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ホンダ/HRCが支えたレッドブルの独創的な冷却システム【2024年F1前半戦アップデート総括】

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ホンダ/HRCが支えたレッドブルの独創的な冷却システム【2024年F1前半戦アップデート総括】

 全24戦が開催される2024年F1も14戦を終えサマーブレイクを迎えた。そこで、F1ジャーナリストの尾張正博氏が前半戦での各チームのアップデート投入状況を振り返り、『個人的に印象に残った各チームのベストアップデート or ワーストアップデート』について全6回で綴ります。

 第4回となる今回は、第14戦ベルギーGP終了時点でコンストラクターズランキング首位につけるレッドブルをお届け。

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 マシンの技術的視点からプレシーズンテストで最も話題を集めたのは、レッドブルRB20の冷却システムだろう。サイドポンツーンのエアインテークは正面からはほとんど見えないほど薄く、ヘイローから流れるように設けられたキャノンデッキによる独立した冷却システムは、ライバルたちと一線を画す独創的なデザインとなっている。

 このデザインの実現に大きく貢献したのが、ホンダ・レーシング(HRC)だ。HRCの折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)はこう語る。

「2023年から取り組んでいた水温や油温をできるだけ高い温度でオペレーションしていくことを引き続き、今年も行い、チーム側の空力面を助けることを行っています。開発が凍結されている中で、設定温度を高くするには、現在の骨格のエンジンが持っている耐熱性のマージンを削る作業になります。どこまで上げられるかというベンチテストを段階を踏んで何度も行い、今年はさらに限界をより正確に見切ることができていると思います」

 そのレッドブルが日本GPに投入したサイドポンツーンのエントリーを含むボディワークが、今シーズンのレッドブルのここまでのベストアップデートだ。それまで赤い線の下まであったサイドポンツーンのエントリーが、日本GPではさらに薄くなって赤いラインの上まで引き上げられている(水色の矢印)。さらにサイドポンツーンの側面の下側の絞り込みが大きくなった(黄色の矢印)。

 この2つのアップデートにより、ストレートスピードが上がっただけでなく、中高速コーナーでのダウンフォースが増加。日本GPではマックス・フェルスタッペンが優勝しただけでなく、セルジオ・ペレスも2位に入り、ワンツーフィニッシュを成し遂げた。

 しかし、昨年から抱えていたバンピーな路面に弱いという弱点は今年になっても克服できておらず、モナコGPとハンガリーGPで失速。ハンガリーGPでは、フェルスタッペンがコンセプトが異なる空力パッケージで走った。これはいかにレッドブルがアップデートに苦しんでいるかを露呈したワーストアップデートと言っていいだろう。

 ただし、このハンガリーGPでのアップデートでレッドブルが何かをつかみ、夏休み明けにこれまでとは異なるアップデートを持ち込み、それを開花させることができれば、ハンガリーGPでのアップデートが“最悪”から“最高”へと変わる可能性もある。

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