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タイカン・クラスのBEVサルーン ハイファイ Z AWDへ試乗 2023年後半に欧州へ上陸

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タイカン・クラスのBEVサルーン ハイファイ Z AWDへ試乗 2023年後半に欧州へ上陸

ポルシェ・タイカン・クラスのBEVサルーン

中国の新興企業、ヒューマン・ホライゾン社が擁する自動車メーカーのハイファイは、同社初となる量産バッテリーEV(BEV)の「X」を2022年に発売したばかり。だが早速、2台目となる「Z」が加わった。写真の通り、ちょっと人目を引くモデルだ。

【画像】タイカン・クラスのサルーン ハイファイ Z AWD 競合クラスのBEVと比較 全100枚

ハイファイの創業は2019年だが、中国ではかなりの支持を集めるブランドへ成長している。上級SUVに属するXは、現地ではメルセデス・ベンツEQCを上回る台数が売れているという。このカテゴリーでは、中国で最も売れている1台に数えられる。

そんな勢いを支えている理由の1つが、韓国のキアとの合弁事業であること。そのため、製造品質も決して低くないのだ。

今回のZは、そのXとプラットフォームを共有する。しかし、パッケージングはかなり異なる。スポーティなサルーンとしてデザインされ、ライバルに挙げられるのはポルシェ・タイカンだ。

写真ではサイズを掴みにくいが、Zの全長は5036mm、全幅は2018mmもある。シャープなスタイリングが特徴的で、サイドドアは前後にヒンジが設けられた観音開き。リアの大きなスポイラーも個性的といえる。後方の視界は、カメラ映像で確認できる。

センターピラー部分のボタンを押すと、ドアが開く。大きな開口部の奥には、ドラマチックなインテリアが広がる。もちろん、見た目だけでなく実用性も担保されている。

角度を変えられる15.0インチのタッチモニター

ダッシュボードの中央に鎮座するのは、15.0インチのインフォテインメント用タッチモニター。ジョイントを介して固定されており、必要に応じて運転席側や助手席側に傾けることができる。

インフォテインメント・システムのインターフェイス・デザインも、よく考えられている。画面下部に表示されるメニューバーと、カスタマイズ可能なホーム画面によって、殆どの機能を1・2回のタップで実行できるようだ。

インテリアの質感は、豪華なXと比較すると少し見劣りする。レザーや上質なマイクロファイバーがふんだんに用いられているものの、いかにも硬質なプラスティック製部品も多い。メッキなどの質感は若干チープ。フレームレスドアのシール材も弱々しい。

サスペンションにはエアスプリングが採用され、乗降時に車高が下がる。だが、リアシートへ乗り降りする場合は、走行時の高さの方が楽だろう。

車内空間にはゆとりがあり、大人4名が快適に過ごせる。リアシート側にも独立したエアコンを備え、6.0インチのタッチモニターで背もたれの角度などは調整可能。ルーフラインはクーペ風に傾斜しているが、頭上空間も充分確保されている。定員は5名だ。

荷室容量は316Lと小さいが、リアシートの背もたれが電動で倒れる。長い荷物も問題なく搭載できる。

グランドツアラーと呼ぶに相応しい質感

Zを発進させてみると、グランドツアラーと呼ぶに相応しい質感を叶えていることがわかる。タイヤはしっかり路面を掴み、乗り心地は好ましい。ステアリングホイールの重み付けは妥当で、後輪操舵システムを備えるが、巧みな制御で正確に反応する。

このフィーリングの根底にあるのが、強力なツインモーター。2基合計での最高出力は608psがうたわれる。

ステアリングホイールの裏にはパドルが備わり、回生ブレーキの強さを調整可能。4種類用意された、ドライブモードの切り替えもまかなえる。中国製BEVとしては珍しい。

回生ブレーキの効きは、ロー、ジェントル、ミディアム、ストロングという4段階。確かに名称通り変化していくものの、ストロングでも強力とまでは感じなかった。ワンペダル・ドライブには対応していない。

608psというパワフルさだけあって、四輪駆動のZは速い。特にスポーツ・モードを選択すれば、意欲的なドライバーをも満たせるはず。0-100km/h加速は3.8秒でこなす。操縦性も悪くない。

運転席の正面には、割り切ったようにメーター用モニターがない。そのかわり表示エリアが7.9インチある、ヘッドアップ・ディスプレイが備わる。速度やナビの案内だけでなく、必要な情報を目線をそらさずに確認できる。

ダッシュボード中央、タッチモニターのドライバー側にも速度などが表示される。だが、見る機会は殆どないだろう。

2023年後半から欧州にも上陸

ハイファイは、SUVのXを2023年後半に欧州で販売する計画を立てている。その後、このZも続くという。どのように受け止められるのか、興味深い。

少々仕上がりの甘い部分もあるとはいえ、Zの路上での存在感は半端ない。前衛的なスタイリングは、好みが分かれるとは思う。とはいえ、運転が楽しいと感じられるBEVであることは間違いない。

ハイファイ Z AWD(中国仕様)のスペック

中国価格:63万元(約1204万円)
全長:5036mm
全幅:2018mm
全高:1439mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:3.8秒
航続距離:704km(CLTC値)
電費:5.6km/kWh(CLTC値)
CO2排出量:−g/km
車両重量:2539kg
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:120kWh
最高出力:608ps(システム総合)
最大トルク:83.4kg-m(システム総合)
ギアボックス:シングルスピード・リダクション

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