豊富な「スペシャル・オプション」を用意
英国のモーガンは10月23日、6気筒エンジン搭載のフラッグシップモデルであるプラスシックスの特別仕様車として、新たに「ピナクル(Pinnacle)」を設定した。
【画像】旗艦モデルがついに世代交代! 最後の特別仕様車【モーガン・プラスシックス・ピナクルを写真で見る】 全9枚
2025年初頭の生産終了を記念した世界30台の限定モデルで、日本では同日より販売を開始した。車両本体価格は2249万5000円(税込み)となっている。
ピナクルでは、通常とは異なる「スペシャル・オプション」が用意されている。モーガンのビスポーク(オーダーメイド)の実力を示すものとして、インテリアには上質なレザーや天然シープスキンのカーペット、チーク材などが使用される。
モーガンは2025年後半、プラスシックスと入れ替わる形で次世代のフラッグシップモデルを発表する予定だ。関係者がAUTOCARに明かしたところによると、新しいデザイン言語を導入し、モーガンの伝統的な「ウィング・シルエット」を採用しない2シーター・スポーツカーになるという。
最近では、6気筒モデルであるプラスシックスと4気筒モデルであるプラスフォーの販売比率は、およそ1対2となっている。プラスフォーに関しては、1936年の4/4から始まった従来のヴィンテージ・スタイルを継承することになる。
同社は以前から、「ジェット時代」と呼ばれるような、ヴィンテージ・スタイルをさらに進化させたデザインに関心を示していた。
新たなフラッグシップモデルについては、今年はじめに発表された限定モデルのミッドサマー(ピニンファリーナと共同開発)から得た知見を生かし、プラスフォーとは明らかに異なる、より高級志向のモデルとなる可能性が高そうだ。
価格を引き上げると同時に、モーガンのビスポーク分野への注目を集めるものになるだろう。AUTOCARの理解では、ライバルブランドがビスポークに力を入れる中、モーガン社内の一部のスタッフは以前からこの動きを求めていた。
次世代フラッグシップモデルは、現行のアルミニウム製シャシー「CX」を引き続き使用し、さらにBMW由来の3.0L直列6気筒ターボも引き継ぐと予想されている。このエンジンは現在、最高出力340psを発生する強力なユニットだが、さらなる高出力化も実現できると考えられている。
現在の仕様でも、プラスシックスは0-97km/h加速4.2秒を記録し、最高速度は260km/hを超える。おそらく380psものパワーがあれば、スーパーカー並みのパフォーマンスを容易に引き出せるだろう。
Q&A:モーガン新社長 マシュー・ホール氏
――モーガンの優先課題について教えて下さい。
「当社は、現在の方向性を広く継続する必要があります。しかし、最近、ピニンファリーナとの限定プロジェクトである『ミッドサマー』が成功を収めており、間違いなくそういったものがもっと必要だとわたしは考えています。また、ジョン・ウェルズ率いる素晴らしいデザインチームと3年間一緒に仕事をしてきましたが、彼らももう少し、予想外のところへ解き放たれる必要があると思います」
――ということは、将来はもっと違った見た目のモーガンになるのでしょうか?
「従来のお客様の期待に応えられる限り、昔のモーガンとは違う、新しいモデルの余地は確かにあります。わたし達がコーチビルディング技術の維持と拡大に熱心な理由はそこにあります。当社のクルマの基盤はずいぶん進歩しましたが、外装の一部には追いつかなければならないものがあります。コーチビルドは柔軟性に富んでいるのです」
――もっとハイテクなモーガンが必要とされているのですか?
「先進技術の導入は急いでいません。特に、アナログ的なドライビング・エクスペリエンスを向上させるものでなければ。当社はこれまで、乗り心地やハンドリングの向上など、小さなメカニカルなことを中心に取り組んできました。その路線を続けるでしょう」
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