現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 軽より小さいマイクロモビリティは日本で明らかに失敗! 原因は「日本には軽自動車があるから要らない」じゃなかった

ここから本文です

軽より小さいマイクロモビリティは日本で明らかに失敗! 原因は「日本には軽自動車があるから要らない」じゃなかった

掲載 75
軽より小さいマイクロモビリティは日本で明らかに失敗! 原因は「日本には軽自動車があるから要らない」じゃなかった

 この記事をまとめると

■日本には軽自動車をベースとした超小型モビリティというカテゴリーがある

これからのモビリティのハズがたった3年半で消滅! トヨタC+Podが成功しなかった理由

■国内で販売されているのはトヨタC+podのみだったが2024年夏に販売を終了する

■日本の超小型モビリティはスタート地点を誤りその後もボタンのかけ違いが続いている

 日本自慢の軽自動車をベースに超小型モビリティを作るも……

 EVシフトが勢いを失い、代わりにハイブリッド車が盛り返しつつある現在。そもそも日本では発電のほとんどか火力なので、EVにしてもカーボンニュートラルにならないという主張もある。でもその前に、大事なことを忘れてはいないだろうか。

 そもそもクルマは数ある乗り物のなかでも、ひとりあたりのCO2排出量が多い。原因のひとつが、乗用車の平均乗車定員が平均1.3人であること。

 トヨタ・プリウスのWLTCモードでのCO2排出量は71~89g/kmなので、間をとって80g/kmとして、1台に1.3人乗っているとすると、ひとりあたりでは61.5g/kmぐらいになる。一方、JR東日本が発表した2020年度の全路線のひとりあたり平均CO2排出量は18g/kmだ。

 それならふたりしか乗れない代わりにボディを小さくしたクルマがあればいい。そういう考えは昔からあって、エンジン車ではスマートやスズキ・ツインなどがあった。ただ、小さな乗り物は短距離移動前提なので、航続距離や充電時間などのEVのデメリットが目立たないいため、最近は電動車が主流だ。

 そのためのカテゴリーもある。軽自動車をベースとした超小型モビリティがそれで、最初は自治体などがシェアリングとして運用する認定制度として導入され、その後、一般の乗用車と同じ型式指定も認められるようになった。

 唯一の超小型モビリティであるトヨタC+podも間もなく終了

 ところがこれまで型式指定を取得したのはトヨタC+pod(シーポッド)だけ。そのC+podも、今年の夏に生産を終了するという。せっかく生まれたカテゴリーなのに、一般ユーザーが買えるモデルがゼロになってしまうわけだ。

 昨年11月までのC+podの約3年間の累計販売台数は、約2000台だった。売れなかった理由は、軽自動車の存在もあるけれど、超小型モビリティをその軽自動車をベースに考えてしまったことが大きい。

 そのため、型式指定を取得するには軽自動車ほどのレベルではないものの、衝突試験をパスしなければならない。しかもボディサイズはミニカー(原付3/4輪)と同じ全長2.5m、全幅1.3m以下と余裕がない。C+podが166万5000円からと高価になったのは、この成り立ちが大きい。

 では海外はどうか。日本が制度設計の参考にもした欧州では、L6eとL7eというふたつのカテゴリーがあるが、大事なのはL1e~L5eは2輪車や3輪車であり、ふたつのカテゴリーはバイクの4輪版という位置付けであることだ。代表格といえるシトロエン・アミの販売台数は、C+pod とほぼ同じ期間で4.3万台と、約20倍にもなる。

 左右のドアを共用とするなどしてコストダウンを図りつつ。ポップに仕立てたデザインの力は大きいし、家電量販店での取り扱い、カーシェアリングでの展開など、積極的な姿勢のおかげもあるけれど、日本よりおおらかな制度ゆえに実現した7990ユーロからという低価格も効いているはずだ。

 残念ながらアミは日本の超小型モビリティの型式指定を取得することはできないし、逆に日本のカテゴリーが軽自動車の小型版である限り、メーカーがどんなに頑張っても、アミのような安くて楽しい乗り物は生まれてこないだろう。おまけに超小型モビリティのルールが改正される気配もない。

 電動キックボードのために生まれたと認識している人が多い特定小型原付は、実際は3輪や4輪も認められていて、コンセプトビークルがいくつか出展されている。これが日本では軽自動車より小さな乗り物というカテゴリーを担うことになりそうだ。

 いまさらこんなことをいってもしかたないけれど、日本の超小型モビリティはスタート地点を誤り、その後もボタンのかけ違いが続いていまに至っているというのが、このカテゴリーを見続けてきた人間の正直な気持ちだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
くるまのニュース
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
VAGUE
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
WEB CARTOP
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
motorsport.com 日本版
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
乗りものニュース
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
乗りものニュース
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
日本専用の新型「“MR”スポーツカー」初公開! 旧車デザイン×「ネットゥーノ」エンジン採用! 600馬力超えの「チェロSE」登場
くるまのニュース
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
ピエール・ガスリー、予選3番手から無念マシントラブル脱落に「顔面平手打ちされたみたい」残り2戦にポテンシャルは確信|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年11月17日~11月23日)
Webモーターマガジン
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
F1マシンを脇に歌舞伎……来春鈴鹿のグリッドでも! 日本GPアンバサダーに就任した市川團十郎「息子と歌舞伎の扮装で踊る計画を」
motorsport.com 日本版
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
くるまのニュース
遂に“冷却機能”も装備! ハイグレード・ワイヤレス充電スマホホルダーの注目作が登場【特選カーアクセサリー名鑑】
遂に“冷却機能”も装備! ハイグレード・ワイヤレス充電スマホホルダーの注目作が登場【特選カーアクセサリー名鑑】
レスポンス
“やっちまった”タナク、僚友ヌービルにWRCタイトル明け渡す痛恨クラッシュは「マジで大惨事」
“やっちまった”タナク、僚友ヌービルにWRCタイトル明け渡す痛恨クラッシュは「マジで大惨事」
motorsport.com 日本版
スバル新型「すごいフォレスター」登場に反響あり! 水平対向エンジン×本格ハイブリッド搭載に「楽しみ!」の声も! 日本発売は一体いつ?
スバル新型「すごいフォレスター」登場に反響あり! 水平対向エンジン×本格ハイブリッド搭載に「楽しみ!」の声も! 日本発売は一体いつ?
くるまのニュース
「えっ、4つのリングのマークじゃない!?」 アウディが新ブランドを立ち上げ なぜ“4リングス”を使わない? 世界最大市場での戦略とは
「えっ、4つのリングのマークじゃない!?」 アウディが新ブランドを立ち上げ なぜ“4リングス”を使わない? 世界最大市場での戦略とは
VAGUE
「山賊もやし炒め定食」はパンチの効いた味濃いめ! 東関道「湾岸幕張PA」
「山賊もやし炒め定食」はパンチの効いた味濃いめ! 東関道「湾岸幕張PA」
バイクのニュース

みんなのコメント

75件
  • ********
    いや、軽自動車があるからだよ
  • モゲラっ太郎
    軽自動車よりも使い勝手が悪いのにそこまで安くないから誰も買わないだけでしょう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0789.0万円

中古車を検索
プリウスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

275.0460.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.0789.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村