新型のスタート価格アップは必至
text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
【画像】GRの3兄弟【スープラ/86/ヤリスを比較】 全225枚
editor:Taro Ueno(上野太朗)
4月5日に日本仕様が発表となった新型86。従来型はトヨタ86であったが、新型はトヨタ・ガズー・レーシングが展開するスポーツカーシリーズ「GR」ブランドからリリースすることが発表されている。
GRブランドからは多くの方がご承知のとおり17年ぶりの復活となったGRスープラと、WRCに参戦することを前提として誕生したホモロゲーションモデルであるGRヤリスがリリースされており、今回発表されたGR 86が第3弾ということになる。
当然ながらスポーツカーシリーズということで、従来の86よりもよりスポーティな味付けがなされることは想定の範囲内であり、従来型に存在していた「86 GR」や「86 GRスポーツ」に近い存在となるのではないだろうか。
先日発表されたスペックでは、エンジンは2Lから2.4Lへ、装着ホイールも17インチから18インチへとインチアップがなされており、このスペックが上級グレードのものだったとしても、スタート価格のアップは避けられないというのが大方の予想である。
一説にはスタート価格は300万円ほどからになる、といううわさもあり、従来型のスタート価格が267万1900円(最終型の価格)であったことを考えると、いささか高額になりすぎてしまったという印象はぬぐえないというのが正直な感想である。
エントリーグレード設定の可能性は?
「スポーツカーは、カルチャーです」というコピーで登場した初代86のファンに喜んでもらえるモデルとして登場する新型だけに、一部の人だけが楽しみを享受できるモデルになってしまうというのは悲しいところ。
それだけに、実はもっと廉価で購入できるエントリーグレードが存在している、という可能性はないのだろうか?
ただ、廉価といっても初代86のデビュー時に存在していた、無塗装バンパー、スチールホイール、エアコンレスで200万円切りというような実用性のないものではなく、普段も使えてスポーツカーらしさを実感しながらも、安価というものが理想であることはいうまでもない。
幸いにも、すでにGRスープラにはトップグレードのRZよりも230万円以上安価なSZが、GRヤリスにはRZ「ハイ・パフォーマンス」よりも190万円以上安価なRSがそれぞれ用意されている。
どちらもトップグレードに比べるとパワートレインが異なってはいるものの、基本のボディは共通であり、エンジンよりシャシーが勝っているというスポーツカーらしい走りは十分楽しむことができるスペックに仕上がっている。
もちろんエアコンやオーディオといった快適装備もオミットされることもなく、普段使いも十分できるポテンシャルも持ち合わせているのだ。
「排気量据え置きグレード」という提案
GRスープラやGRヤリスのようにシャシーはそのままで安価なパワートレインを搭載する、という手法を考えるのであれば、最も適しているといえるのは従来型に搭載されていたFA20型エンジンのキャリーオーバーだろう。
正式には発表されていないが、新型に搭載される2.4LエンジンはFA24型といわれており、その名のとおりFA20型の排気量拡大版というもの。
基本プラットフォームが大きく変わっていない新型モデルであれば、FA24型からFA20型への換装も難しいことではないだろう。
気になるエミッションの問題も、より排気量の大きなFA24型が問題ないのであれば、それよりも小排気量のFA20型でも問題なさそうだ。
すでにそのルックスはもちろんのこと、すでに試乗を済ませたジャーナリストらからは高い評価を集めるハンドリングなど、従来型よりも大きくレベルアップしていることは間違いない新型だけに、ピークパワーこそ劣るものの、鼻先の軽くなる2Lエンジンを搭載し、手の届く価格になったグレードが存在するのであれば歓迎したいというユーザーも少なくないハズ。
それにFA20型エンジンは従来型で多くのチューニング手法が確立されているエンジンということもあり、より手軽にスポーツカーカルチャーを楽しむことができるのではないだろうか?
以前は海外仕様に存在するFA24ターボを搭載したハイパフォーマンス版が登場するか? という話もしたのだが、冷静に考えてみると2Lエンジン仕様が登場した方がよりスポーツカーのすそ野を広げることに繋がるような気がしてならないのだ。
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みんなのコメント
装備充実横においてもね。
BRZの最安は205万で、エアコンありのカラーバンパーで、買うならこっちかと思ったけれど消滅したし。