ファミリー・フレンドリーなクルーザー
今回のトヨタとスバルの2台は、パッケージング上ではライバル関係にあるように思える。ターボエンジンがフロントに載り、天候を問わない四輪駆動で、家族持ちもうれしい4ドアのボディをまとう。
【画像】輸入されない日本の宝石 日産Z/トヨタGRカローラ/スバルWRX GRヤリスにソルテラほか 全115枚
ところが、スバルWRX(WRX S4)は3万4965ドル(約377万円)で、トヨタGRカローラは4万8365ドル(約522万円)。カナダ市場での価格は大きく違う。
スバルが、往年のインプレッサのようにハードコアなSTI仕様へ取り組んだら、トヨタ・
ガズー・レーシングの技術を凌駕するかもしれない。しかし、現在はカーゴパンツや防水ジャケットが似合いそうな、クロストレックやフォレスターへ力が注がれている。
新しいWRXには、2.4Lの水平対向4気筒ターボエンジンが載り、カナダ仕様では最高出力270psを発揮する。車重は1611kgとサイズの割に重く、動力性能は先代から向上してはいない。
それでも、フォルクスワーゲン・ゴルフ GTIが手を焼くような荒れた路面でも、WRXは安定した走りを披露。リアシートはゆったりしていて、体格の大きい大人でも、かさばるチャイルドシートでも問題無く受け入れる。荷室も広く、実用性は高い。
2000年代初頭の2代目インプレッサのような、シャープな操縦性は備わらないが、洗練度は増している。ファミリー・フレンドリーな、クルーザーへ進化したといえる。
1990年代のインプレッサを想起させる
先代のVA型WRXからCVTが設定され、シリアスなイメージを尊重するファンの不評は買った。しかし、販売数は大きく伸ばした。デュアルクラッチATのように鋭敏な変速は見せないが、水平対向エンジンのトルクを最大限に活かしてくれる。
ダルなラバーバンドフィールも伴わない。もちろん、お望みなら6速MTを選べばいい。
最新世代では、フェンダーやサイドシルにプラスティック製のボディキットが追加され、クロスオーバー感が強調されている。サルーンのフォルムで、ターボエンジンを積んだ、クロストレックといっても過言ではないだろう。
モデルチェンジ後も、カナダ市場での販売は好調なようだ。変化する自動車市場へ、大人な姿勢で対応した結果ともいえる。右肩上がりではないとしても、英国でもビジネスとして成り立つように思う。
他方、トヨタGRカローラはWRXとは真逆の姿勢から生まれたようなクルマ。ターボチャージャーの悲鳴や明確なブースト感、簡素なプラスティック製の内装などは、むしろ1990年代のインプレッサを想起させる。
3気筒ターボエンジンはレスポンスが鋭く、爽快なサウンドを響かせる。ステアリングはシャープで、有能なセンターデフを備え、テールを思い切り振り回した悪ふざけにも興じられる。2023年に乗ると、楽しさのあまり少し気が狂いそうになるほど。
コンパクトで軽量なGRヤリスの方が特別
ただし、ホンダ・シビック・タイプRと比較すれば、ブレーキング時の安定性では及ばない。実用性も、WRXと比べれば劣る。逆に、リアシートを省いた2シーターを指定することもできる。
ドライビング体験は素晴らしいが、小さなGRヤリスと比較して、圧倒的に速いわけではない。実用性も、明らかな差があるとまではいえないだろう。欧州大陸にはGRヤリス、北米大陸にはGRカローラと、1台ずつを割り振ったトヨタの考えに理解はできる。
GRカローラとWRXで、心から欲しいと思えるドライバーズカーを選ぶなら、前者になる。それでも、GRヤリスを置き換えるほどかと聞かれれば、イエスでもない。
ディーラーのショールームへ飾られる、専用ボディをまとった真新しいラリー・ホモロゲーションのようなモデルは、2023年では極めて珍しい。小柄で軽量なGRヤリスの方が特別だといえるし、島国の一般道にもより適している。
WRXは、92%の道が未舗装だとされる、カナダ・ブリティッシュコロンビア州の道路に最適。キャンプの道具や通勤の足にも選びやすい、価格帯にもある。だが現在の欧州では、電動化技術が優先されるべきなのだろう。
オールドスクールな魅力には逆らい難い
そして、日産の新しいZへ考えが巡る。プラットフォームはキャリーオーバーで、車重は1590kgと軽くないものの、オールドスクールな魅力には逆らい難い。
グレートブリテン島の道でも不満ない敏捷性を披露するだろうし、欧州大陸の長距離移動も快適にこなせる力強さがある。スタイリングも、欲しいと思わせるのに不足ない。
今回の3台で、英国人が嫉妬するべき存在といえるのは、日産Zとなりそうだ。並行輸入を手配すれば、ロンドン郊外のガレージへ収めることも難しくはないだろう。
ちなみに、筆者がカナダで愛用しているのは新しいスバルBRZ。英国には、兄弟モデルのトヨタGR86が導入されたが、販売数は限定され短時間で完売したと聞いている。
カナダ市場での価格は、換算すると約2万ポンド(約362万円)に相当する。英国では2万9995ポンド(約543万円)からだったから、大きな価格差に驚かれると思う。本当にお手頃なスポーツカーとして楽しまれており、販売台数も制限されていない。
むしろこちらの方が、禁断の果実的な事実かもしれない。
英国未導入の日本車 3台のスペック
日産Z スポーツ(フェアレディZ/カナダ仕様)
カナダ価格:4万9337ドル(約533万円)
全長:4380mm
全幅:1845mm
全高:1315mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.9秒(予想)
燃費:9.5km/L
CO2排出量:276g/km
車両重量:1590kg
パワートレイン:V型6気筒2997ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:400ps/6400rpm
最大トルク:48.4kg-m/5200rpm
ギアボックス:6速マニュアル(後輪駆動)
トヨタGRカローラ・コア(カナダ仕様)
カナダ価格:4万8365ドル(約522万円)
全長:4410mm
全幅:1850mm
全高:1455mm
最高速度:230km/h
0-100km/h加速:5.3秒(予想)
燃費:11.9km/L
CO2排出量:227g/km
車両重量:1470kg
パワートレイン:直列3気筒1618ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:300ps/6500rpm
最大トルク:37.6kg-m/3000rpm
ギアボックス:6速マニュアル(四輪駆動)
スバルWRX(WRX S4/カナダ仕様)
カナダ価格:3万4965ドル(約377万円)
全長:4670mm
全幅:1825mm
全高:1465mm
最高速度:215km/h
0-100km/h加速:5.8秒(予想)
燃費:10.6km/L
CO2排出量:251g/km
車両重量:1611kg
パワートレイン:水平対向4気筒2387ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:270ps/5600rpm
最大トルク:35.6kg-m/2000rpm
ギアボックス:6速マニュアル(四輪駆動)
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みんなのコメント
だってそうゆう車だし。