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走りの楽しさにとっては「軽さ=正義」!! 軽くて楽しい現行車選手権 8選

掲載 更新 68
走りの楽しさにとっては「軽さ=正義」!! 軽くて楽しい現行車選手権 8選

 安全性を求めるあまり、衝突安全ボディや自動ブレーキ、さらに最新のコネクティビティ搭載などでクルマの重量がどんどん増えている。

 時代の流れでしかたのないことかもしれないが、こんな時代に軽くて楽しいクルマはあるのだろうか? 

唯一無二の魅力 マツダはなぜロードスターを作り続けられたのか

 そこで、1トン以下の楽しいクルマをピックアップ。それぞれクルマの魅力をたっぷりと、モータージャーナリストの岡本幸一郎氏に解説してもらった。


文/岡本幸一郎
写真/ベストカー編集部 ベストカーweb編集部

【画像ギャラリー】1トン以下の軽くて楽しいクルマを写真でチェック!

安全装備やハイテク化の動きで車重はどんどん重くなっている

 クルマにとって軽さは正義である。昔のクルマは努力せずとも軽かった。ところが、ボディサイズが拡大し、衝突安全の要件を取り入れ、装備の充実を図るなどしていくうちにどんどん重くなっていった。

 特に20世紀の終わり頃には自動車業界が世界的にプチバブルといえる状態だったこともあり、クルマは軒並み肥大化し、とくにCセグメント車を中心に急激な大型化が進んだ結果、車両重量は増え続けた。

 ところがその後は、さらなる各種装備の充実を図りながらも徐々に軽くなってきている。

 乗用車の車両重量の平均がもっとも重くなったピークは2006年頃といわれており、最近ではむしろ極端な軽量化に驚かされることが多い。

 スズキやプジョーあたりが、もともとそれほど重くないコンパクトモデルで100kg以上の軽量化をやってのけて業界を驚かせたことも思い出される。

 軽量化の主な要因は、材料置換と構造の見直し大きい。ボディサイズの拡大が一段落したこともある。

 高張力系の鋼板をはじめアルミや樹脂の使用部位も増えたことと、解析技術の進化により、強度や剛性を確保しながら無駄な贅肉を削ぎ落とし、より部材を最適に配置できるようになってきた。

 むろん快適系や安全系の重量のかさむ装備は増える一方だが、それでも軽くなったぶんと重くなるぶんを相殺すると、一時期よりはだいぶ軽くなってきたというのが昨今の状況だ。

 そんな状況だが、やはり1トンというのはひとつの目安。さすがに軽自動車は超えるほうが珍しいが、コンパクトカーでは一時期は1トンを超えていたのに軽量化の努力により1トンを切った車種がいくつかある。

 そこで本企画では、走りを積極的に楽しめるクルマとして、MTも選べることを条件に、まずは思い浮かんだ車種をざっと挙げてみた。

 日本勢では、スイフトスポーツ、スイフト、アルトワークス、S660、コペン、ロードスター、ヤリス。輸入車では、ロータスエリーゼ、ルノートゥインゴ。

 ちなみにMTしばりをなくすと、日本車では軽自動車の大半と、登録車ではパッソ/ブーン、マーチ、イグニス、輸入車ではアバルトではないフィアット500やVW up!にも一応、1トンを切るモデルはある。

 ちなみにVW up! GTIはちょうど1000kgで、すでに販売終了となっている。MINIはおそらくそう軽くなかったはずと思ったら、やはり1210kgから。

 アバルト595系や現在はブラバス版のみ販売されているスマートも、これまた1トンをだいぶ超えている。他にも1トンを切る車種があるかもしれないが、即座に思い浮かばなかったということで、ご勘弁いただきたい。

1トンを切るお薦めの楽しいクルマ/スイフトスポーツ

2020年5月に一部改良を受けたスイフトスポーツ。車両重量は6MTが970kg、6ATでも1トンを切る990kg。価格は、201万7400~208万8900円で改良前のスイフトスポーツが187万~194万1500円

 まずは、この企画の申し子のような存在であるスイフトスポーツから述べていきたい。1.4L、直4ターボを搭載し、車重970kg、140ps/23.4kgm、パワーウエイトレシオは6.93kg/psだ。

 2020年5月に一部改良して安全装備の充実を図ったばかり。欧州に導入された48Vマイルドハイブリッドが日本に導入されなかったおかげで、1トンを切っているし、価格も安い。

