ディーゼルとEVの魅力探求を楽しもう! BMW「X3 xDrive20d」「iX3 M Sport」試乗記
2022/03/26 12:45 Auto Prove
2022/03/26 12:45 Auto Prove
BMWのX3シリーズに試乗してみた。モデルは「X3 xDrive20d」と「iX3 M Sport」。BMWには電動化サブブランドiシリーズのSAVモデル「iXシリーズ」があるが、このiX3 M Sportは既存のX3シリーズを電動化したモデルだ。
左「iX3 M Sport」、右「X3 xDrive20d」ややこしいがiXシリーズは次世代の電動化SUVの提案型で、BMWが考える新しいラグジュアリーの提案という意味を持つサブブランド。だがこの試乗車はX3シリーズの派生モデルを電動化したモデル。だから、基本はX3というキャラクターで、パワートレインがモーターに置き換わったモデルなのだ。
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iX3のアウトラインをお伝えすると全長4740mm、全幅1890mm、全高1670mm、ホイールベース2865mmで、X3は全長4720mm、全幅同サイズ、全高1675mm、ホイールベース同サイズというわけで、ほぼ同じボディでM Sportの加飾の違いやバンパーデザインの違いで全長が20mm異なる程度の差だ。
iX3は80kWhのバッテリーを搭載し出力210kW(286ps)/400Nm、航続距離は508kmで、一方、X3は直列4気筒2.0Lのディーゼルターボ。出力140kW(109ps)/400Nm、WTLCモード平均14.5km/Lというスペックだ。だから似たようなパワースペックをもつ2台というわけ。ちなみに価格はiX3が862万円(M Sport)、X3は733万円で、ほぼリチウムイオンバッテリー分だけ高価格になっている。
マイナーチェンジで3眼カメラに変更X3シリーズは2021年秋にマイナーチェンジを行ない、部分的な意匠変更と3眼カメラを搭載した運転支援システムにアップグレードされている。そしてiX3の電気自動車が新たに、ラインアップに加わりパワーオブチョイスのラインアップが充実している。余談だが「Power of Choice」を最初に唱えたのはBMWである。
電気自動車のiX3は500kmを超える航続距離があり、エンジン車の代替となりうる距離が魅力。試乗時も東京から千葉県の房総半島の東側をたっぷりと走行し、トータルで300kmを超える距離を走行するものの、残りの電池量には余裕があった。
首都高速の大黒PAに6基設置された90kWの急速充電器そして首都高速の大黒PAにe-mobility power社が設置した90kWの急速充電器での充電も試してみた。近年の欧州トレンドはどれくらいの電力で充電できるかによって、バッテリーへの充電量が決まるため大容量化の波がある。国内ではこれまで50kWでの急速充電が最大値だったが、e-mobility powerが設置した急速充電器は90kWの電力で充電できるため、充電時間が短縮できるメリットがある。
ちなみに、EU委員会が2021年秋に発表した電動化ロードマップに、主要高速道路への急速充電器をEV販売台数から算出して設置台数を決めることと、出力は300kWの急速充電器としている。そのため、5分、10分の充電で100km以上の走行距離を簡単に復活させる計画が盛り込まれていたのだ。
あいにく国内では90kWでの充電器の設置がようやく始まったばかりなので、欧州とは足並みが揃わないものの、充電時間の短縮には一歩近づいている。ちなみに充電器を初期に設置したものだと15kW程度の急速充電器がまだたくさん残されているのが現状だ。
この日は30分充電することができ、バッテリー容量は80%まで回復していたので房総方面への走行後、再び450km走行可能に復帰した。
課題としては500kmを超える長距離移動した先に急速充電器の設置があるのか、目的地で充電に費やす30分間の時間が取れるかといったことがユーザーとしては気になることだ。これも車載のナビやスマホアプリなどで充電器の設置場所や空き状況なども検索できるようになりつつあるので、普及期へ向けて加速しているのは間違いない。
さて、試乗したインプレッションで秀逸と感じたのがiX3の「アダプティブ回生ブレーキ」機能だ。これはワンペダル走行ができる機能なのだが、他のEV車にはない機能として、先行車との車間距離に反応できることがある。あたかもACCが稼働しているかのうように、回生ブレーキの効きが変化するのだ。
例えば50km/hで交通の流れに沿って走行しているとき、先行車との車間が詰まったときにアクセルを離すと緩やかな回生ブレーキがかかり車間を確保する。また信号で停止するため先行車がブレーキをかけるとiX3の回生も自動で強めの回生ブレーキがかかり車速を落とす。最後はフットブレーキで停止させる必要があるものの、回生ブレーキの強さが自動で変化するのは実用性が高く非常に利便性が高いと感じる機能だった。おそらく今後のトレンドのひとつになってくる機能だと思う。
さて、iX3とX3のパワートレーンの違いでは同じ400Nmという大トルク。X3はディーゼルであるため、巡航走行からの再加速などでは力強くレスポンスもいいと感じる。低回転で大トルクを発生できるディーゼルのメリットを体感する。
そして巡航時からの急加速を求めてみるとiX3との違いが顕著に出た。というのは、アクセルを床まで踏み込んだ瞬間、数段のギヤダウンをしてから加速態勢に入るディーゼルターボと、間髪入れず瞬間加速するiX3とではそのレスポンスの違いを大きく感じるのだ。ディーゼルも踏み込んでから0秒以下では反応し、再加速をしているものの、その0秒以下での反応遅れを人間は感じ取れてしまうため、EVに軍配が上がるというわけだ。
もちろん、サウンドにも大きな違いがあり、X3はディーゼルでありながら静粛性は高く滑らかに走行する。が、エンジンの音はわずかに聞こえている。アクセルを大きく踏み込んだ際には、それなりに音が発生し、ドライバーはその音を聞くことで、呼応していることが理解でき、加速に期待が膨らむという心境になる。
EVは音もなく右足の動きに連動して急加速をする。それをドライバーは情緒がない、とか昂る興奮が得られないとかの感情にはなるだろう。しかし、間髪入れずに加速する様は、音がしないだけに、逆に鬼気迫る迫力を感じ、突き上げるような加速の波状攻撃に興奮することは間違いないのだ。
どっちを好むか。既存既成概念、価値観と新しい経験したことのない価値を取り込むか、その魅力の探求を楽しむトライをぜひおすすめしたい。<レポート:高橋アキラ/Takahashi Akira>
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