2024年10月18日(現地時間)、F1第19戦アメリカGPがテキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開幕する。異例の3週間のインターバルからの再開となるが、このインターバルでシーズンの流れがどう変わるか興味深い。なお今年もアメリカGPはスプリントフォーマットで行われる。
フェルスタッペンとノリスのポイント差は52点
9月22日の第18戦シンガポールGPから3週のインターバルを挟んで、F1グランプリが再開する。シンガポールGPではマクラーレンのランド・ノリスがレッドブルのマックス・フェルスタッペンを寄せ付けず圧勝。この春まで絶対的な強さを誇ってきたレッドブルとフェルスタッペンもなす術もなく、今やマクラレーンがどのコースでも最速となってきている。
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ただ、コンストラクターズランキングではすでにマクラーレンが首位に立っているが、ドライバーズ選手権ではノリスはランキング2位で、フェルスタッペンを逆転することができるかが焦点となっている。首位フェルスタッペンとの差は52点で、シーズン残り6戦で逆転できるかどうかは微妙だ。
ノリスが残り6戦(うちスプリントフォーマットは3戦)の決勝とスプリントを全勝しても、フェルスタッペンが2位入賞を続ければ、4点差でフェルスタッペンの4年連続4回目のドライバーズチャンピオンが決定するので、まだフェルスタッペンが有利な状況と言える。取りこぼしやファステストラップポイントが最後に効いてきそうだ。
シンガポールGPから3週のインターバルで、フェルスタッペンとノリスのパフォーマンスにどんな変化があるか、まずは注目だ。
シーズンも終盤を迎え、各チームにも動きが見られる。RBはダニエル・リカルドに代わってリザーブドライバーのリアム・ローソンを起用するなど、来季を見据えた作戦をとるチームも出てくるだろう。
シーズンは今週から3連戦、中2週空いて再び3連戦と超過密スケジュールに突入するだけに、アメリカGPでの力関係が大きく変化することは考えにくく、その意味でもアメリカGPは重要な一戦となりそうだ。
2024年F1ドライバーズランキング(第18戦終了時)
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 331
2位 4 L.ノリス(マクラーレン)279
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)245
4位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)237
5位 55 C.サインツ(フェラーリ)190
6位 44 L.ハミルトン(メルセデス)174
7位 63 G.ラッセル(メルセデス)155
8位 11 S.ペレス(レッドブル)144
─────────────
12位 22 角田裕毅(RB)22
2024年F1コンストラクターズランキング(第18戦終了時)
1位 マクラーレン 516
2位 レッドブル 475
3位 フェラーリ 441
4位 メルセデス 329
5位 アストンマーティン 86
6位 RB 34
地形を生かしたアップダウンに富むチャレンジングなコース設定
ではアメリカGPの舞台となるサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(Circuit Of The Americas=COTA)はどんなコースなのだろうか。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズは2012年ににF1グランプリ開催のために建設されたサーキットで、テキサス州オースティンにある。コースレイアウトは多様な高速コーナーがある一方で、低速コーナーも多く、しかも高低差があり、バランスの取れた設計が特徴だ。
コースは反時計回りで、急勾配を駆け上がるターン1や多様な高速コーナー、ロングストレートなど見どころも多く、地形を生かしたアップダウンに富むチャレンジングなコース設定はドライバーからも人気が高い。とくにオープニングラップの1コーナーはドライバーが最適なラインを見つけるためにさまざまな方向に向かうため興味深いものになる。
昨年は場所によってバンピーな部分が見られたが、今年、コースの再舗装が完了したのも注目点。新しいアスファルトは滑らかであると思われるが、今年のアメリカGPはスプリントフォーマットで行われるので、金曜日の午後早くの1時間しかないフリープラクティスでできるだけ多くのデータを取得することが重要になる。
また、この時期は短い周期で天候が変わりやすく、 晴れの日と雨の日が交互に訪れたり、気温の変化が大きくなることがあるので、それもチームにとっては悩ましい。
昨年2023年アメリカGPでは、前日のスプリントでは圧倒的なレースペースを見せたマックス・フェルスタッペンが決勝でも素晴らしい走りを見せた。
予選で最速タイムを出しながらトラックリミット違反によってタイム抹消となり6番グリッドからのスタートとなったフェルスタッペンは、11周目には2番手に浮上。早めのタイヤ交換で首位ランド・ノリスとの差を詰めると、28周目についに首位浮上。その後、新品ミディアムを履いたハミルトンの追い上げを抑えて、そのまま逃げ切った。レース終了後、ハミルトンのマシンにフロア下のスキッドブロック形状が規定よりも削れてしまっていることが発覚し失格になったため、2位にノリスが繰り上がっている。
