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ロバンペラと勝田が無念のデイリタイア。首位争いはオジエVSタナクの元王者対決に【WRCポルトガル三日目】

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ロバンペラと勝田が無念のデイリタイア。首位争いはオジエVSタナクの元王者対決に【WRCポルトガル三日目】

 5月11日(土)、WRC世界ラリー選手権第5戦『ラリー・ポルトガル』の大会三日目が行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のセバスチャン・オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が総合首位に立っている。11.9秒差の2番手には、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)が続く展開だ。

 TGR-WRTのレギュラーである日本人ラリードライバーの勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、SS12でサスペンションにダメージを負ったことによりデイリタイアとなっている。

【順位結果】2024年WRC第5戦ラリー・ポルトガル SS18後

 今年も行われている伝統のラリー・ポルトガルは、大会前半から僅差の首位争いが繰り広げられており、高い緊張感のまま大会折り返しを迎えた。

■表彰台圏内の2台がデイリタイアに

 この日最初のSS10では、総合首位のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が主導権を掴みにかかるアタックでトップタイムをマーク。続くSS11でも、ロバンペラはそのペースを緩め得ることなくアタックを敢行したが、登りの中低速コーナーにてアウト側の路肩にタイヤを落としてしまい、姿勢を崩して付近の樹木にクラッシュを喫してしまった。


 これでロバンペラがデイリタイアとなった一方、道幅が狭く轍も高いテクニカルなこのステージでは、ライバルらも揃ってグリップに苦戦。エルフィン・エバンスと勝田貴元(ともにトヨタGRヤリス・ラリー1)や、ヒョンデ・シェル・モービスWRTのティエリー・ヌービルとオット・タナクら(ともにヒョンデi20 Nラリー1)が各コーナーで相次いでハーフスピンをしてしまう。

 そんなトリッキーなSS11では、確実に走り抜けたオジエが首位タイムをマークすると同時に、総合首位にポジションを上げた。そして、3.4秒差で追う総合2番手には、タナクが浮上してくる。各車を見舞うアクシデントにより次第に午前の緊張感が様相を変えていくなか、SS12ではタナクが今大会最初のステージウインをあげ、0.2秒差で逆転して総合首位へ。

 そして総合3番手につけていた勝田は、このステージで右リヤサスペンションにダメージを負ってしまい、ステージの側道にマシンを停止。公式映像でも左コーナーにて右リヤタイヤがふらつくシーンが映し出され、以降の再走は叶わず無念のデイリタイアとなってしまった。その結果、代わりにヌービルが3番手に浮上する。

 午前最後のSS13では、新たにラリーリーダーとなったタナク車の右リヤタイヤにスローパンクのトラブルが発生。何とかリムから落ちないようペースをコントロールし、マシンをゴールを運んだ一方、オジエは残るタイヤの全パフォーマンスを引き出すアタックを披露し、総合首位を奪取した。

■オジエVSタナクの王者対決

 オジエがポジションを奪い返し、13.6秒差で迎えた午後一本目のSS14は、タナクが火のついたようなアタックでトップタイムをマーク。続くSS15でも勢いはとどまらず、2連続のステージウインをあげ、ふたりの差は7.8秒差に縮まった。

 ただ首位に立つ元王者は、「重要なのは次のSS16だ。必ずプッシュする」とコメントを残し、午前中にタナクが制した37.24kmの長いステージでの勝負に賭ける。そして、まさに有言実行と言うべき力走を見せ、タナクを4.1秒上回るトップタイムをマークして見せた。

 この日の残るステージはあと2本。摩耗が重なってくるタイヤへの嘆きも聞こえてくるなか、オジエはひとり好ペースを保ち、SS17でも最速に。そして、2台が同時に出走する最後のスーパーSS18では、タナクが直接対決を制してデイ3を締めくくった。ここでのトップタイムは、アドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)がマークしている。

 2024年からの新ポイントシステムでは、土曜までの総合順位と日曜のみの総合順位とでそれぞれポイントを付与する。デイ3終了時点で、総合首位に立つオジエには暫定18ポイント、2番手のタナクには暫定15ポイント、3番手のヌービルには暫定13ポイントが与えられる。以下10番手までは順位に応じたポイントを得られるが、付与を確定させるためには日曜日のステージも完走することが不可欠となる。

 そして、WRC2クラスについてもこの日はアクシデントが頻発した。クラストップを走っていたオリバー・ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2)がSS11でクラッシュを喫して離脱。SS13では、代わりにトップに立ったヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)が岩にヒットし、タイヤかボディのダメージケアのためか一時停止のタイムロス。アクシデントはまだ止まず、入れ替わりで首位に浮上したガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー)もスタックに見舞われ、デイリタイアとなった。

 この結果、クラス首位に立ったのは、今大会にはチーム選手権のみのエントリーとなっているニコライ・グリアジン(シトロエンC3ラリー2)だ。2番手には、トヨタGRヤリス・ラリー2を駆るヤン・ソランスが9.7秒差で続き、さらに8.0秒差の3番手には、アイルランド出身でラリー2マシンでの経験も豊富な新星ジョシュ・マクリーンがつけている。

 大会最終日となるデイ4はSS19から22までの4本で争われ、ステージの総距離は62.18kmとなる。いよいよ勝者が決まるデイ4、最初のSS19は現地時間12日(日)の7時05分(日本時間で同日15時05分)より開始される予定だ。

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