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ブガッティ創業110年記念モデル「チェントディエチ」、本格生産に向けたプロトタイプの組み立てをスタート

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ブガッティ創業110年記念モデル「チェントディエチ」、本格生産に向けたプロトタイプの組み立てをスタート

Bugatti Centodieci

ブガッティ チェントディエチ

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EB110のオマージュとして10台のみを製造

2019年夏にアメリカ・カリフォルニアで開催されたクエイル・モータースポーツ・ギャザリング(Quail Motorsports Gathering)において、ブガッティは創業110周年を記念したスペシャルモデル「チェントディエチ(Centodieci)」を公開した。

このユニークなプロジェクトは伝説的な「ブガッティ EB110」へのオマージュとして開発。現代ブガッティを象徴するW型16気筒エンジンを搭載し、最高出力1600psを発揮する。まさにブガッティのコーチビルドの伝統を現代に蘇らせたといえるプロジェクトであり、特別なカスタマーのためにわずか10台のみ製造することがアナウンスされていたが、ついに本格生産に向けたプロトタイプのアセンブリがスタートした。

1990年代のウェッジシェイプを現代的に解釈

ロマーノ・アルティオーリがブガッティの商標を手に入れ、イタリア・モデナに「ブガッティ・アウトモビリ」を復活させたのが1987年。1991年にEB110を発表するが1995年に倒産してしまう。その後、1998年にフォルクスワーゲンがブガッティの商標を買い取り、モダン・ブガッティを宣言した「ヴェイロン」を生み出している。

それから約30年、EB110を生み出したアルティオーリとデザイナーであるジャンパオロ・ベネディーニへのオマージュとしてチェントディエチは誕生した。フラットな形状のフロントセクション、低い位置に設置されたフロントスポイラー、3段式エアインテークを備えたチェントディエチのデザインは、1990年代に衝撃を起こしたEB110のフォルムを現代的に再解釈したものだ。

デザインにおける最大の課題となったのが、直線的なウェッジシェイプというEB110のフォルムを、モダンで彫刻的な現在のハイパースポーツに落とし込むことにあった。ブガッティのデザインディレクターを務めるアキム・アンシャイトは、チェントディエチのデザインについて次のように説明する。

「私たちに課されたのは、伝説的なEB110のデザインにとらわれ過ぎず、レトロに走ったアプローチを避けることにありました。そして、当時のフォルムやテクノロジーの現代的な解釈を行いながら、同時にEB110の魅力と個性を失うこともしたくなかった。結局、EB110が持つ独自のデザインとテクノロジーは、今も一切色あせていないということです」

デザインと技術面を徹底的にブラッシュアップ

チェントディエチのワールドプレミア以降、ブガッティの開発チームはこの限定モデルの技術的な実装に取り組んできた。限定プロジェクト担当マネージャーのアンドレ・クリングは、次のようにコメントした。

「新たに開発される車両は、たとえ小規模生産モデルであったとしても、シロンのようなカタログモデルと変わらない品質や安全基準を満たす必要があります。そして、時にはそれを超えた存在である場合もあるため、開発陣にとってはかなり厳しい課題を突きつけられることもあるのです」

エンジニアはまず、ボディ、エアロダイナミクス、パワーユニット、トランスミッションを入念にチェックした。ここではボルトなどの最小パーツに至る全コンポーネントが再検討されている。

一方、デザインチームは、開発者と密接に協力してスタイリングをチェック。最終的な仕上げと、ボディ表面のデザインを行っている。ここでは光線の照射に応じてボディパネルの曲率を調整し、すべての照明条件で外観が均一になるように微調整。そして、設計とシミュレーションに1年以上を費やした後、チームは現在、最初のプロトタイプの製造へと駒を進めた。

変更されたフォルムに合わせた技術面での変更点

「私自身、チェントディエチのプロトタイプ製造をとても楽しみにしていました。このような少量生産プロジェクトの開発は、非常にエキサイティングかつチャレンジングなものですから」と、クリング。

クリングは2004年からブガッティに在籍し、「ディーボ」や「ラ ヴォワチュール ノワール」のプロジェクトにも携わってきた。彼に与えられた任務は、エクステリアとテクノロジーを完璧に一致させること。わずか10台の生産にもかかわらず、チェントディエチはシロンと変わらない技術的要求を満たさなければならない。

「完全新デザインのボディは、ベースとなったシロンと比較して多くの変更点があります。そのため、特別なコンピュータープログラムを使って、シミュレーションをする必要があったのです。そこで得られたデータに基づき、プロトタイプの出発点となる基本的なセットアップを確立することができました」

先日、チェントディエチの開発チームは、モルスハイムのファクトリー内にあるシャシーダイナモ上で、すべての駆動系チェックを完了した。シャシーの完成を受けて、次のステップとなるのがエクステリアの製作となる。

今後数ヵ月をかけて最終的なデザインが確定

チェントディエチに搭載される8.0リッターW型16気筒ガソリンエンジンは、最高出力1600psを発揮。エンジンベイは非常に高温となるため、高度な熱管理が求められることになる。さらにチェントディエチは、EB110と同じようにエンジンルームが透明なガラスで覆われており、より効率的に熱を排出すべく、エアアウトレットのサイズが拡大された。

ドア後方に設けられた5基の円形のエアインサート周辺にはひし形に配置されたガイドフラップを装着し、エンジンベイへフレッシュエアを効率的に送り込む。その結果、ヴェイロンやシロンでは圧倒的な存在感を放っていた特徴的なサイドの「Cライン」に代わって、シャープなウェッジシェイプデザインが採用されることになった。今後、開発課題として掲げられているのは、新デザインのライトユニットや、固定式のリヤウイングということだ。

駆動系が完成したことを受け、今後数ヵ月をかけてエクステリアの最終的なフォルムが確定する。その後、テストトラックでの実走テストがスタートする予定だ。

様々なシミュレーションを経て、エクステリアの最終確定後、チェントディエチのプロトタイプは実走テストへと進む。クリングはこれからのスケジュールを語る。

「今後数ヵ月をかけてエクステリアを完成させ、風洞施設でのより高度なシミュレーションを行います。その後、テストコースに出てチェントディエチのシャシーチューニングがスタートするわけです。今から実際に走り出すのが本当に楽しみです」

800万ユーロという価格が掲げられたチェントディエチは、発表後数時間で限定10台がソールドアウト。2022年にはカスタマーへのデリバリーが予定されている。

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みんなのコメント

1件

  • ヴェイロンが潰れたハムスターみたいなヘンテコデザインだったけど、随分良くなった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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