マルク・マルケス(グレシーニ)は先週末のMotoGPオーストリアGPで再び競争力のあるペースを見出した。
ここ最近はファクトリー仕様のバイクに乗るフランチェスコ・バニャイヤ(ドゥカティ)やホルヘ・マルティン(プラマック)と比べて競争力で後れを取るレースが続いたマルケスだが、オーストリアGPではシーズン序盤のレベルを取り戻すことができた。
■マルク・マルケスにいったい何が? スタートでホールショットデバイスが作動せず出遅れ……事の発端はタイヤバルブ破損
実際、マルティンや来季のチームメイトであるバニャイヤの方がペースが良さそうだったにもかかわらず、マルケスを優勝候補の一角に挙げていたライダーもいた。
ただ、マルケスにとってレースは散々だった。スプリントでは首位のバニャイヤを追って2番手を走行していた際に転倒。決勝レースでは、予期せぬトラブルが発生し混乱のレースとなった。
レース開始30分前には、タイヤバルブの問題が発生し、グレシーニのガレージに緊張が走った。ホイール交換によりタイヤ温度が下がり、マルケスはタイヤのウォームアップに余計な注意を払わなければならなかった。
これがスタートで、ホールショットデバイスのミスにつながった。スタート直後にはフランコ・モルビデリ(プラマック)との接触もあってターン1でコースオフ。後方からの巻き返しを余儀なくされたが、最終的に4位でフィニッシュしてみせた。
これまでの週末は”3歩”遅れていたが、金曜日の段階でそれが1歩まで近づいたと話していたマルケス。その感覚は間違っていなかったようで、マルケスはバイクのベストを引き出しやすくなったことから、気持ちよくオーストリアを去ることができたようだ。
日曜日のレース終了後、スペインのメディアとの会見でマルケスは、MotoGPカレンダーで最も1周が長いシルバーストンと、最も短いレッドブルリンクの両方で、グレシーニは問題にうまく対処していると語った。
「カタルニアでは(スプリントで)2位、(決勝で)3位だったけど、僕らにとっては最悪の週末だった」
マルケスはそう語る。
「今回は、マシンの感触やプラクティスからウォームアップ、予選想定での速さという点において、最高の週末のひとつだった」
「昨日は0ポイントで今日は4位だ。でも本当のスピードはあるし、今週末はとても楽しかった」
マルケスは特に明確に言及はしなかったものの、夏休みが終わってから彼のテクニカル・チームが素早く問題を解決できるようになったという。
これがシーズン序盤のマルケスを取り戻す上で役立つかもしれない。一方で、オーストリアGPはミシュランが普段とは異なるケーシングのタイヤを持ち込んでいたため、マルケスは今後に向けて過度な期待をしないようにしているという。
「いつも同じ問題を抱えていたけれど、シルバーストンとここで少し、それを素早く解決する方法を理解し始めたんだ」
「でもそれはあまり大声では言っていない。アラゴンとミサノで同じダイナミックさを維持できるかどうか見てみよう」
「ここではタイヤのケーシングが違っていた。それでマシンが少し変わるからね」
ミシュランがレッドブルリンクに持ち込んだタイヤは、ラバーに厳しい高温のコンディションに対応するためのものだった。
そのため、マルケスはタイヤが戻る次回以降のグランプリを試金石にしたいと考えているのだ。
グレシーニも、マルケスと同じくシルバーストンで何かを掴んだと考えている。テクニカルチーフのフランキー・カルケディは自身のXアカウントで、オーストリアでのステップアップはタイヤと関係があるのか、それとも何かを見つけたのかと質問したファンに次のように答えている。
『シルバーストンでは新しいことを学ぶことができたし、ここでのFP2ではそれをすぐに実践することができた。昨年はあそこで(ドライで)レースをしなかったこともあって、もっと良いレースができたと思う』
マルケスが復活したのかどうか、次の数戦で答えが出るだろう。
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みんなのコメント
意図的に微量エア漏れさせるタイヤエアバルブの使用
スタート前は、他ライダーより少し高目な内圧を張ることで内圧レギュレーション
で定められた最低内圧以上での周回数を前半稼ぎ意図的なエア漏れさせるバルブで
微量放出させることでタイヤヒートした後半の内圧上昇を抑制。
オーストリアGPでのサイティングラップ前に起きたエアバルブトラブル。
その調整が上手く行ってなかったのでグリッド並ぶ前に交換したと予想。