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ふたり乗りのジムニー登場! なぜ“タフな商用車”に惹かれてしまうのか?

掲載 更新 10
ふたり乗りのジムニー登場! なぜ“タフな商用車”に惹かれてしまうのか?

イギリス市場で販売がスタートした、ふたり乗りの商用版スズキ「ジムニー」が話題を集めている。日本未導入のジムニーの魅力とは? 小川フミオが考えた。

オフロード重視のジムニー

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「日本でも欲しい!」と、思わず声が出るスズキの「ジムニー」が英国で販売開始されて話題をよんでいる。英国仕様がおもしろいのは、なんと2座席に改造されていること。そこまでしてジムニーに”乗ってくれる”なんて、なんだか嬉しいではないか。

ジムニー(輸出仕様は1.5リッター搭載のジムニー・シエラ)はこれまで欧州でも、プロフェッショナルユースに供されてきた。

一部の国の山岳地帯で、とりまわしのいい車体と悪路走破性の高い性能とで、高い評価を受けているようだ。スズキの開発担当者が、現行モデルの試乗会で、そう鼻高々に語ったのを、私は記憶している。

プロでなくても、オフロードやキャンプ好きには、ジムニーのアピール度は高い。モデルチェンジをしても、ラダーフレームに前後固定式のサスペンションを守っているのも、かなりの評価ポイントだ。

メルセデス・ベンツ「Gクラス」も、キャデラック「エスカレード」も、サスペンションの一部が独立懸架となったのに対して、オフロードにおける路面追従性の高さを重視している。

くわえて、エンジンは極限的な状況を想定して扱いやすさを重視、その他、100英馬力(約74.5kW)の最高出力と95lbft(128Nm)の最大トルクを持つ1460cc直列4気筒ガソリンは、1095kgに抑えられた車体には十分な性能だ。

手動でレバーを操作し、前輪駆動と四輪駆動とを切り替えるシステムも、シンプルな構造ゆえ故障しにくい。これらを、かたくなに守るところが、クルマ好きの心を打つのだ。

エキゾチックな魅力がある

英国仕様が2人なのは、搭載している1.5リッター・エンジンと燃費規制との関係がある。乗用車の規制値をクリアできないのだ。しかしいっぽうで、商業車としてなら認可が受けられる。

そのため、英国スズキでは窮余の策として、ジムニーを、認可がとおるLCV(ライトコマーシャルビークル=小型商業車)として登録販売。そのためには、後席をそなえていてはいけない。前席より背後は荷室である必要がある。実際にこの英国向けジムニーは863リッターもの荷室容量を誇るのだ。

日本でも、商用車にはいろいろ規制がある。たとえば、後席シート。バックレストがリクライニング機能のない固定式であり、どうじに折り畳めなくてはいけない。くわえて、後席の面積よりも荷室の面積が大きいことも条件に入る。それとすこし似ている。

自家用として使うばあいも、ふだんフロントシートしか使わないというケースは少なくないだろう。座席がリアにないと荷物を置くときすこし不便であるものの、スポーツカーのオーナーはそこを我慢している。楽しさという見返りがあるからだ。

ジムニーの2シーターもおなじことが言える。ふだん、1人か2人しか乗らないカーライフを送っているなら、LCV(商用バン)登録されていたって、大きな問題にはならないのだ。

そういえば、日本でも、快適性とは無縁の小さな後席、あるいは最初から2人乗りという欧州のLCVが、いろいろ並行輸入されてきた”歴史”がある。鉄道用車両や、工事現場の作業用車両と通じる、エキゾチックな魅力があるため、自動車マニアにウケてきた。

欧州製ハッチバックの多くは、商用車のベースとなってきた。たとえば、あちらの空港にいくと、見慣れたフォルクスワーゲン「ゴルフ」のはずなのに、後席ウィンドウのかわりにパネルをはめこまれた車両が走りまわっていたりする。

英国のオリジナル・ミニのワゴン版であるクラブマンをベースにサイドウィンドウをなくしたバン(積載量から“one-quarter ton van”などとも呼ばれた)は、日本でも並行輸入されて、輸入家具屋などで使われているのを観たことがある。

ルノー「4L」(1961~1991年)には「F4」という商用バンもあり、こちらもときどき見かけた。F4のFは、フランス語でバンを意味するフルゴンの、さらに小さなものという意味のフルゴネットに由来している。

いまも人気のあるシトロエン「2CV」(1948~1990年)をベースに作られたバン「Aシリーズ」も、印象ぶかいLCVだ。後席からうしろは背の高い荷室となっている。機能を重んじるフランス独特のデザインゆえ、コンパクトで、かつ荷室の大きなクルマが欲しい、というひとから支持された。

エキゾチックとは、ひょっとしたら、自国のメーカーのプロダクトでは自分のニーズが満たされない不便さ、といったものの言い換えととらえてもいいかもしれない。私はそう思ったりする。

クルマは、これだけ多様化しているものの、意外なことに、自分が求める組合せが見つからない、ということだ。ジムニー2ドアは近年の好例だろう。

日本の公道で乗るには、ギア比が分散しすぎていて乗りにくさも感じるジムニーであるものの、オフロードで頼りになる。そんなクルマが欲しい海外のユーザーにとっても、ありがたい存在なのだ。

できれば、乗用車の排ガス規制をきちんとクリアするエンジンを搭載するのがベストである。メーカーのスズキには、そこをなんとか頑張ってほしい。

文・小川フミオ

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みんなのコメント

10件
  • どうせ後席は使わんし、
    軽く安くなるんなら、
    買い得感UPだ(^^♪
    荷室も広くなるわけだし!
  • 小学生ライターの記事??
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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