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【20世紀名車】レースのために生まれた「羊の皮を被った狼」、’71スカイライン2000GT-Rの華麗なる世界

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【20世紀名車】レースのために生まれた「羊の皮を被った狼」、’71スカイライン2000GT-Rの華麗なる世界

4バルブの直6DOHCでサーキットを席巻

 初代スカイラインGT-Rは「レースで勝利する」ために開発された。中でも1970年10月に登場したHT仕様(KPGC10型)は、「ハコスカのR」の中でも高い人気を誇る。
 1970年代初頭、市販車とレースマシンは近い存在だった。GT-Rのパワーユニットは、レーシングカー「R380」用GR8型をベースにした直列6気筒DOHC24V(S20型)。S20型は当時、日本唯一の1気筒当たり4バルブのレイアウトで、1989ccの排気量から160ps/18.0kgmを発生。燃料供給装置は口径40mmのソレックス製キャブレターを3連装。エキゾーストシステムは効率に優れた等長サイズのステンレス製。点火系は三菱製フルトランジスタータイプが組み合わされた。トランスミッションは5速MT。GT-RのS20型ユニットは、ベース車の2000GT用L20型比で30~55psパワフルだった。

【20世紀名車ギャラリー】レースのために生まれた「羊の皮をかぶった狼」、1971年式日産スカイラインGT-Rの肖像

 4ドアセダン(PGC10型)としてデビューした初代GT-Rは、1969年5月の’69JAFグランプリでレースデビューを飾る。初戦こそトヨタ1600GTの善戦にあい、きわどい勝利だったが、その後は圧倒的なパフォーマンスで連戦連勝。「負けるとニュースになる」といわれるほど強かった。しかし1970年5月の日本グランプリでファミリア・ロータリークーペが登場すると、GT-Rのアドバンテージは減少。ロータリーエンジンは、GT-Rを追いつめていく。

 GT-Rを再び王者の位置に戻したのがHT仕様だった。HTの全長は、セダンに比べて65mm短い4330mm。ホイールベースは同70mm短い2570mm、車重は20kg軽い1100kg。軽量化とボディのコンパクト化はコーナリングをはじめ、運動性能の向上をもたらした。外観はワイドなレーシングタイヤの装着を想定してリアのホイールハウスを拡大。HT仕様はFRP製オーバーフェンダーを標準で装着する。市販モデルの公称最高速度は200km/h、0→400m加速は15.6秒と、当時国産最速級を誇った。

 HT仕様のGT-Rは、1971年3月開催の全日本鈴鹿自動車レースで初陣を飾る。ワークスの黒澤元治選手が、Tクラス優勝(総合5位)。その後、1972年の’72GCシリーズ富士インター200マイルレースまで、GT-Rは公認レース通算52勝を重ねた。
 HT仕様の初代GT-Rの生産台数は1197台(4ドアセダンは832台)。初代GT-Rは、最近では海外でも人気が高まっている。

1971年 日産スカイライン2000GT-R主要諸元

モデル=1971年式/スカイラインHT2000GT-R
全長×全幅×全高=4330×1610×1385mm
ホイールベース=2570mm
車重=1100kg
エンジン=1989cc直6DOHC24V
エンジン最高出力=160ps/7000rpm
エンジン最大トルク=18.0kgm/5600rpm
トランスミッション=5速MT
サスペンション=フロント:ストラット/リア:セミトレーリングアーム
タイヤ&ホイール=6.45H-14+スチール
駆動方式=FR
乗車定員=5名

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みんなのコメント

4件
  • まなぽよ
    今の車と比べたらファミリーカーくらいのスペックなのになぜかひきつけてやまない魅力があるんだよな。
  • motorider
    記事書いた方。勘違いしていませんか? レースの為に生まれたのは日産に吸収合併される前のプリンス自動車のスカイライン(S54)ですよ。プリンス自動車のスカイラインは発売当初2000ccエンジンはラインアップにありませんでした。もともとG20型はグロリア用のエンジンでしたから。日本グランプリに特別参加し優勝間違い無しと称される純レーシングマシンのポルシェを負かす為にプリンス自動車のレース部門がスカイラインの1500ccのノーズを延長しG20型エンジンを移植。参加資格を得る為に限定販売したのがS54です。2000GTはのちの箱スカGT-Rよりも高額だったそうです。レーサーなのでヒーター、ラジオ無し。それでもグロリアよりも高かったとか。廉価グレードにシングルキャブの仕様も販売。売れたのはシングルキャブを買ってバッジだけツインキャブ仕様の赤バッジに換えていたユーザーがほとんどだったらしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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