国産車も輸入車もコンパクトSUVやミドルSUVに注力しているメーカーは多い。だが、効率の良いエンジンと走りを両立させたモデルは意外と少ない。今回は編集部が今、最も注目している2台をピックアップ。それぞれの違いを確かめてみた。
洗練された『ZR-V』と走りの『エクリプス クロスPHEV』、あなたの好みはどっち?
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電気自動車(EV)に興味はあるが、なかなか購入まで踏み切れない。でも、それに近いEV系のクルマには乗ってみたい。今、ガソリン車やディーゼルエンジン車に乗っている人で、こう考えている人が増えているようで、実は今回紹介する2台もユーザーの大半がEV系の初心者だという。ホンダ『ZR-V』は今年4月から発売が始まったばかりの新感覚SUV。同社の新しいデザインとパワーユニットを採り入れた意欲作だ。
パワーユニットは、新開発の直噴2Lガソリンと2モーター内蔵型電気式CVTのスポーツe:HEVを同社のSUVに初めて搭載した。184PS、315NmのモーターによるEV走行、2Lエンジンの発電でモーターを動かすハイブリッドに加え、高速走行時はエンジンの力だけで走り燃費を稼ぐというホンダ独自の機構が特徴だ。
実際に走行中にエンジンが始動しても、わずかに音が聞こえるだけ。動力性能も0→100km/hの加速も8秒台なので、スポーツSUVといえるレベルの高い走りを楽しめる。スポーツ/ノーマル/エコ/スノーという4つのドライブモードもメリハリが効いていた。実走燃費は14~18km/Lで、カタログ燃費の21.5km/Lには及ばなかった。
一方の三菱『エクリプス クロスPHEV』は2020年12月にデビューし、2022年11月に一部改良をはたした。三菱のPHEVと言えば、『アウトランダー』で培ってきた実績もあり、細かい改良が進んでいた。2.4Lガソリンエンジンは走行中に始動しても音も振動も抑えられている。
ちなみに『エクリプス クロスPHEV』のEVモードでの航続距離は、カタログ値では57.3kmだが、SAVEモードやパドルレバーで回生量調節もできるので、走行条件によってEV走行をコントロールできるのが特徴。回生量調節や充電機能を生かしながら走るのもPHEVを操る楽しみのひとつだ。
もうひとつのこのクルマ楽しみがドライブモードにある。三菱といえば、かつて世界ラリー選手権で活躍していたメーカーだが、その名残なのか、このクルマのドライブモードにはターマック(舗装路)やグラベル(砂利道)とラリー用語が使われているのだ。
洗練された『ZR-V』と走りの『エクリプス クロスPHEV』、あなたの好みはどっち?
美しいデザインと力強さを追求したSUV
ホンダ『ZR-V』
Specification
■全長×全幅×全高:4570×1840×1620mm
■ホイールベース:2655mm
■車両重量:1630kg
■排気量:1993cc
■エンジン形式:直列4気筒DOHCガソリン+交流同期モーター
■最高出力:141PS/6000rpm+184PS
■最大トルク:182Nm/4500rpm+315Nm
■変速機:電気式無段
■燃費:21.5km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:411万9500円
※「e:HEV Z 4WD」
楕円形をモチーフにした新しいホンダデザインのフロントマスク。上下の薄いライト類はフルLEDタイプを採用。グリルの垂直バーはツヤ消し仕様でメッキ類は使われていない。
サイドも楕円形をモチーフにしたデザイン。そのためかホイールベース、全高ともに『エクリプス クロス』より大きく見えるがホイールベースで15mm、全高で65mmも『ZR-V』が短くて低い。
下部にボリューム感を持たせたリアビュー。リアのコンビネーションランプはフロントのヘッドライトまわりとイメージを統一。ビルトインタイプのマフラーは「Z」グレード専用。
WRCで培った走りのDNAは健在!
