新型ローグ/エクストレイル、電動モデルであるアリアなど、日産SUVの進化が世界で加速している。そんな中、インドでローンチされた新型コンパクトSUV「マグナイト(Magnite)」もまた、日本への導入が期待されるグローバルモデルのひとつだ。コンパクトSUVという人気ジャンルでトヨタ ライズ/ダイハツ ロッキーという定番モデルたちに挑むわけだが、その魅力はどんなところにあるのだろう。
1年と半年ほどで10万台を売りまくった「大ヒット作」
インド日産の公式サイト、「Magnite」のトップページには「THANK YOU INDIA FOR 1 LAKH NISSAN MAGNITE BOOKINGS」というキャッチが躍っている。「LKAH」とはインド固有の表し方で、「10万」を意味する。
日産が新型コンパクトSUV「マグナイト」を発表。2021年初頭にインドで発売予定
つまりこの数字は、2020年12月2日にインド市場向けにローンチされてから1年と半年ほどで、セールスが大台を記録したことを誇っているわけだ。「大きく、大胆で、カリスマ性に富んだSUV」という、それこそ大胆不敵なキャッチコピーとともに「日産マグナイト」は、世界有数のビッグマーケットにおいて大成功を収めたようだ。
ジャンルはSUVだが、キックスよりもやや小ぶり。サイズ、メカニズム的に日は、トヨタ ライズ/ダイハツ ロッキーが幅を利かせているBセグメントに属する。もしも日本市場に導入されることになれば、ブラジルからリリースが始まったキックスと同様の帰国子女扱いということになるだろう。
マグナイト と ライバルたち 諸元比較
200mmを超える最低地上高が生み出す優れた機動性
鋭角的なフォルムは兄貴分のキックス譲り、大ぶりなグリルやつり上がったヘッドランプなど、全長が4mを切るとは思えない強い存在感は、明らかにライバルを凌いでいる。
全体的なシルエットでは、マッシブさが際立つ。どちらかと言えばスクエア一辺倒のライズ/ロッキーに対して、デザイン的遊び心がより豊かに見える。
最低地上高は200mmを超える余裕を確保、FFではあるものの高い走破性を実現している。前後バンパー下にはシルバーのスキッドプレートを配するなど、SUVらしいデザインアレンジを積極的に取り込み、タフな雰囲気もたっぷり漂う。一方で最小回転半径は5mと、日本の道路交通事情にもマッチする取り回しの良さを備えている。
海外では1Lターボを設定。日本仕様は1.2L × e-Powerか。
インドでラインナップされているパワートレーンは、1L直列3気筒エンジンを3タイプ。もっともパワフルなのが100ps/160Nmを発揮するターボモデルで、これはライズ/ロッキーの4WDモデルに搭載される1L 直3ユニットよりもわずかに力強い(プラス2ps/20Nm)。
一部には日本市場向けに、キックス同様「e-Power」専用モデルとするのではないか、という噂もあるが、今のところ憶測の域を出ない。このケースを順当に考えれば、キックスと同じく「1.2L直3ユニットをシリーズハイブリッド化」されたユニットを搭載してくる可能性はある。
ただし搭載スペースの兼ね合いもあって、キックスに採用されているものよりもおそらくはひとまわりコンパクトな統合型電動化ユニットを組み合わせることになるのではないだろうか。タフな走りとともに優れた経済性は、ライバルに勝つためには不可欠。モード燃費に関しても、ライズ並みの20km/L台後半を狙ってくるハズだ。
今のところ、マグナイトの日本市場導入の計画はまったく情報として入ってきてはいない。ただひとつ興味深いのは、インドで生産されているはずのマグナイトが、国内でもトレーラーで搬送されている姿をいくつか目撃されていることだろう。ちょっとだけ期待しちゃっても、いいかもしれない。
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