いよいよこのカテゴリーの“真打ち”とも言うべきVWゴルフVIIIが日本発売を開始。国産勢も強豪モデルがひしめき合うCセグハッチバックモデルのなかで、覇権を握るのは果たしてどれか?
マツダ3FB、インプレッサスポーツSTI Sportとの頂上決戦を松田秀士氏がレポート!
かつてのファンには隔世の感? 新型シビックが300万円を超えたホンダの事情
※本稿は2021年月のものです
文/松田 秀士 写真/ベストカー編集部 撮影/佐藤正勝
初出:『ベストカー』2021年8月10日号
【画像ギャラリー】ゴルフVIII・マツダ3FB・インプレッサスポーツSTI Sport 3台を様々な角度からチェック!!!
■走りからADASまで厳しくチェック!
Cセグハッチバックの王様、新型VWゴルフ(VIII)がいよいよ日本上陸である。
そこで国産Cセグハッチバックの代表としてマツダ3ファストバック、インプレッサスポーツSTI Sportの3台を引っ張り出した。
さあ、王様ゴルフVIIIに対して日本勢はどのレベルにあるのか、あるいは凌いでいるのか? さっそく乗り比べだ。
まず新型ゴルフVIIIをじっくり乗り回してみよう。
ライトまわりを含め、より直線的なラインを感じるエクステリアはスッキリ感が強い。
VWゴルフVIII…松田秀士氏が3気筒エンジンとは思えないほど、室内静粛性が高かったというのがゴルフVIII。エンジンルームでは分厚いゴムのマウントがしっかり仕事をしていた
AmazonのアレクサやAppleのSiriのような音声認識+操作システムの進化にも注目だが、ここではやはり48Vマイルドハイブリッドを採用した1L 3筒ターボエンジンに注目。エントリーモデルともいえるeTSI Activeを引っ張り出してみた。
エンジンを始動してみて、まず驚くのが室内でのメカニカル振動の少なさ。先入観さえなければ3気筒エンジンとはわからない。
そこでエンジンフードを開けてみると、4気筒エンジンに比べて明らかに振動している3気筒があった。
しかし、分厚いゴム質のエンジンマウントがその振動をしっかり吸収している。経年劣化して交換する時は高そうだが、凄いパーツである。
いわゆるオルタネーター(発電機)を駆動とスターターもできるモーターに置き換えたベルト駆動の48Vマイルドハイブリッドが装備されたエンジン出力は110ps/20.4kgm。
これに7速DSGが接続される。圧巻だったのはこの48Vによるコースティング機能。
停止寸前やアクセルオフでのエンジン停止が頻繁に起こり、燃料を節約している。またアイドリングストップからの再始動も瞬間にエンジンに火が入る音なしスターター。お見事だ。
では動力性能を国産ライバル2車と比較しよう。
エンジンユニットが各々三者三様の違いを見せたCセグハッチバック3台
ゴルフは1Lターボ+48Vマイルドハイブリッド、マツダ3は1.8Lクリーンディーゼル、インプレッサは2L水平対向NAを積む
■三者三様の個性ありだが……
インプレッサSTI Sportは2L 4気筒のNAで154ps/20.0kgm+CVT。もう1台のマツダ3 1.8XD Lパッケージはクリーンディーゼルで130ps/27.5kgmという性能で6速AT。
発進加速で力強いのはマツダ3のディーゼル。1600rpm時に27.5kgmを発生する最大トルクはやはり快適。
とはいえゴルフも20.4kgmを1500rpmで発生し、しかも48Vのアシストもあり、それほど劣るものではない。30km/hあたりからマツダ3はグングン加速する。
インプレッサスポーツ…インプレッサのSTI SportはNAエンジンらしいスムーズな加速感。高回転、高速域になればなるほどその真価を実感できると松田秀士氏は指摘
マツダ3FB…マツダ3ファストバックは今回、1.8Lクリーンディーゼル車でノミネート。1600rpmで最大トルクの27.5kgmを発揮するトルク特性はディーゼルエンジンならでは
ゴルフは3000rpmを超えると力強さが増し、1Lとは思えない加速が始まる。インプレッサは、出だしはそれほど非力には感じなく、満遍なくスムーズに加速する印象だが、高回転、高速になるほど真価を発揮するエンジン特性。
3車各々に加速の個性があって興味深い。
その個性の違いが明らかになり、改めて興味深いところ
では乗り心地。ゴルフとマツダ3はリアサスが左右が繋がったトーションビーム式。インプレッサは左右セパレートの高価なダブルウィッシュボーン式だ。
インプレッサは4輪のサスが独立して路面の凸凹を吸収していて3車中一番コンフォート。路面からの初期入力をソフトに吸収。
サスが硬いのはマツダ3で初期の叩くようなタップ感は強いが、凸凹通過のホイールトラベルを一発で収束させる、尾を引かない乗り心地。これが好きな人もいると思う。
ゴルフはその中間だがどちらかといえばインプレッサに近いコンフォート系。
しかし、ここで注目すべきは国産2車が18インチタイヤ(マツダ3:45%扁平/インプレッサ:40%扁平)なのに対してゴルフは16インチ(55%扁平)だったこと。ゴルフが18インチを履いていたとしたら? 乗り心地は国産が圧倒的にいいといえる。
ただ、室内静粛性はゴルフだ。3気筒の振動を巧みに抑え込み、走行ノイズが低く0.275に進化したCd値のせいか高速でもストレスがない。
デジタルコックピットと呼ばれる10+8.25インチのタッチ&スライド式ディスプレイ。一気に世界観を変えるようなインテリアのデザインは素晴らしく、欧州車の先進性に思わず嫉妬してしまう。
使い勝手という部分では慣れは必要だが……。国産2車はこの点はとてもアナログ。ただし、使い勝手は直感的で中高齢者向け。
ゴルフはADAS(先進運転支援システム)が強化され210km/hまでACCが使えるという。
速度無制限のドイツならではだが、インプレッサは135km/Hまで、マツダ3はそれ以上可能。とはいえ日本は120km/Hまでだからこれは3車互角である。
LKAS(レーンキープ=車線内中央維持)にも大きな差はなかった。
最後にまとめてみよう。先進性を含めてやはりCセグハッチバックのトーナメントリーダーはやはりゴルフVIIIだろう。
ただし、コストパフォーマンスという意味ではエントリーモデルで300万円を超えている点は考慮する点が大いにある。今後、後出しジャンケンとなる国産2車に大いに雪辱してもらいたい。
採点は各項目5点満点 ※UIF=ユーザーインターフェース
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みんなのコメント
本気の欧州崇拝信仰なのか、メーカーVWに抱き込まれてるだけなのかは知らんけど。
ゴルフを僅差で辛うじて一位にした得点操作が、「内外装の質感」3車のトップで満点の5点。
昔から欧州信者お得意の「見えないところにコストが掛かっていて〜」ならまだしも、素人でも見た瞬間に誰もがチープすぎるとゲンナリする新型ゴルフの内外装に最高得点とは、もう呆れるしかない。
室内操作系がコストダウンで物理スイッチゼロ、エアコン調整すらタブレット・タッチパネル強いられる、最低最悪な操作系になってることとかには触れないのか?