2008年、世界的にクリーンディーゼルに注目が集まる中、その国産第1号としてエクストレイル20GTが登場した。「ポスト新長期規制」適合のクリーンディーゼル車はどんな走りを見せてくれたのか、ここでは発表後間もなく行われた国内試乗会の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2008年12月号より)
ディーゼルなのに「GT」を名乗るのも納得がいく
エクストレイルに追加されたクリーンディーゼル搭載車は「20(ニイマル)GT」と呼称する。このモデルは厳しいポスト新長期規制(平成21年排出ガス規制)をクリアした、栄えあるディーゼル車のトップランナーでもある。日産はクリーンさだけをアピールするにとどまらず、新世代ディーゼルエンジンのハイポテンシャルを世に広めたいという願いをこの「GT」という記号に込めたのだろう。
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余談だが、日産は1980年、5代目のスカイライン(通称ジャパン)にディーゼルエンジンの2800GTを追加設定した。当時はガソリンターボ車全盛時代を迎え、ゼロヨン何秒、最高速何キロと数値上の性能で大いに盛り上がっていたから、ささやかな動力性能(91ps)の2800GTは一部のユーザーには支持されたものの、ほどなく消えてしまった。エクストレイル20GTとスカイラインGTにはなんら因果関係はないが、「ディーゼルGT」という概念は古くから日産に存在していたことになる。
さて、エクストレイルに搭載されるM9R型2Lクリーンディーゼルエンジンはコモンレールシステム、EGRクーラー、リーンNOxトラップ触媒(LNT)などなど、最新技術を盛り込んだユニットで、海外市場ではキャシュカイ(日本名デュアリス)にも搭載される。
最高出力と最大トルクはそれぞれ173ps/3750rpm、36.7kgm/2000rpm。このデータで注目すべきは直4の2Lながら、V6ガソリン3.5Lクラスの最大トルクを低回転域から発生していることだ。実際にこのトルク値は現行のスカイライン350GT、古くはR32GT-Rを若干上回る。ここが大きなキーポイントなのである。
試乗会で対面したエクストレイル20GTはボディサイドに大きな「Clean Diesel」のデカールがついていたが、これはもちろん試乗車のみ。エクステリアはフロントグリル、バンパーが欧州仕様と同一になり、ガソリン仕様よりも精悍な面構えとなった。インテリアではガソリン車の防水シートから撥水加工ファブリックシートに変更されている。このシートの質感、座り心地はなかなかいい。
運転席に乗り込みシートをアジャスト。左手下には6速のシフトレバーがにょっきり。足元には3つのペダル。そう、20GTはマニュアルトランスミッションのみの設定なのだ。なぜ2ペダルATがないのか、といえば、「間に合わなかった」というのが主たる理由。
ガソリン車に設定されているCVTでは20GTの高トルクに対応できず、新規にトルコンATや大容量のCVTを開発するにはお金と時間がかかる。しかし、日産としてはポスト新長期規制クリアのディーゼル車を早急にデビューさせ、ディーゼル車のイメージを高めたい。それで6速マニュアルを選択したのだ。
試乗コースは河口湖を起点とする富士山麓周辺。踏力の軽いクラッチを継ぎ、スタートすると、ディーゼル車の騒音、振動はほとんど気にならず、ガソリン車となんら変わらない感覚。しかし3、4速とシフトアップし、登り急勾配にかかると、最新ディーゼルの底力を実感する。わかりやすくいえば、ガソリン車なら3速で登る坂を4速、あるいは5速でもクリアできるということだ。それもアクセルをさほど踏まずに、である。このトルクの余裕が最大の美点であり、GTと名乗るのも納得がいく。
20GTはガソリン車のようにエンジン回転を上げてシフトアップ、ダウンを行うのは好ましくない。最高出力の発生回転は3750rpmだし、最大トルクは2000rpm。高回転型ガソリンエンジンの約半分ほどの回転数で持てる最大の力を発揮するわけだ。つまり回転を上げずとも速く走れ、燃費がいいという新しい解釈のGTカーなのである。
月販目標は100台だが、取材した時点ですでに1000台を超える受注があるという。ユーザーの年齢帯は20~30代で37%、40代で20%、50代で20%、60代以上で18%とばらけているのがとても興味深い。(文:Motor Magazine編集部/写真:村西一海)
日産 エクストレイル 20GT 主要諸元
●全長×全幅×全高:4630×1785×1685mm
●ホイールベース:2630mm
●車両重量:1660kg
●エンジン:直4 DOHCディーゼル
●排気量:1995cc
●最高出力:127kW(173ps)/3750rpm
●最大トルク:360Nm/2000rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:4WD
●車両価格(税込):299万9850円(2008年当時)
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みんなのコメント
まだSUVが全盛になるちょっと前でしたけど、これ乗ったら普通の車には戻れないと思う位。
でもある時BMWのディーゼルエンジン搭載モデルに試乗したら余りの出来の良さにビックリして乗り換えたよ。
でもT31は今見ても無骨なスタイルが古臭くないし、何でT32で宗旨替えしたんだろうね。