三菱『エクリプス クロスPHEV』
Specification
■全長×全幅×全高:4545×1805×1685mm
■ホイールベース:2670mm
■車両重量:1920kg
■排気量/電池容量:2359cc/13.8kWh
■エンジン形式:直列4気筒DOHCガソリン+交流同期モーター
■最高出力:128PS/4500rpm+82PS+95PS
■最大トルク:199Nm/4500rpm+137Nm+195Nm
■変速機:電気式無段
■燃費:16.4km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:465万800円
※「PHEV P」
タテ置きの4灯ヘッドライトとそれを取り囲む太いクロームのグリルは、最近の三菱のSUVデザインの特徴。バンパーの下にスキッドプレートをデザインし、力強さを強調している。
後席のドアウインドウを小さくし、クーペライクなプロポーションを狙ったデザイン。PHEVの最低地上高はガソリン車より5mm高い185mmを確保。リアゲートの傾斜も大きい。
テールランプはリアウインドウサイドからゲート部まで伸びている。バンパー下のガーニッシュでオフロード系のワイルドさを演出しており、フロントとのイメージを統一させている。
ホンダ『ZR-V』
エンジンルーム
横置きの新開発2.0L直噴ガソリンエンジンを搭載。駆動は走行モードによって前輪と4輪を使い分ける。FF車も選べるようになっている。
運転席と各種装備
水平基調で全体的に高めのインパネ。最近のホンダ車は六角形の細かいパネルをインテリアに採用しているが、実は掃除が大変。
シートスペース
前席の着座位置はやや高め。コンソールが高いのがわかる。後席の着座位置は低めで、床面はフラット。身長180cmクラスでも十分使える。
ラゲージスペース
後席背もたれは6対4の分割可倒式。前方に倒すとやや斜めに収まる。パーセルカバーはZグレードの標準装備。サブトランクは工具入れ。
【 ココがポイント!】センターコンソールにホンダ独自のギアセレクター
e:HEVのギアセレクターはレバー式ではなくスイッチ式。Dはプッシュ式、Rはプル式を採用したエレクトリックギアセレクターを導入。センターコンソールは高く、セパレート感を演出している。
【 ココがポイント!】走行用と発電用の2つのモーターを搭載
e:HEVはエレクトリック・ハイブリッドを表わした言葉。エンジンと発電用、走行用の2つのモーターを備えているのが特徴。走行シーンによって使い分ける機構となっている。
三菱『エクリプス クロスPHEV』
エンジンルーム
エンジンルームには直4、2.4Lのガソリンエンジンを搭載。駆動用バッテリーは13.8kWh。前後に1基ずつ駆動用モーターを配している。
運転席と各種装備
運転席と助手席がセパレートされたデザインでコックピット感を演出。スポーツモデルであることを意識させるインテリア。
シートスペース
前後席ともに高めの着座位置。天井は前後に分かれたガラスルーフを装着。リアウインドウはほぼ全開に近い。シートレールもカバー付き。
ラゲージスペース
後席の背もたれは6対4で分割可倒するだけでなく、リクライニングもする。車内には100VのAC電源と急速充電口でV2H機器と接続できる。
【 ココがポイント!】シフトレバー、パドルシフトでスポーツテイストを演出
シフトセレクターはレバーを採用しているが、ドライブモードはつまみを前後に動かして、選択。EVやSAVEモードも装備されている。パドルシフトは回生用としても使える。
【 ココがポイント!】走行状況によってモーターかエンジンかを選べるPHEV
プラグインハイブリッドは2.4Lのガソリンエンジンと、13.8kWhのバッテリーを備えており、EVでのモーター走行と、エンジンによる走行を状況によって選ぶことが可能。
インテリアの上質感なら『ZR-V』、本格的な走りなら『エクリプス クロス』
ホンダ『ZR-V』
[運動性能]速く走るというのではなく、優雅に運転をするという走り方が似合うSUV。ドライブモードの違いも明確。18点
[居住性]前後席ともにスペースに余裕がある。ラゲージスペースも床は低く、使い勝手がいい。ルーフは鋼板のみ。18点
[装備の充実度]HondaSENSINGやTotal Careプレミアムも充実しており、ミドルクラスとはいえ、上級感のある運転を楽しめる。19点
[デザイン]フロントマスクから個性的。ホンダのクルマ造りへの挑戦は共感できる部分が多い。室内のクオリティーも高い。19点
[爽快感]軽快感というより、安定感といったほうがしっくりくる操舵感と乗り心地。装備の上質感が印象に残るクルマ。18点
[評価点数]92点
三菱『エクリプス クロスPHEV』
[運動性能]ドライブモードのセレクトや4駆のメカニズムなど三菱のモータースポーツの歴史を感じられるのが楽しい。19点
[居住性]後席の着座位置は高めでアイポイントが高い。背もたれのリクライニングもある。後席のシートヒーターも標準装備。19点
[装備の充実度]運転支援機能をはじめ、高速道路での運転者の負担軽減がうれしい。スマホと連携するナビゲーションも使いやすい。18点
[デザイン]ワイルドなフロントマスク、クーペルックのサイドウインドウなど走りのイメージを強調したデザインが印象的。18点
[爽快感]ドライブモードにラリー感覚をとり入れたり、4WDのセッティングをスポーツ志向にするなど走りを意識した造り。18点
[評価点数]93点
取材・文/石川真禧照 撮影/望月浩彦
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年4月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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