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【自動車博物館へ行こう】ホンダ1300は空冷を理想としていたホンダの信念を貫いた1台だった

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【自動車博物館へ行こう】ホンダ1300は空冷を理想としていたホンダの信念を貫いた1台だった

軽自動車N360の大ヒットで量産メーカーとして本格的なスタートを切ったホンダが、次に投入したのが1969年のホンダ1300だった。営業的には成功作とは言い難いが、ホンダにとって重要な歴史的モデルとしてホンダコレクションホールに展示されている。(Motor Magazine 2016年1月号より)

ホンダが次の時代へと踏み出すきっかけとなった

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ホンダ1300は、1968年の東京モーターショーで公開されて大きな注目を集め、翌1969年に生産型の仕様と価格が発表されている。当初のラインナップはシングルキャブの77シリーズと、4キャブの高性能版99シリーズの2本立てだった。

注目は1298ccの直4SOHCにDDAC(デュオ・ダイナ・エア・クーリング)と呼ばれる画期的な2重空冷システムを採用して当時の2Lエンジン並みの出力を実現していたこと。駆動方式はFFだった。

空冷エンジンの利点は、構造がシンプルで軽量、メンテナンスも簡単で価格が安いことにあった。そんな中で、パワフルで高回転まで回るこの空冷エンジンは驚異的であったが、その性能や技術にこだわり過ぎたのか、重く、大きく、コストもかかっていた。

室内はこのクラスとして広いとは言えず、価格も驚くほど安いということもなかった。

そんなこともあり、性能は高かったものの販売はなかなか伸びず、1969年12月にはエンジンを95ps、110psに変更、1970年2月にはデュアルヘッドライトのクーペを投入、さらに1970年3月には3速ATを採用するなど、次々とテコ入れされたが、その効果は長く続かなかった。

また、時代が要求する公害対策に対応するためには、空冷を諦めざるを得なくなっていた。排気ガスをクリーンにするためにはエンジンの燃焼温度を一定に保つことが重要であり、空冷ではそれが困難だった。

こうしてホンダ1300は、まったく新しい台形をモチーフとしたコンパクト2ボックスのシビックの登場によって、ひっそりとフェードアウトしていく。ホンダが社運を賭けた画期的な小型車は、成功作とは言い難いが、本格的な4輪車メーカーへと成長するための重要なステップとなったのだった。

ホンダ1300 77S(1969年)主要諸元

●全長×全幅×全高=3885mm×1465mm×1345mm
●ホイールベース=2250mm
●エンジン=空冷4サイクル直列4気筒SOHC
●排気量=1298cc
●最高出力=100ps/7200rpm
●車両重量=885kg
●最高速=175km/h
●1969年当時の価格=60万5000円

ホンダ コレクション ホール

「ホンダのみんなが何を考えてつくってきたか。みんなのつくったものを皆さんにお見せすればいい。こんな正直なホンダはどこにもないぞ」と言う創業者本田宗一郎の言葉が発端になって開設されたのがホンダコレクションホール。2輪&4輪のレーシングマシン、2輪市販車、4輪市販車などが3階建ての施設内に展示されている。

●住所:栃木県芳賀郡茂木町桧山120-1(ツインリンクもてぎ内)
●入館料:無料(ツインリンクもてぎへの入場に別途料金が必要)
●問い合わせ先:☎0285-64-0341 http://www.twinring.jp/collection-hall/
●アクセス:常磐自動車道水戸北スマートICより約30分(東京方面からのETC専用出入り口のみ)、那珂ICより約40分、水戸ICより約40分/東北自動車道宇都宮ICより約90分/北関東自動車道真岡ICより約50分
●展示車両は入れ替えの場合あり。

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