なお、アルファタウリの角田裕毅がファステストラップを記録、8位入賞も果たして5ポイントを獲得している。
【参考】2023年F1第19戦アメリカGPスプリント 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)19周[8]
2位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+9.465s[7]
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)ス) +17.9877s[6]
4位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス) +18.863s[5]
5位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+22.928s[4]
6位 55 C.サインツ(フェラーリ) +28.307s[3]
7位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+32.403s[2]
8位 63 G.ラッセル(メルセデ 14 F.アロンソ)+34.250s[1]
・・・・・・・・・・・・・
12位 3 D.リカルド(アルファタウリ・ホンダRBPT)+45.509s
14位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+49.733s
※[ ]=獲得ポイント
【参考】2023年F1第19戦アメリカGP決勝 結果
1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) 56周[25]
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+10.730s[18]
3位 55 C.サインツ(フェラーリ) +15.134s [15]
4位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+18.460s[12]
5位 63 G.ラッセル(メルセデス) +24.999s[10]
6位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+47.996s [8]
7位 18 L.ストロールアストンマーティン・メルセデス) +48.696s[6]
8位 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)+74.385[4]
9位 23 A.アルボン(ウイリアムズ・メルセデス) +86.714s [2]
10位 2 L.サージェント(ウイリアムズ・メルセデス) +87.998s[1]
・・・・・・・・・・・・・
15位 3 D.リカルド(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周
ファステストラップ 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT) [1]
※[ ]=獲得ポイント。L.ハミルトン(メルセデス)、 C.ルクレール(フェラーリ)は車両規定違反のため失格。スプリントの結果は変わらず
ピレリの分析「今年もミディアムタイヤを基本とした2ストップが主流か」
タイヤを供給するピレリは、アメリカGP開幕にあたって「ドライタイヤのコンパウンドは、過去2回のアメリカGPで選択されたものと同様、中間の硬さ、ハードタイヤ=C2 、ミディアム=C3 は、ソフト=C4 です。タイヤにかかる力に関して言えば、荷重は前車軸と後車軸の間でほぼ均等に分散され、垂直方向よりも横方向の荷重が大きくなります。劣化は主に熱によるものですが、10月のテキサスでは気温は日によって大きく変動することがあります。昨年のスプリントでは、大多数のドライバーがミディアムタイヤを選択しましたが、リスクを冒してソフトタイヤを選択するドライバーもいました。翌日の決勝では2ストップが最速でした。1ストップではパフォーマンスに明らかに悪影響を与えることになるためです。昨年最も使用されたコンパウンドはミディアムタイヤで、ハードタイヤよりも効果的でした。新しいアスファルトでミディアムタイヤが再び機能するかどうか、興味深いところです」と分析している。
さてアメリカGPはどんなレースとなるのか。F1第19戦アメリカGPは、10月18日金曜日12時30分(日本時間10月19日2時30分)からのフリーで開幕、スプリント予選は金曜日夕刻から行われ、土曜日のスプリントと予選をはさんで、決勝は10月20日日曜日14時(日本時間10月21日4時)に開始される。
2024年F1第19戦アメリカGP タイムスケジュール
フリー走行:10月18日12時30分~13時30分(日本時間10月19日02時30分~03時30分)
スプリント予選:10月18日16時30分~17時14分(日本時間10月19日06時30分~07時14分)
スプリント(19周):10月19日13時~14時(日本時間10月20日03時~04時)
予選:10月19日17時~18時(日本時間10月20日07時~08時)
決勝(56周):10月20日14時~(日本時間10月21日04時~)
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