■新アーキテクチャーを採用!
マクラーレンに、新しい時代が訪れた。2021年のF1シーズンを控えてマクラーレンに新加入したダニエル・リカルドのドライブによって、まったくのニューモデルであるPHEVスーパーカー「アルトゥーラ(Artura)」が発表されたのである。
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マクラーレンは過去に、アルティメット・シリーズの「P1」や「スピードテール」でPHEVのシステムを採用した経緯があるが、それらはいずれも限定販売を前提としたものであった。一方アルトゥーラはシリーズモデルとして、これからのマクラーレンのセールスにおけるコアモデルとなることを目的に誕生した新作となる。ライバル・ブランドに対する影響力も相当に大きいだろう。
アルトゥーラはまた、レーシングカーとロードカーにおける、マクラーレンの半世紀以上の経験と知識を注ぎ込み、彼らがストイックなまでにこだわるマン・マシンとの一体感と、画期的なテクノロジーを融合した次世代スーパーカーでもある。
マクラーレンが何よりも優先する哲学である超軽量エンジニアリングは、このアルトゥーラにも継承されており、新たな重量削減プログラムによるシャシ・プラットフォーム、マクラーレン・カーボン・ライトウェイト・アーキテクチャー(MCLA)が採用された。
例えばハイブリッド・コンポーネントの重量は、バッテリーの88kg、Eモーターの15.4kgを含め、わずかに130kgという数字に抑えられている。車両重量は乾燥重量で1395kg。ボディサイズが全長4539mm×全幅2080mm(ミラー含む)×全高1193mm、ホイールベースは2640mmであることを考えれば、これは実に魅力的な数字といえる。
モノコックは、MCLAを採用した軽量なCFRP製となり、マクラーレンによれば、このMCLAはハイパフォーマンス・ハイブリッド・スーパーカー専用に最適化されたデザインを持ち、シェフィールドに新設されたマクラーレン・コンポジット・テクノロジー・センター(MCTC)で4年もの時間をかけて新開発されたという。MCLAは今後のマクラーレンの基本アーキテクチャーとなり、すべてのクルマがMCTCで生産されることになる。
■V6ターボとEモーターで680ps、最高時速330キロ!
アルトゥーラが採用するパワーユニットは、3リッターV型6気筒ツインターボとEモーター、そして高エネルギー密度バッテリーパックで構成されたものである。
最高出力はシステム全体で680ps、最大トルクは720Nmを発揮。その内訳はV型6気筒エンジンが585ps、Eモーターが95psとなる。このEモーターが瞬時に発揮する225Nmの最大トルクが、0-100km/h加速3秒ジャストという加速性能や、リアルなアクセルレスポンスを実現するために大いに貢献しているのは、ほかのハイブリッド各車と同様である。ちなみに、最高速度は330km/hと、スーパースポーツとしての資質も十分である。
組み合わせられるトランスミッションは、新型の8速DCT。マクラーレンとしては初となる電子制御デファレンシャルも標準装備となる。
PHEVモデルということで注目のゼロエミッション走行は、満充電から最大で約30kmを実現し、モーターのみでの最高速度は130km/hだ。参考までに冷媒冷却方式のバッテリーパックは5個のリチウムイオン・モジュールで構成され、使用可能な最大電力量は7.4kWhとなっている。
バッテリーはフロアに搭載され、それによって剛性や重量配分、衝突保護性能を最適化しているという。充電時間は標準的なEVSEケーブルを使って、2時間半で80%の充電が可能だ。
エクステリアとインテリアのデザインは、あくまでも機能性を重視したものとなっている。すべてのデザインには機能があり、とくにエクステリアでは、それを可能な限り小さなパッケージにまとめるマクラーレン伝統の「シュリンク・ラップド」のコンセプトが継承されているのが分かる。
フロントスプリッターのセンターには、オプションのADASパッケージに使用するフロント搭載レーダーさえ配置されているのだから、時代の流れは速い。
アルトゥーラの納車は、2021年の第3四半期からスタートする計画だ。スポーティで機能的な美しさを特徴とする「パフォーマンス」、テクニカルでラグジュアリーなキャラクターを持つ「テックラックス」、よりアバンギャルドで大胆なルックスの「ヴィジョン」が、スタンダードモデルに加えてラインナップされる予定となっている。日本でも、イギリス本国からそう遅れることなく、デリバリーが開始されることだろう。
気になる車両価格は、18万5500ポンド(邦貨換算約2700万円)から。最先端技術が詰まっている割には、バーゲンプライスかもしれない。
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みんなのコメント
勿論買えないが。
買えるとは言っていません。