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テスラ・イーターはどこか。群雄割拠、米国EVスタートアップの最新情報

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テスラ・イーターはどこか。群雄割拠、米国EVスタートアップの最新情報

 日本でも「2030年代までに電動車の普及拡大を図る政策」に軸足が移りそうそうだ。いま自動車業界は大きな転換期を迎えている。その中で注目されるのは、テスラをはじめとするEVの躍進だ。

 米国にはテスラに追いつけ追い越せとさまざまなEVスタートアップ企業が登場している。その中でも一番手といえるのがリビアンだ。リビアンは創業が2009年、2018年のロサンゼルスオートショーでプロトタイプのEV、R1S(SUV)とR1T(ピックアップトラック)の2台を発表して話題になった。

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 リビアンにはフォードが500万ドルを出資、将来のフォード車のEVバージョンをリビアンのプラットホームで作る、という提携関係にある。現在リビアンは北米市場用にR1SとR1Tの生産を急ピッチで進めるほか、欧州と中国市場用に新たな小型SUVの開発にも着手する、と発表している。

 R1Sは価格が7万ドル(約728万円)からで、航続走行距離は300マイル(約480km)以上。乗車定員は最大7名。本社がミシガン州にあることもあって寒冷地に強い仕様になっている。R1Tは価格6万7500ドル(約702万円)からで航続走行距離は 300マイル以上、最大牽引能力1万1000㍀ポンド(約5トン)。

 R1Tはテスラのサイバートラックとサイズ、価格、スペックなど、全般的に極めて似た内容で、最大のライバルになると見られている。R1S、R1Tは 2020年11月にローンチエディションの予約が始まったが、わずか数日で完売。ローンチエディションは2021年後半にデリバリーが始まる予定だ。

 航続走行距離で現在アメリカナンバーワンとされるのがルシードだ。同社のルシード・エアはシングルモーター仕様で1充電当たり406マイル(約650km)走れる。現在予約するユーザーには、3年間無料の充電サービスが付帯する。

 価格は7万7400ドル(約805円、連邦政府によるインセンティブがあり、実際は6万9990ドル=約728万円)からの設定。300ドルで予約が可能。工場は現在アリゾナ州に建設中で、デリバリーは2021年以降になる。ルシードの工場では新たなSUVモデルの生産も予定されており、こちらは2023年以降の発売となる予定だ。メーカーは「合計で年間40万台の生産キャパシティになる」と説明している。

 ルシードは元々テスラのエンジニアが独立した形でスタートした企業だけに、テスラとのライバル関係が強調される。ルシードは2020年9月、1080hp仕様のエアで航続走行距離517マイル(約827kmを叩き出したが、市販モデルはややスペックを落とし、価格は6万9990ドルに設定した。

 これに対しテスラ社のイーロン・マスク氏はモデルSの価格を6万9420ドルに下げて対抗。モデルSのロングレンジバージョンの航続走行距離を409マイルとし、「価格はやや安く、航続走行距離はやや長い」設定とした。現在のところルシード・エアのライバルはテスラ・モデルSになるが、今後SUVや価格の安いモデル3に対抗するセダンが作られる可能性があり、テスラが警戒する企業のひとつだ。

 一方、モデル3に価格面で対抗し、EVの価格破壊に貢献しそうなのがフィスカー社だ。フィスカーは元フィスカー・オートモーティブの創業者、ヘンリック・フィスカー氏が新たに立ち上げた企業で、SUV、オーシャンの生産を始めている。

 オーシャンはフィスカー氏によると「すでに8000台以上の予約が入っている」という。オーシャンの価格設定は3万7499ドル(約390万円、インセンティブ後は2万9999ドル=約312万円)と、まさにモデル3に対抗する価格だ。しかもフレキシブルリース(期間を定めないリース契約)で月々379ドル(約3万9000円)から、というオプションが用意されている。

 なぜこのような安い価格が可能なのかというと、ボディやパネルなどにリサイクル素材を多用し、極力シンプルな作りにしているからだ。詳細なスペックは未公表だが、航続走行距離は300マイル(約480km)前後、ルーフ全体にソーラーパネルが設置されるなど、クリーンなエコカーのイメージを打ち出している。発売は2022年の予定。

 フィスカーのもうひとつの特徴は、メンテナンスなどの価格がすべて含まれており、自社でメンテナンス、修理を行うことで保険料が安くなる点。フィスカーのアプリから同社の保険に申し込みができ、総合的なサービスで安価なEVの提供を目指している。

 米国で人気のピックアップトラックのEV開発も活発だ。ミシガン州にはローズタウンというEVピックアップに特化したスタートアップが登場。同社のエンジュランス(インホイールモーターの4WD)は、価格が5万2500ドル(約546万円)と、リビアンのR1Tやテスラのサイバートラックよりも安い。2021年秋からの発売が予定されている。

 ミシガン州のボリンジャーは、ジープのような角張ったデザインのEV、B1(SUV)、B2(ピックアップトラック)を生産する。両車とも価格は12万5000ドルと高めだが、米国人好みのデザインといえる。発売は2021年の予定だ。

 GMは2021年以降発売予定のハマーピックアップのEVバージョン(11万2000ドル)を発表し、フォードはF150ピックアップのEVバージョンを発売予定と、電動化がフル加速している。

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