2020年のトヨタの布陣を見れば、ヤリス、ハリアー、MIRAI…と、あれもこれも気になってしまう、まさに分厚く隙のない陣容と呼べるものになっていると思う。
しかしさらに先の2021年に目を向ければ、本気で新車を買いたいと思えば思うほど困ってしまうような、ニューモデルたちの情報が入ってきている。
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一番ユーザーの気をひきそうなのは、やはりアクアだろうか。10年振りの登場、そしてこの10年の間に進化したトヨタの技術がどれだけ主力モデルたるアクアに投入されるのか(そして「出るまで待つ」か)、気になる人は多いはずだ。
トヨタの2021年、今わかっていることをすべてお伝えしたい。
■2020年 トヨタ新車カレンダー
2月10日 ヤリス
4月 プリウスGR
5月 ハリアー
6月 カローラスポーツ GRスポーツ
7月 MIRAI
8月 RAV4 PHV、ヤリス GRスポーツ
秋頃 ヤリス クロスオーバー
12月 超小型EV
■2021年 トヨタ新車カレンダー
4月 新型パッソ&ブーン
10月 新型アクア
12月 新型86/BRZ
●【画像ギャラリー】アクア パッソ 86…トヨタ2021年期待の新型車たちをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年1月のものです。新車スケジュールは2020年1月時点で当編集部および流通ジャーナリストの遠藤徹氏が、各メーカーや新車販売店に取材した結果を反映したものであり、発売日が近づくことによって流動する可能性があります。新型車の発表スケジュールについては、新情報が入り次第更新していきます
文・写真・予想CG:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年2月10日号
■トヨタ 新型アクア(2021年10月デビュー予定)
●ヤリスハイブリッド同様の直3、1.5Lダイナミックフォースエンジン+モーターのTHSIIでWLTC燃費40km近くを目指す!
プリウスに並ぶトヨタハイブリッド軍団の主力モデルで5ナンバーサイズ車のアクアが、いよいよ2021年にフルモデルチェンジを受けて2代目に進化する。
初代モデルの現行型が2011年12月に登場して以来、実に10年ぶりのフルモデルチェンジとなる。
現行型からデザインはキープコンセプトになるが、近年のトヨタ車に共通するフロントが鋭いイメージのデザインアイデンティティが盛り込まれる(画像はベストカー予想CG)
注目はJC08モードで45.0km/L超、WLTCモードでも40.0km/L近くを目指すことになるパワーユニットだ。
現行型には直4、1.5Lエンジンにモーターを組み合わせたTHSIIを採用しているが、次期型ではカムリなどに採用されている新世代のTHSを搭載。
当然、トヨタの新世代モデルが採用するTNGAプラットフォームを得て大幅にドライバビリティを向上させてくるはずだ。
組み合わされるエンジンは新たに直3、1.5Lとなる予定で、そのエンジン型式はM15型となり、モーターで駆動する4WDも設定される見込み。
現行型アクアは直4、1.5LDOHC+モーターのTHSIIだが、次期型では直3、1.5L DOHCに変更して効率を追求する
すでに同じダイナミックフォースエンジンをベースとする直3、1.5Lハイブリッドを設定するヤリスハイブリッドがWLTCモード燃費36.0km/Lをマークしていることから、次期型アクアの開発目標数値はそこを超えてくることになる。
ちなみに排気量自体は現行型と変わらないものの、4気筒から3気筒にすることで効率をアップし、現在のJC08モード燃費ナンバーワンのプリウスE(40.8km/L)を凌駕。
気になるのは新型ヤリスのハイブリッドモデルとの競合だが、より燃費コンシャスに振るのが次期型アクアの特徴となりそうだ。
●GRスポーツは新型にも設定!
現行モデル同様にスポーツグレードのGRスポーツが継続設定されることになりそうだ
■トヨタ&ダイハツ 新型パッソ/ブーン(2021年4月デビュー予定)
●トヨタ/ダイハツの登録車のボトムラインが第4世代モデルへと進化し、スポーツグレードも久々に復活へ!
ダイハツが開発してトヨタへOEM提供されているボトムモデルが4代目へと切り替わる。
トヨタのプラットフォーム技術がダイハツの小型車開発に活かされていることが背景にあり、それが新型のパッソ/ブーンとなって結実することになる。
(画像はベストカー予想CG)
さらに、かつてのブーンX4ほど過激ではないものの、久々のスポーツグレード設定もあるというから楽しみだ。
そのパワートレーンには、トールなどが採用している1Lターボではなく、新開発の1Lターボ搭載してくる予定。予想スペックは110ps/20.0kgmほどで、VW up! GTIクラスとなりそう。
従来モデルからエクステリアの質感もグッとアップしてくる次期型のパッソ/ブーン
■トヨタ&スバル 86/BRZ(2021年11月デビュー予定)
●トヨタ&スバル関係強化でますますコラボ開発の強化実現
2019年9月27日に発表されたトヨタとスバルの業務資本提携の強化。トヨタがスバルの株式を買い増して現状の16.83%から20%を超える株式を取得する一方、スバル側もトヨタがスバル株を取得するに要した相当金額分のトヨタ株式を取得する。
より強固な資本関係となる両社だが、この発表リリースにおいて「次期型86/BRZの共同開発」を明言。この次期型がデビューするのが2021年11月の計画なのだ。
現行モデルの正常進化型モデルチェンジとなる86&BRZ
基本的には現行モデルの正常進化型モデルチェンジとなる。スバルが開発を主導し、スバルのプラットフォームに水平対向4気筒エンジンを縦置きするFRスポーツクーペという基本構成に変更はない。
基本となるプラットフォームはインプレッサや新型レヴォーグ、次期型WRXシリーズなどに採用される「SGP」に一新されるので、現行型でネガティブとされたシャシー剛性やサスジオメトリーなどは新開発となり、根本的に見直されることとなる。
スバルの最新SGPをベースに新開発される次期型86/BRZ
搭載されるエンジンはFA型水平対向4気筒は現行型同様だが、排気量は2.4Lに拡大され、これまた現行型で要望の大きかった「モアトルク」を実現。
エンジンはスバルの水平対向4気筒FA型。現行型2Lから2.4Lに排気量が拡大されることでトルクが大きくなり、よりスポーティな走りに進化することが期待される
後輪駆動の特性をより活かした、「アクセルで曲がる」動きを生み出すためのトルクレスポンスに磨きをかけることで、ファン・トゥ・ドライブによりいっそうの磨きをかける。
エクステリアデザインは基本的なシルエットが大きく変わることはなさそうだが、よりシャープなラインを強調したスポーティなスタイルとなるという。
後輪駆動の2ドアスポーツクーペという基本コンセプトに変更はない。ボディサイズも大きく変更されることはない
■86/BRZ予想スペック
全長×全幅×全高:4250mm×1780mm×1315mm
ホイールベース:2570mm
車両重量:1250kg
エンジン:水平対向4気筒DOHC2.4L
最高出力:220ps/7000rpm
最大トルク:24.5kgm/6000rpm
価格:320万円
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