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ル・マン24時間に向け、ハイパーカーのBoPが発表。ぶっつけ本番で“2段階”性能調整を導入へ/WEC

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ル・マン24時間に向け、ハイパーカーのBoPが発表。ぶっつけ本番で“2段階”性能調整を導入へ/WEC

 6月12~16日に開催されるル・マン24時間レースと、その前週に予定されるテストデーの実施に先駆け、WEC世界耐久選手権のトップカテゴリーであるハイパーカークラスの性能調整(BoP=バランス・オブ・パフォーマンス)が発表された。このなかで、シリーズの目玉として“パワーゲインシステム”が初めて使用されることが明らかになった。

 同システムは3月にカタールで開催された開幕戦に先立ち、同地でのプロローグテストで複数のメーカーのマシンがテストしたもので、一定の速度を超えたときにマシンの最高出力を変更することによりフィールドのさらなる均等化を図るものだ。

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 パワーゲインシステムは当初、第2戦イモラから導入される予定だった。しかし“2段階BoP”とも称されるこのシステムはイモラだけでなく、ル・マンの前哨戦である第3戦スパ・フランコルシャンでも使用されなかった。

 トヨタは何度もこのシステムに対する支持を表明しており、とくにテクニカルディレクターのデイビッド・フルーリーは、WECのシリーズ戦でトライアルが行われなかったにもかかわらず、ル・マンで同システムが導入されることを熱望していた。

 FIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブによって発表されたブルテンでは、このシステムがル・マンでデビューすることが確認された。なお、そのしきい値は従来の210km/hから250km/hに変更されている。

 9車種のハイパーカーのうち7つのモデルは、このしきい値を超えた際の最高出力が変更され、そのうち4台(アルピーヌA424、BMW MハイブリッドV8、イソッタ・フラスキーニ・ティーポ6・コンペティツィオーネ、トヨタGR010ハイブリッド)は0.9パーセントのパワーアップを果たす。

 一方、残りの3モデルは出力が落とされる調整が入り、前年の覇者フェラーリ499Pは1.7パーセント、ランボルギーニSC63は1.6パーセント、プジョー9X8は0.7パーセントのパワーダウンを受け取った。キャデラックVシリーズ.Rとポルシェ963の2車種については250km/hのしきい値を跨いで最高出力に変化がない。

 ただし、フェラーリとランボルギーニは前戦スパよりもベースパワーが上昇しており、499Pは2kW増の508kW、SC63は5kWアップの519kWに。後者は9つのハイパーカーの中でもっともパワフルな1台となる。スパで今季2勝目を挙げたポルシェもわずかな増加が認められ511kWとなった。

 出力に変更がないプジョーを除き、残りの5台は基準となる出力の低下を受け取り、トヨタとキャデラックはそれぞれ7kW減の508kWと509kWに設定された。アルピーヌは前戦から6kW減の507kW、イソッタ・フラスキーニは5kWダウンで515kW、BMWは2kW少ない508kWとなっている。

 以前、主催団体によって説明されたように、ル・マンはここまで3戦が行われてるWECのシリーズ戦と比較して独立したBoPで走ることになるが、最新のBoPテーブルを見ると前回のスパでのレースと比較して各車の最低重量に大きな変更があることが確認できる。

 プジョーにはもっとも大きな変更が与えられ、イモラから登場した新しい9X8は従来よりも18kg軽い1047kgで母国フランスの耐久クラシックを走ることとなった。

 また、フェラーリは10kg減の1043kg、イソッタ・フラスキーニは12kg減の1048kgに。トヨタGR010ハイブリッドは前戦と比較して11kg軽い1053kgとなった。

 LMDhカーでスパから唯一軽量化したのはアルピーヌで7kg減の1038kgに設定された。残る4台はプラスの調整。ポルシェは5kg増えて1042kg、ランボルギーニはプラス4kgで1039kg、BMWは1kg増を受け取り1039kgとなった。キャデラックは6kgのプラスにもかかわらず1036kgでクラス最軽量を維持している。

 ル・マンに復帰する5つのハイパーカー(フェラーリ、トヨタ、ポルシェ、キャデラック、プジョー)はすべて、昨シーズンの同イベントよりも低い最低重量となっているが、同時にベースパワーを抑えて走行することになる。

■ハイパーカークラスBoP(5月31日付)
2024年WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン用
マシンPF最低重量最高出力パワーゲイン≧250km/h最大エネルギー量Fr.ERS作動速度(Dry/WET)アルピーヌA424LMDh1038kg(-7)507kW(-6)0.9%903MJ(-10)――BMW MハイブリッドV8LMDh1039kg(+1)508kW(-2)0.9%904MJ(-3)――キャデラックVシリーズ.RLMDh1036kg(+6)509kW(-7)0.0%900MJ(-9)――フェラーリ499PLMH1043kg(-10)508kW(+2)-1.7%889MJ(-16)190kph/190kphイソッタ・フラスキーニ・ティーポ6-CLMH1048kg(-12)515kW(-5)0.9%915MJ(-8)190kph/190kphランボルギーニSC63LMDh1039kg(+4)519kW(+5)-1.6%904MJ(-4)――プジョー9X8LMH1047kg(-18)508kW-0.7%895MJ(-15)190kph/190kphポルシェ963LMDh1042kg(+5)511kW(+4)0.0%904MJ――トヨタGR010ハイブリッドLMH1053kg(-11)508kW(-7)0.9%906MJ(-11)190kph/190kph
※()内の数字は前戦比

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みんなのコメント

1件
  • ori********
    思ったよりマトモな調整に見える。
    パワーゲインシステムがどう影響するか分からないけど今年もトヨタvsフェラーリかなぁ。ポルシェも来そうだし。
    プジョーはどういうデータを提出したんだ?
    まだフェラーリより重いしパワーも少ない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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