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BTCC:最終戦ブランズハッチ。BMWのコリン・ターキントンが3度目の王座獲得

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BTCC:最終戦ブランズハッチ。BMWのコリン・ターキントンが3度目の王座獲得

 いよいよ2018年のタイトル争い天王山を迎えたBTCCイギリス・ツーリングカー選手権は、9月28~30日にブランズハッチ・ケントサーキットで最終戦が開催され、レース2の結果をもってWSR(ウエスト・サリー・レーシング)のコリン・ターキントン(BMW125i Mスポーツ)がキャリア3度目のシリーズチャンピオンを獲得。惜しくも防衛ならずの2017年王者、スバル・レヴォーグGTのアシュリー・サットンはシーズン最終戦レース3を劇的僅差で制した。

 シリーズ創設60周年の“ダイヤモンド・ジュビリー”イヤーとなっていたBTCCの2018年シーズンは、この最終戦に選手権首位で臨むターキントンを筆頭に、スピードワークス・モータースポーツのトム・イングラム(トヨタ・アベンシス)、モーターベース・パフォーマンスのトム・チルトン(フォード・フォーカスRS)らにタイトル獲得の権利が残された。

BTCC第9戦:フォード・フォーカスRS初勝利で新記録15人目のウイナーが誕生

 しかしこれが王座を懸けた最終戦の重圧か、予選ではその3名が軒並み苦しむ展開となり、チルトンのフォーカスRSは15番手タイムが精一杯。そして34ポイントのマージンを持つターキントンは17番手。そのライバルを追うイングラムは「まるでFFのドリフトマシンみたいだった」と、セットアップに苦しみ19番グリッドというまさかのセッションとなってしまう。

 代わって快走を見せたのは新旧ホンダ勢のシビックで、チーム・ダイナミクスのFK8型ホンダ・シビック・タイプRがトップを占拠。ルーキーのダン・カミッシュが大ベテランのマット・ニールをアウトクオリファイし、自身初のポールポジション獲得かと思われた予選終了間際、サテライトチームとしてFK2型のシビックRを駆るユーロテック・レーシングのブレット・スミスが1分30秒557の予選コースレコードをマークして大逆転。ルーキー・オブ・ザ・イヤーに相当する今季のジャック・シアーズ・トロフィー受賞者、カミッシュの初ポールを打ち砕くアタックを見せた。

 しかし日曜午前のレース1では、雪辱を期したカミッシュがオープニングラップを経た2周目早々にスミスをかわして首位に浮上。その後、ニールも2番手に上がりチーム・ダイナミクスがワン・ツー・フィニッシュ。

 レース後は一時「ジャンプスタートで30秒のタイムペナルティ加算」が宣告されたものの、チームの控訴により取り下げられリザルトが確定。カミッシュがBTCCデビューイヤーでキャリア初勝利を飾ると同時に、シーズン記録を更新する17人目のウイナーとなった。

 一方、後方からの勝負を強いられたタイトルコンテンダーたちは、ターキントンが12位、イングラムが14位に終わり、ポイント差が36に拡大。チルトンは奮闘を見せ9位まで挽回したものの、この時点で正式にタイトルの権利を失うこととなった。

 続くレース2ではサクセスバラストを満載しながら、前戦勝者カミッシュがポールから無難なスタートを決め首位をキープ。その背後では8番手スタートの王者経験者、アンドリュー・ジョーダン(BMW125i Mスポーツ)がロケットスタートを決めて4番手までジャンプアップ。後方ではイングラム、ターキントンもそれぞれポジションを上げてオープニングラップのコントロールラインを通過していく。
 続く2周目には、このレースで22ポイント獲得が必須……つまり逆転王座には表彰台しか望みのないイングラムが宿敵ターキントンをパスして、トレードマークとも言える猛チャージを開始し先頭集団への復帰を試みる。

 4周目には後方集団でクラッシュが発生し、6周目にはマシン回収のためこの日初のセーフティカー(SC)が導入されると、リスタートからみるみるポジションを上げたトヨタ・アベンシスはついに表彰台の背後、4番手にまで浮上してくる。

 カミッシュ、ニールのFK8シビック勢が逃げを打つトップグループに喰らいつきたいイングラムだったが、ここでその前方に立ちはだかったのはWSRでターキントンの僚友でもあるジョーダンのBMW。

 最後の表彰台を懸けて再三、BMWへのアタックを続けるイングラムだが、タイトル経験者の老獪なディフェンスを前にオーバーテイクの機会は訪れず。そのまま17周が終了し無常のチェッカー。選手権首位のターキントンは13周目にBTCノーリンのダン・ロイド(FK2ホンダ・シビック・タイプR)とのバトルでコース外に弾き飛ばされ、完走車両中最下位となる22位フィニッシュとなったものの、2009年、2014年に続く自身3度目のドライバーズチャンピオンを手にした。

「まずはアンディ(アンドリュー・ジョーダン)にお礼を言わなくてはならないね。僕のタイトルとWSRのチームタイトルを獲得するためにハードに戦ってくれたんだから」と、チームメイトの奮闘に感謝の言葉を述べた新チャンピオンのターキントン。

「こんなひどい内容のレースでタイトル獲得を語るのは気が引けるが、それもすべてシーズン前半の頑張りがあったからこそだ。最高の終わり方ではないけど、僕らは勝ったんだ」

「今回のタイトル獲得がこれまでで一番特別な瞬間になった。BTCCが人生の一部であることに感謝しているし、僕を支えてくれた家族、チーム、そしてBMWにもお礼を言いたい」

 残る2018年最終ヒートとなったレース3は、リバースポール発進となったパワー・マックス・レーシングのジョシュ・クック(ボクスホール・アストラBTCC)と、セカンドロウ3番手スタートの“元王者”サットンのスバル・レヴォーグGTが、MG6時代のチームメイト同士の接近戦を披露し、両車横並びのチェッカーとなる0.032秒の僅差でスバル・レヴォーグGTが勝利。これでサットンはランキングを4位に上げてシーズンを終えている。

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