夢の「大阪湾アクアライン」計画とは?
いまから約30年後、2050年の関西の道路ネットワークはどのように発展を遂げているだろうか? 兵庫県が2019年3月に発表した「ひょうご基幹道路ネットワーク2050」には、同県を中心に将来の道路計画や構想が取りまとめられている。
この中で注目したいのが、神戸空港~関西空港を結ぶ「構想路線C」というものだ。大阪湾の北側の神戸空港と南側の関西国際空港の間に、橋梁もしくは海底トンネルをつくってつなげるというもので、まるで「大阪湾アクアライン」ともいえる壮大な構想だ。
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現在、神戸空港から関西空港までは、阪神高速湾岸線を利用する既存ルートで約75km、移動時間は約70分を要する。仮に、この道路ができれば、距離は約27km、移動時間はわずか約30分と劇的に短縮。両空港の利便性が高まるだけでなく、湾岸線などとあわせて臨海部の環状機能を有する路線となるはずだ。
ちなみに同区間では、鉄道の構想として「大阪湾横断鉄道構想」もある。資料によれば、関西空港・神戸空港の利用状況や他の交通手段での連絡機能強化も念頭に置きつつ、長期的な視点から検討する必要がある、としている。
2050年には大阪湾で構想路線の開通ラッシュか?
「ひょうご基幹道路ネットワーク2050」では、神戸空港から関西空港を結ぶ「構想路線C」の他、A~Gまで7つの構想路線が示されている。例えば、新神戸トンネル~神戸空港を結ぶ「構想路線A(延長約8km)」は、神戸の中心部「三ノ宮」からポートアイランドを経由して神戸空港までを道路でつなぐもので、市街地の渋滞を回避してスムーズに神戸空港にアクセスできることが期待される。
さらに「構想路線D」は、以前弊サイトでも取り上げた、紀淡海峡に橋梁をつくり関西と四国のアクセス性を強化する「紀淡連絡道路構想」であり、大阪湾の環状道路を形成する路線である。資料によれば、大阪湾ベイエリアに立地する空港や港湾等の機能を一体的に発揮し、産業だけでなく観光にも大きく寄与するとともに大規模災害に備えた代替路の確保も期待されるという。
ここで紹介した「大阪湾アクアライン」をはじめ、大阪湾を取り巻く道路の数々はあくまで構想に過ぎない。だがもし実現したら、関西圏のアクセスは今とは比較にならないほど便利になるだろう。はてさて2050年の関西はどうなっているだろうか。
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