この記事をまとめると
■1903年に誕生した自動車メーカーのボクスホールは日本ではあまり知られていない
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■現在はステランティス傘下の自動車ブランドになっている
■オペルのモデルを英国でボクスホールとして販売し、今後の動向が楽しみなブランドのひとつだ
じつは100年以上の歴史を誇る老舗ブランド
ボクスホール、英語では「VAUXHALL」。誕生したのは1903年という老舗である。日本語では、ボクスホールと表記されることが多い英国の自動車メーカーである。正確にいえば、現在は自動車のブランドだ。
日本ではボクスホールを知らない人は少なくないだろう。知らないどころか、この名前を一度も聞いたことがない人がほとんどなのではないだろうか。
その理由は大きくふたつあるように思う。
ひとつは、現在は英国市場に特化した大衆車メーカー(ブランド)であることだ。日本人が英国車と聞いて思い浮かべるのは、ロールス・ロイス、ジャガー、ランドローバーなどの高級車だろう。近年ではF1技術を応用した量産車が人気のマクラーレンの認知度も上がっている。また、レースファンならば、英国にはマクラーレンのほか、ウイリアムズ、ロータス、ローラ、コスワースなど、F1を筆頭としたレーシング関連コンストラクターが数多いことを知っている。
しかし、英国現地で庶民がどのようなクルマに乗っているのかと聞かれると「たぶん、トヨタや日産などの日本車や、ドーバー海峡を渡ってくるフランス車やドイツ車などではないか?」と推測することだろう。
確かに、英国現地の道を見渡すと、そうしたクルマも数多いのだが、そのなかにボクスホールが走っているのだ。
GMからステランティス傘下へと移籍して活躍の場が広がるかも
ふたつめの理由は、長らくGM傘下にいて、近年はドイツのオペルとの部品共通性が高いことで、デザインや走行性能などで、ボクスホールらしさを強調することが難しかったことが挙げられる。その結果、欧州のモーターショーなどで展示があっても、日本のメディアで取り上げられることが少ない。フォルクスワーゲン傘下のメーカーでいえば、スペインのセアトやチェコのシュコダのような立ち位置に、ボクスホールがいると言えるかもしれない。
そんなボクスホールだが、これからは日本人があっと驚くような戦略を打ち出してくるかもしれない。なぜならば、前述のように、ボクスホールはもはや単独の自動車メーカーではなく、自動車ブランドだからだ。
PSAとFCAが融合したことで誕生したコングロマリット(企業複合体)のステランティス。PSAがGMからオペルとボクスホールを買収していたことで、ボクスホールはステランティス傘下のブランドとなっている。
そのうえで、ステランティスはオペルについて、2028年までに欧州域内で新車100%をEV化するという決定を下している。そうなれば、これまでオペルとの部品共通性が高かったボクスホールも必然的にEV専用ブランドになるのか? それとも、オペルとのEVプラットフォームの共通化に加えて、ボクスホールがグローバルモデルとして脱皮するのか?
ステランティスがこれから、ボクスホールをどのように進化させていくのか、その動向を楽しみに注視していきたい。
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