現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則358】ランドローバー フリーランダー2はテレインレスポンスを装備、オンロードの快適性も向上

ここから本文です

【ヒットの法則358】ランドローバー フリーランダー2はテレインレスポンスを装備、オンロードの快適性も向上

掲載 更新
【ヒットの法則358】ランドローバー フリーランダー2はテレインレスポンスを装備、オンロードの快適性も向上

欧州では2006年秋から販売が開始されたランドローバー フリーランダー2が、2007年6月から日本でも発売開始となった。1997年に登場した初代フリーランダーから9年。その走りはどこまで洗練されたのか。当時の試乗を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年9月号より)

3.2L直6エンジンや4WDシステムは全モデル共通
日本仕様には、3モデルを用意。ただし、フロントに横置き搭載される3.2L直列6気筒DOHCエンジンや瞬時に制御が働く新電子制御式ハルデックスカップリングを用いた4WDメカニズム、サスペンションから各種の走行安定制御装置などは全モデル共通だ。つまり、求める装備の違いによって選ぶことができるという設定だ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

ファブリックシート仕様で17インチの6スポーク型アルミホイールを備える「S(車両価格:390万円)」。ヒーテッドフロントスクリーン/本革とファブリック仕様のハーフレザーシート(フロント電動調整式)/DVDナビゲーションシステム/バイキセノンヘッドライト/5スプリットスポーク型17インチアルミホイールが標準装備に加わる「SE(460万円)」。ウッドトリム/フルレザーシート/電動パノラミックサンルーフ/プライバシーガラス/プレミアムオーディオシステム/アダプティブ・フロントヘッドライティング・システム/18インチアルミホイールがさらに追加される「HSE(530万円)」である。

試乗したのは、トップグレードのHSE。走行面でのS/SEEとの違いはタイヤ/ホイールのみで、車重も標準装備されるサンルーフの20kg分が加わるだけ(重心位置はやや高いはず)。

スタイリングは、ヘッドライト形状/フロントグリル/フロントフェンダー横のサイドベントなど、現在のランドローバー各モデルで採用されているデザインモチーフが各所に活かされている。「ランドローバー」だというアピールだ。スペアタイヤが床下収納となり、モダンな印象となった。

ホイールベースは先代より105mm延長され、全長は先代よりも135mm長くなった。室内空間では、特に後席の快適性が増している。荷室容量は、後席を倒さない普通の状態で546Lから755Lへと拡大された。

高いオフロード性能、付加価値が生む独自の雰囲気
背中を伸ばした感じで着座して(ランドローバーが言うところの「コマンドポジション」)、それでも頭上にしっかりとヘッドクリアランスがあるので、余裕を感じながら走り出す。1910mmという全幅はそれなりに大きいが、ボディ四隅がどこにあるかを感じ取りやすいので「サイズを持て余す」という印象は受けない。

アクセルペダルを踏むと、ストレート6ならではの心地よい音とともに、エンジン回転がスムーズに上がっていく。アイシンAW製の6速ATは滑らかな変速でシフトアップして、車速を高めていく。ボディサイズや排気量から想像するよりも、ずっと軽やかだ。

このジャンルのモデルとしては、カイエンとレンジローバーに次ぐ高いボディ剛性を確保したというだけに、サスペンションがスムーズに動く印象。そして、乗り心地がいい。このあたりの感覚は、先代のフリーランダーから大きく進化したところだ。

前方にゆるいコーナーが見えてきた。ステアリングの操作とほぼ同時に、わずかにユラリとボディが揺れるがノーズは素直にコーナーに合わせて向きを変える。そこから先は、安定した姿勢で抜けていく。ブレーキング時に1920kgという車重は感じるが、踏力をわずかに強めた操作をすれば問題なかった。とにかく、素直に走らせることができる。全体的な騒音レベルは低く、これなら高速道路での巡航なども苦にならないだろうと感じる。

初代モデルは、1997年にランドローバーブランドのエントリーモデルとして発表された。1994年にトヨタRAV4、続いて1995年にホンダCR-Vがデビューしてそれぞれがともに欧米で好評を博す。そこで「コンパクト・プレミアム4×4」という独自のコンセプトのもと、ランドローバー車に相応しい走破性を備えながら、レンジローバーやディスカバリーよりも身近で使いやすいモデルとして企画された。

フリーランダー2では、その走破性をさらに高める新機構が搭載された。「GRC(グラディエント・リリース・コントロール)」がそれで、急勾配でブレーキペダルから足を離した際に、ブレーキ力を徐々にゆるめていくシステムである。実際、オフロードコースでGRCを試すことができた。

雨と霧で視界が悪い中、ぬかるんだ急坂路を下る。一度停止してGRCとHDC(ヒル・ディセント・コントロール)のスイッチを入れ、アクセルペダルを踏まない状態でブレーキペダルを離す。クルマがゆっくりと動き出すとともに、HDCの制御で速度が上がらないように自動的にブレーキがかかり、すんなりと急坂を降りることができた。下りの急坂路でブレーキを離すのには覚悟が必要だが、この機構ならばハンドル操作に集中できる。

現代のクルマとして求められるオンロードでの快適性能は、きっちりと確保されている。セダンやワゴンを前提とした常識が、違和感なく当てはまることは、相当に凄いことだと思う。なぜならば、セダンやワゴンには悪路の走破性など求められていないからだ。

確かに、日常的にその「特別な付加価値」を使う機会は少ないかもしれない。しかし、その付加価値が生む独自な雰囲気には、大きな魅力がある。

フリーランダー2は、先代ディスカバリーのオーナーの心にも訴える内容を備えていると感じた。時代に即してそのポジションをアップさせた、最新のエントリーモデルなのだ。(文:香高和仁/Motor Magazine 2007年9月号より)



