■モデルチェンジで一気にブレイクした5台
クルマに限らず工業製品は同じ形のまま売れ続けるということは、極めて稀です。
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ある程度の期間でモデルチェンジを行ない、低下した商品力をリカバリーします。クルマの場合だと最近は6年から10年でフルモデルチェンジを行なうのが通例です。
そこで、フルモデルチェンジによって大成功を収めたクルマ5車種をピックアップして紹介します。
●トヨタ「プリウス」
世界初の量産ハイブリッドとして初代「プリウス」は1997年に発売されました。発売当初は大きな話題となりましたが、1.5リッター車としては同格のクルマよりも50万円ほど高価で(トヨタは赤字覚悟の価格だったといわれている)、燃費が優れていたとしても、大ヒットにはなりませんでした。
そこで、トヨタは2003年に2代目プリウスを発売。外観は初代の4ドアセダンから5ドアハッチバックとし、ハイブリッドシステムも進化させ、燃費も31km/L(初代最終型)から、35.5km/L(10・15モード)に向上しました。
2代目プリウスの特長としてモーターだけのEV走行が可能になり、世界初の自動で駐車できる「インテリジェントパーキングアシスト」も装備されました。
国内の生産台数は4万1938台/年から13万2703台/年と、一気に3倍以上となり、補助金や減税の効果もあり最高で年間50万台以上も売れました。
●スズキ「スペーシア」
スズキのトールワゴンタイプの軽自動車「スペーシア」は「パレット」の後継車として2013年に発売されました。
広い室内による使い勝手のよさに加え、最終型ではマイルドハイブリッドを搭載し低燃費化、軽自動車初のステレオカメラを使った先進安全装備「デュアルカメラブレーキサポート」を採用するなど、軽自動車でトップクラスの充実した装備内容となっていました。
しかし、ホンダ「N-BOX」やダイハツ「タント」、日産「デイズ」に販売台数で先行され、ランキングでは5位付近で停滞する状況でした。
そこで、2017年にフルモデルチェンジを行ない、現行モデルの2代目がデビュー。内外装のデザインを一新し、室内の広さも拡大し、居住性と使い勝手をさらに向上させました。
結果、現在の販売台数は1万8848台(2019年3月)と好調で、N-BOXに続く2位をキープしています。
●日産「ブルーバード」
すでに日産のラインナップからなくなってしまった「ブルーバード」ですが、歴代モデルのなかでも一気に販売台数が低迷した時期があります。
1963年に発売されたブルーバード(410型)はイタリアのデザイン工房・ピニンファリーナがデザインした欧州調のスタイリングで、当時はまだ少数だったモノコックボディの採用も話題となりました。
スポーティな「SS」グレードも設定され、アフリカで開催されたサファリラリーでもクラス優秀を遂げるなど、性能は折り紙付きでした。
しかし、このデザインが大衆には好意的に受け取られず、販売は低迷。ライバルのトヨタ「コロナ」にシェアを奪われます。そこで、当初からグローバルで販売することを想定した新型ブルーバード(510型)へ、1967年にバトンタッチします。
510型ブルーバードは日本では「ゴーイチマル」、北米では「ファイブテン」の愛称で親しまれ、とくにアメリカでの販売が好調だったため、後の「ダットサン 240Z」販売の礎となったほどです。
最終的に510型ブルーバードは、グローバルの累計販売台数150万台以上を記録する大ヒットとなりました。
■新型ジムニーを待っていたのはファンだけじゃなかった!?
●トヨタ「シエンタ」
初代トヨタ「シエンタ」は非常に珍しい再販措置が取られたクルマです。最初の発売は2003年で、3列シートと両面スライドドアを備えたコンパクトミニバンとして誕生しました。
子育てママを中心に人気がありましたが、ダイハツのOEM車のパッソセッテ/ブーンルミナスを次期型としたため、シエンタは2010年に販売を終了。
しかし、パッソセッテ/ブーンルミナスの販売が低迷し、2011年に異例ともいえる再販が決定されました。ただし、すでに商品力は他車と比較しても落ちており、2014年に完全に販売を終了します。
そして、2015年に全面的に刷新された新型シエンタを発売。ユニークな外観のデザインとカラーリングが採用され、初のハイブリッドもラインナップし、大ヒットを記録。発売最初の1か月で、4万9000台もの受注を獲得します。
2016年の販売台数は12万5832台で、登録車ではプリウス、アクアに続くランキング3位となり、ミニバントップのセールスとなりました。
●スズキ「ジムニー」
軽自動車唯一無二のクロスカントリー4WDとして君臨するジムニーは、2018年に20年ぶりのフルモデルチェンジで、大いに話題となりました。
先代ジムニーは1998年にデビュー。エンジンやメカニズムは大きな変更はなかったものの、デザインを直線基調から丸みをおびたカタチに大幅に変更して、イメージが一新されました。
そして、20年の間に何度かのマイナーチェンジと改良が加えられ魅力が維持されていましたが、ファンは新型を待ち望んでいました。
モーターショーでも次期型が発表されないなか、2018年ついに新型が発売されました。発売直後は待ち望んだジムニーファンが飛びつき、大量のバックオーダーを抱えます。
増産を発表する前は少なくとも1年、シエラに至っては3年以上という納期となっていました。
スズキのディーラーによると、こうした状況を生んだ理由は、新型を待っていた生粋のジムニーファンのみならず、初めてジムニーを買うというユーザーも新規で獲得できたこともあるようです。
ジムニーの秀逸なデザインと本物の悪路走破性は、3ドアで室内も広くなく、燃費もあまりよくないネガティブな部分を払拭するほどの魅力だったということでしょう。
※ ※ ※
今回取り上げた5車種以外でも、モデルチェンジが大成功したクルマはほかにもあります。
しかし、モデルチェンジで失敗の烙印が押されることもあります。当然、メーカーは売れると確信して新型車を開発しますが、時代背景や、突然のニーズの変化、流行など、さまざまな要因で明暗が分かれることもあり、新型車開発はそれほどまでに難しいということでしょう。
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