 欧州仕様に乗ったことはないが、おそらく日本仕様のほうが速くて走りも楽しいんじゃないかと思う。

 ターボながら低回転からレスポンスがよく、ターボらしいトルク感もある。パワーよりもトルクの太さが印象的なエンジンだ。標準のスイフトが5速のところ6速となるMTのシフトフィールも気持ちがよい。

 ハンドリングも俊敏で、すべてが操る楽しさに満ちている。スイフトスポーツではない普通のスイフトだって十分に楽しめるクルマなのだが、走りにこだわるならスイフトスポーツを選んだほうがよい。

 ワイドトレッドでモンローの与えられた足回りの印象も段違い。価格にそれほど大きな差があるわけではないのに、走りの「質」は別物だ。

小さいながらも中身は凄い!/スズキアルトワークス

車重は5MTが670kg、5AGS(シングルクラッチMT)が690kg。搭載するエンジンは64ps/10.2kgmを発生する直3、658cc、DOHC ターボ。価格はFFで5MTが153万7800円、5AGSが157万6300円

 スズキには、そんなスイフトスポーツの弟分と呼べるアルトワークスもある。車重670kgで、64ps/10.2kgm、パワーウエイトレシオ10.47kg/psだ。

 鋭い加速を見せる強力なターボエンジンと締め上げた足まわりによるスパルタンな走りは、小さいながらも本格的。しかも圧倒的に軽い。

 とはいえ、登場当初は話題になっていたものの、このところすっかり存在感が薄れてしまったのは、やはり同門の兄貴分の出来がよすぎるというのも一因だろう。

 もちろんアルトワークスだってよくできているし、楽しいことには違いないとはいえ、軽自動車が好きだとか、軽自動車のクラスで競技に出たいといった理由があれば、こちらを選ぶのもやぶさかではないが、そうでなれば価格差を考えてもスイフトスポーツのほうが賢明という気はする。

 スイフトスポーツのライバルで1トンを切るクルマがあるかと思って調べてみたが、マーチNISMO Sは惜しくも1010kgと1トンをわずかにオーバー。

1.5L、MTをブン回す楽しみ/ヤリス

車重980~1000kg、エンジンは自然吸気の1.5L、直3、120ps/14.8kgm、パワーウエイトレシオ8.17~8.33kg/ps。1.5L、6MT仕様の価格は2WDでXが154万3000円、Gが170万1000円、Zが187万1000円

 新しいヤリスには、むろんヤリスGR(272ps/37.7kgm、車重1250~1270kg)ほどではないにしても、1トンを切るクルマのなかで、MTもラインナップされている。

 ヤリスのMTというと、MTじゃないと乗れないという年配者のための設定されたのかと思いきやぜんぜんそうではなく、せっかくこういうクルマなので、走りを楽しんでもらえるようにあえて用意したとのこと。

 乗ってみると、たしかに楽しい。車重980~1000kg、エンジンは自然吸気の1.5L、直3、120ps/14.8kgm、パワーウエイトレシオ8.17~8.33kg/ps。

 お世辞にもパワーがあるといえないが、意外や意外、ブン回して楽しめる面も。アクセルオフ時のエンジン回転落ちがもう少し早ければなおいいだろう。

 シフトフィールも欧州車的で、それほどショートストロークではないが、しっかりとしていて節度感があって操るのが楽しい。

 クセのない素直なハンドリングもなかなか気持ちがよい。ヤリスの中でも車両重量の重いハイブリッドはもちろん、なぜかガソリンのCVTよりも動きが素直に感じられて、乗り心地も快適だ。

 とにかくすべてが素直な感じ。だから「スゴイ!」はなくても乗っていて楽しいんだと思う。

素の感じが素晴らしくいい!/マツダロードスター

車両重量は6MTはSが1トンをきる990kg(6MT)、Sスペシャルが1010kg(6MT)、RSが1020kg (6MT)、NR-Aが1010kg(6MT)。価格はロードスターS(6MT)が260万1500円

 素直といえば、登場時に1トンを切ったことが話題となったロードスターの最廉価グレード「S」の車重も1トン以下の990kgだ。

 走りの楽しさには定評のあるロードスターのなかでも「S」は本当に「素」の感じがイイ!  エンジンは自然吸気の1.5L、直4で132ps/15.5kgm、パワーウエイトレシオ7.50kg/ps。