ランドローバー フリーランダー2 HSE 主要諸元
●全長×全幅×全高:4515×1910×1765mm
●ホイールベース:2660mm
●車両重量:1920kg
●エンジン:直6DOHC
●排気量:3192cc
●最高出力:232ps/6300rpm
●最大トルク:317Nm/3200rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:530万円(2007年)

[ アルバム : ランドローバー フリーランダー2 はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

スペインで「アウディRS Q8パフォーマンス」を体験! 日常使用への適合性とスポーティな特性を完璧に兼ね備えた一台
スペインで「アウディRS Q8パフォーマンス」を体験! 日常使用への適合性とスポーティな特性を完璧に兼ね備えた一台
LE VOLANT CARSMEET WEB
日野、路線バス「ブルーリボンZ EV」発売 ハブモーター付きドロップアクスル採用で低床化
日野、路線バス「ブルーリボンZ EV」発売 ハブモーター付きドロップアクスル採用で低床化
日刊自動車新聞
フェルスタッペン、6月以来の優勝でポイントリード拡大「17番手から勝つなんて驚いた。マシンが自信を与えてくれた」
フェルスタッペン、6月以来の優勝でポイントリード拡大「17番手から勝つなんて驚いた。マシンが自信を与えてくれた」
AUTOSPORT web
「技術の日産」を象徴する1台だった! 4代目 JHBY33型「日産・レパード」とは
「技術の日産」を象徴する1台だった! 4代目 JHBY33型「日産・レパード」とは
バイクのニュース
トヨタ新型「高級セダン」がスゴイ! “全長5m”級&「レクサス」風デカすぎグリル採用! クラウンとは違う中国で人気な「アバロン」とは?
トヨタ新型「高級セダン」がスゴイ! “全長5m”級&「レクサス」風デカすぎグリル採用! クラウンとは違う中国で人気な「アバロン」とは?
くるまのニュース
スズキ初のバッテリーEV「eビターラ」発表!新開発の専用プラットフォームを採用、発売は2025年予定
スズキ初のバッテリーEV「eビターラ」発表!新開発の専用プラットフォームを採用、発売は2025年予定
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキが初のバッテリーEV「eビターラ」を欧州で初公開。2025年夏ごろから販売開始予定
スズキが初のバッテリーEV「eビターラ」を欧州で初公開。2025年夏ごろから販売開始予定
Webモーターマガジン
バレンティーノ・ロッシ、待望のLMDh初ドライブに「ABSがないのがいい」と満悦。好タイムには“秘密”も
バレンティーノ・ロッシ、待望のLMDh初ドライブに「ABSがないのがいい」と満悦。好タイムには“秘密”も
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第21戦分析】スプリント後のマシン変更で好転。追い抜きは叶わずも「ウエットタイヤの判断はよかった」
【角田裕毅F1第21戦分析】スプリント後のマシン変更で好転。追い抜きは叶わずも「ウエットタイヤの判断はよかった」
AUTOSPORT web
ヘッドライトをガッチリ保護!ダートフリークからホンダ CL/レブルシリーズに適合する「ZETA RACING ヘッドライトガード」が登場
ヘッドライトをガッチリ保護!ダートフリークからホンダ CL/レブルシリーズに適合する「ZETA RACING ヘッドライトガード」が登場
バイクブロス
懐かしのエンジン音と希少車体験…昭和レトロカー万博2024 11月30日
懐かしのエンジン音と希少車体験…昭和レトロカー万博2024 11月30日
レスポンス
京都の無料高速が「異例の有料化」 2025年4月から全車種対象 料金収入は何に使う?
京都の無料高速が「異例の有料化」 2025年4月から全車種対象 料金収入は何に使う?
乗りものニュース
BMW『R18』をリコール…最悪の場合、火災になるおそれ
BMW『R18』をリコール…最悪の場合、火災になるおそれ
レスポンス
日産が新型「“高級”SUV」世界初公開! 450馬力超え「V6」&超豪華「荷室」搭載! 赤なホイールが超カッコイイ「オートグラフ ラウンジ」米で登場へ
日産が新型「“高級”SUV」世界初公開! 450馬力超え「V6」&超豪華「荷室」搭載! 赤なホイールが超カッコイイ「オートグラフ ラウンジ」米で登場へ
くるまのニュース
ヤマハが見た夢「OX99-11」とは? F1エンジンをデチューンしてロードカーに搭載…ロンドンでの初公開ではジョン・ワトソンがドライブ【クルマ昔噺】
ヤマハが見た夢「OX99-11」とは? F1エンジンをデチューンしてロードカーに搭載…ロンドンでの初公開ではジョン・ワトソンがドライブ【クルマ昔噺】
Auto Messe Web
K3 ウォータープロテクトシリーズからシートバッグ WP01 が登場! キジマが新製品情報「KIJIMA NEWS EXPRESS」11月号を公開
K3 ウォータープロテクトシリーズからシートバッグ WP01 が登場! キジマが新製品情報「KIJIMA NEWS EXPRESS」11月号を公開
バイクブロス
今年のお得な30日間「決算キャンペーン2024」をバイク王が11/30まで実施中
今年のお得な30日間「決算キャンペーン2024」をバイク王が11/30まで実施中
バイクブロス
【このクラシックなベンツのクーペなんぼ?】80年代に大人気を博した「メルセデス 280CE」の価格は?
【このクラシックなベンツのクーペなんぼ?】80年代に大人気を博した「メルセデス 280CE」の価格は?
AutoBild Japan

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

410.0457.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9189.8万円

中古車を検索
フリーランダー2の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

410.0457.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9189.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村