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王者アル-アティヤ、今大会初優勝で反撃の狼煙。5日目もアル・ラジが総合首位を堅持【ダカールラリー】

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王者アル-アティヤ、今大会初優勝で反撃の狼煙。5日目もアル・ラジが総合首位を堅持【ダカールラリー】

 W2RC世界ラリーレイド選手権の2024年シーズン開幕戦として、1月5日から開催されている『第46回ダカールラリー2024』は、9日(水)にステージ5が行われ、自チームのナッサー・レーシングから出場する“現王者”ナッサー・アル-アティヤ(プロドライブ・ハンター)が今大会初のステージウインを飾った。

 ダカールラリーの競技5日目は、サウジアラビアの東部に位置するアル・ホフフから南東部のシュバイタに向かう645kmの行程のうち、今大会2番めに短い118kmのスペシャルステージで争われた。

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“砂漠の王”の異名をとるアル-アティヤは、スタートからフィニッシュまですべて砂丘が舞台となったこのステージ5で本領を発揮。39km地点と80km地点に設定されたふたつのウェイポイントをトップタイムで通過すると、そのまま最速タイムで駆け抜け今大会初めてのステージ優勝を果たしてみせた。これと同時にチーム・アウディスポーツのカルロス・サインツSr.(アウディRS Q e-tron E2)が終盤にタイムを失いステージ28番手に沈んだため、アル-アティヤは総合順位でライバルを逆転。2番手に浮上している。

 総合首位は5日目もヤジード・アル・ラジ(トヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)がキープした。この日もステージ4番手と上位でフィニッシュした彼と、総合2番手に順位を上げたアル-アティヤとのギャップは9分03秒だ。総合3番手に順位を下げたサインツとは11分31秒の差があり、ステージ8番手でフィニッシュしたマティアス・エクストローム(アウディRS Q e-tron E2)が総合4番手に続く。トップとのタイム差は22分58秒だ。

 なお、ステージ5ではオーバードライブ・レーシング勢が大活躍を見せ、ステージ2番手タイムを記録したとゲラン・シシェリを筆頭にファン・クルス・ヤコピーニ、アル・ラジ、ギヨーム・ド・メビウス(いずれもトヨタ・ハイラックス・オーバードライブ)の4名が2-3-4-5で並んだ。

■劣勢のセバスチャン・ローブが賭けに出る

 前日にステージウインを飾ったセバスチャン・ローブ(プロドライブ・ハンター)は、11日(木)から始まる“48時間クロノ(ステージ6)”を前にギャンブルに打って出た。彼は砂漠の中で道を切り開くことがベストな方法だとは考えておらず、あえてウェイポイントを通過せず15分のペナルティを受け、総合順位を9番手に下げてでも翌日のスタート順を後方にすることを選択した。

「彼(アル-アティヤ)は自信を持っていて早くスタートしたいと思っているが、僕はそうしない。(彼らの走行)跡を追うことを選んだ。それが僕の方針だ」とローブ。同じプロドライブ・ハンターを駆るアル-アティヤとは真逆の選択が功を奏するか否か、2日間のマラソンステージでの両者の戦いに注目だ。

 日本勢は、トラック部門にエントリーしている日野チームスガワラの菅原照仁(日野600シリーズ)が、今大会ベストリザルトとなる部門7番手タイムでフィニッシュ。総合順位は11番手だ。四輪市販車部門の王者チームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、引き続き三浦昂とロナルド・バソ(いずれもトヨタ・ランドクルーザーGRスポーツ)がクラス内でワン・ツーを維持しているが、このステージ5ではバソが2時間30分以上の遅れを取り両者のタイム差が大きく開いている。

 二輪部門は1時間32分53秒のトップタイムを刻んだモンスターエナジー・ホンダ・チームのパブロ・キンタニラ(ホンダCRF450ラリー)が、今大会初のステージウインを記録。ステージ2番手には37秒の僅差で僚友エイドリアン・ファン・ベベレン(ホンダCRF450ラリー)が並び、ホンダ勢のワン・ツーという結果に。一方、総合ではヒーロー・モータースポーツ・チーム・ラリーのロス・ブランチ(ヒーロー450ラリー)がホセ・イグナシオ・コルネホ(ホンダCRF450ラリー)から首位の座を奪い返している。両者のタイム差は1分14秒だ。

 ダカールラリーの競技6~7日目は、シュバイタを出発し2日間かけて835kmの内572kmのスペシャルステージを走り、同地に戻ってくるループステージが行われる。“48時間クロノ”と呼ばれるこのマラソンステージではアシスタントチームの手を借りることはできず、選手たちは自力でマシンを整備し2日間のラリーを乗り切らなければならない。宿泊地となるビバークはステージの途中に7箇所が設定されており、11日(木)16時に走行が打ち切られた後、選手たちは走行距離に応じて振り分けられるビバークで一夜を過ごすことになる。

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