 7500rpmまでスムーズに吹け上がり、非力ながら自然吸気らしくリニアで爽快なエンジンフィールを楽しめる。

 「S」はしなやかな足回りにより、やや動きが大きい気もするが、FRのライトウエイトスポーツらしくハンドリングのバランスはよく、ドライバーの操作に忠実に応える、すべて手の内で操れる感覚を味わえるのが真骨頂だ。

 ちなみに、公式HPによると、初代NAが940kgで、NCのときは1110kgまで増えていたので、これまた120kgもの軽量化をはたしたことになる。

ミドシップ軽スポーツ!/ホンダS660

2020年1月にマイナーチェンジが行われた。車重830kg(MT)、64ps/10.6kgm、パワーウエイトレシオ12.97kg/ps。価格はβが6MT/CVTともに203万1700円、αが6MT/CVTともに232万1000円

 アルトワークス以外の軽自動車では、ご存知S660とコペンという、2シーターのオープンスポーツがある。S660は車重830kg(MT)、64ps/10.6kgm、パワーウエイトレシオ12.97kg/ps。

 S660の自分を中心にクルリと曲がる回頭感と強力なトラクションはミッドシップならでは。

 ところで、秋に登場予定の次期N-ONEにもMTの設定があるというウワサも。ホンダだから6速か!?  大いに期待したいところだ。

見た目過激 中身上質!/コペンGRスポーツ

左はコペンローブ。右のコペンGRスポーツは車重850kg(MT)、64ps/9.4kgm、パワーウエイトレシオ13.28kg。価格はCVTが238万円、5MTが243万5000円

 かたやコペンも一体感のあるスポーティな走りが持ち味。なかでも、もうすぐ登場から1年が経過するGRスポーツの完成度が素晴らしく、見た目とは裏腹に楽しさに加えて極めて上質な走り味を実現していて驚かされた。

 ミドシップのS660とは違い、FFゆえハンドリングは別物ながら、お互い楽しいことには変わらず。

 コペンは車重850kg(MT)、64ps/9.4kgm、パワーウエイトレシオ13.28kg/psとS660と大差はない。MTがコペンは5速のところ、S660は6速というのがポイント高い。

トヨタエンジンを積み車重は約900kg/ロータスエリーゼ

価格はロータススポーツ220Iの662万円~。スプリント220は220ps/25.4kgmの1.8L、直4スーパーチャージャーエンジンを搭載。車重は878kg、パワーウエイトレシオは4と切る3.99k/ps

 輸入車では、1トン切りで走りが楽しいといえば大本命のロータスエリーゼがある。

 車両重量は904kg、軽量な「スプリント220」なら878kgで、エンジンはトヨタ製の1.8L、4気筒スーパーチャージャー付きだ。

 220ps/25.4kgm、3.99k/psと4を切るパワーウエイトレシオは今回のなかでもダントツに低い。

 パワフルなのはいうまでもないとして、走りはダイレクト感が満点だ。ミドシップ特有のリアが振り出されそうな感覚もなく、本当にクルマと一体になって意のままに走れる。

小さいエンジンを目いっぱい使って走る/ルノートゥインゴ

2019年8月から発売されたマイナーチェンジ版トゥインゴ。MTは73ps/9.7kgm、パワーウエイトレシオ13.01kg/ps。トゥインゴSの価格は179万円

 ルノーのトゥインゴも、MTの「S」のみ1トンを切って950kgだ。直3エンジンは、セミATだと92ps/13.8kgmのターボ付きになるところ、MTは73ps/9.7kgm、パワーウエイトレシオ13.01kg/psの自然吸気となるのが惜しいところ。

 それでも小さなエンジンをめいっぱい使って走るのは楽しいし、このクルマの場合はそれよりも、このクラスで貴重なRR(リアエンジンリアドライブ)ならではのハンドリングに価値がある。

 このクラスで前輪駆動でないなんて、トゥインゴぐらいのもの。ステアリングを切ったときの軽やかな反応や、アクセルオンでのトラクションはRRならではである。

 見た目はFFのコンパクトカーのようなのに、乗るとスポーツカーのように走れるギャップがまたおもしろい。

【画像ギャラリー】1トン以下の軽くて楽しいクルマを写真でチェック!

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みんなのコメント

68件
  • クロスボウとか…ケーターハムとか…。
    モーガンなんかも1000kg切れてるんじゃない?


  • スイスポはいい車だよね。
    メーカーの志を感じる。
    ただ大柄な人には小さすぎるのが難点。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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