12月7日、イタリアのボローニャでFIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の会合が行われ、新しいLMP2レギュレーションの導入が2026年まで延期されることが発表された。これによりプロ・アマベースの次世代プロトタイプの立ち上げが当初の予定からさらに1年先延ばしされることとなった。
FIA国際自動車連盟とACOフランス西部自動車クラブは、WEC世界耐久選手権での同クラスの廃止を明確にはしていないが、2024年からWECのグリッドに「合理的な調整」が行われ、ハイパーカーとLMGTEに代わる新しいGTカテゴリーとして発表された“LMGT3”クラスが優先されると表明している。
WEC、2023年から新たな予選システムを導入。タイヤウォーマーの禁止に参入時の台数制限も
これはとくにトップクラスの車両台数が、2024年にはLMHとLMDhを合わせて計20台に達すると予測されているためだ。
■ル・マン24時間にはLMP2枠を確保
FIAとACOは声明で「このふたつのクラスを快適に対応するため、2024年からWECのエントリーをハイパーカーとLMGT3チャレンジャーに限定する可能性がある」と述べている。
「こうした決定をする一方、LMP2は耐久レースにとって重要であり、ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズとAsLMSアジアン・ル・マン・シリーズで引き続きトップクラスを形成することになる」
「したがって、ACOは2024年以降もル・マン24時間レースのグリッドに少なくとも15台のLMP2マシンのための枠を空けておく。これらの枠は、ACOのバッジを受けたシリーズに参戦するチームに割り当てられる」
■3年連続でペース抑制を受けるLMP2
また、LMP2マシンはWECの2023年シーズンにおいて、10kW(約13PS)のパワーダウンと500rpmのエンジン回転数抑制が行われる。これはハイパーカーとLMP2間の「最良のバランスを保証する」必要性に基づいたものだ。
ハイパーカークラスのマシンに大きなバッファーを作るために、LMP2マシンが3年連続で減速されることになる。
この変更はル・マン24時間レースにも適用されるが、ELMSのマシンではパワーレベルは2022年の基準より15kW(約20PS)引き上げられる予定だ。なお、2023年シーズン以降のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権におけるLMP2の参加資格については、新たな情報は入っていない。
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