが必要という独自性は維持されたままだ」
SROモータースポーツ・グループの創設者兼CEOのステファン・ラテルは、「プロクラスの戦いが来年、オーストラリアで開催されるIGTC開幕戦に戻ってくることをうれしく思う」と述べた。
「バサースト12時間にとって100%正しい決断だ。このイベントの成功と、世界的なGTレースとしての地位は、過去10年間における12時間レースの重要な要素となったマニュファクチャラーの参加のおかげだ」
「ファクトリーチームの参加は、このスポーツの最高のチームとドライバーがマウント・パノラマで自分たちの力を試すことができるということを意味する」
「このような要素が組み合わさることで、素晴らしいスペクタクルが生まれる。モータースポーツのもっとも厳しい挑戦のひとつは、最高のドライバーを迎えるに値するものであり、来年2月に訪れる人々はまさにそんなドライバーたちだ」
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