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この見た目でナンバー付き! プロドライブ・ハンターへ試乗 ダカール・マシンを公道で 前編

掲載 更新 19
この見た目でナンバー付き! プロドライブ・ハンターへ試乗 ダカール・マシンを公道で 前編

全幅2.3mの砂漠のフェラーリ

ロンドン中心部に、車載トレーラーが滑り込む。テールゲートが開き、艶のないサンドカラーのマシンが姿を現す。呆れるほど巨大なリアウイングは、取り外されていた。それでも、ひときわ目立つこと請け合いだ。

【画像】公道のダカール・マシン プロドライブ・ハンター 過去に試乗したワイルドなモデルも 全107枚

通行人が振り返る。自転車を漕ぐ人も足を止める。スマートフォンが次々に向けられる。好奇心旺盛なロンドンっ子だから、質問が飛んでくる。金額は?馬力は?スピードは?

プロドライブ社を率いるデビッド・リチャーズ氏の話では、このクルマは砂漠のフェラーリ。タミヤのラジコンバギーを、原寸大に大きくしたようにも見える。名前は、プロドライブ・ハンターという。

全長は4.6mほどで、BMW 3シリーズより短い。全高は1.85mで、レンジローバーより低い。しかし全幅は約2.3mもある。車載トレーラーにギリギリ収まる幅だ。オリジナルのハマーより100mmも広いと聞けば、ワイドさがご想像いただけるだろう。

ロンドンのハイド・パークに沿って伸びる道に、なんとか収まる。英国では、公道走行が許される大型トラックと、全幅はさほど違わない。左ハンドルで、ドアミラーもサイドウインドウも小さい。リアガラスは初めからない。

かといって、この場所が想定外ということはない。時折、派手に改造されたスーパーカーやSUVが闊歩している。そんなクルマだってワイルドで、周囲から浮いている。

冷笑する人もいるだろう。こんな市街地で、砂漠のフェラーリを運転する必要はない。でも、その飛躍ぶりが面白い。

2022年1月のダカール・ラリーで総合2位

ガルウイングのドアを開き、ハンターの車内へ身体を滑らせる。不安感が湧いてくる。

アクセルペダルを踏み始める前に、プロドライブ・ハンターについて簡単にご説明しよう。プロドライブ社といえば、GTレーサーやラリーカーを得意とする、レーシングカー・メーカー兼レーシングチーム。AUTOCARの読者なら、ご存知の方も多いはず。

ラリードライバーのセバスチャン・ローブ氏は、2022年1月に開催されたダカール・ラリーへワークス体制のハンターで参戦。総合優勝はトヨタ・ハイラックス T1+に譲ったものの、見事に総合2位でゴールした。

今回のハンターは、その公道仕様のプロトタイプ。裕福な顧客へ向けた市販版だ。限定25台という生産台数の1台にカウントされ、レースチームのスポンサーになってくれた、バーレーン王室のガレージへ納められる予定だという。

市販版ハンターのお値段は、オプションを除いて150万ポンド(約2億3250万円)。すでに3台が売れたらしい。

地平線へ広がる荒野を突っ走るクロスカントリー・ラリーは、モータースポーツのなかで最もエクストリームなカテゴリー。パリ・ダカとして日本でも知られるダカール・ラリーは、その頂点に君臨するイベントだと思う。

ただし、ダカールと呼ばれていながら、近年はサウジアラビアの砂漠地帯がルートになっている。北アフリカは治安が悪いためだ。それでも、過酷さに変わりはない。

フォードGTと同じ3.5L V6ツインターボ

スタートからゴールまでは、13日間。約4000kmのスペシャルステージを、可能な限り速く突っ走る。リエゾンルートも、4000km以上ある。勝つためには、最適化されたラリーマシンが必要になる。

プロドライブがそこへ持ち込んだのが、バーレーン・レイド・エクストリーム(BRX)・ハンターT1+。スチール製のチューブラー・シャシー構造だが、実際のところカーボンファイバー製タブに、スチール製サブフレームが組まれた状態に近い。

この公道仕様でも製造品質は極めて高く、パネル類のフィッティングは完璧。細かい砂が車内へ侵入するのを防ぐ目的がある。

サスペンションは、前後ともにダブルウイッシュボーン式。コイルオーバーのダンパーが、各タイヤに2本づつ取り付けられている。アンチロールバーも備わる。

リアまわりのシルエットからミドシップを想像するかもしれないが、エンジンはフロント。柔軟に曲がる軽量なボンネットを取り外すと、巨大なインタークーラーが姿を現した。

それに隠れるエンジンは、フォード社製の3.5L V6ツインターボ。フォードGTにも採用されるユニットで、市販版ハンターの最高出力は558psある。車両の中央へ寄せるため、キャビン部分へ食い込むように搭載されている。

ワークス体制のラリーマシンでは、400ps前後しか発揮できていない。本番のラリーでは、ブースト圧が制限されるためだ。

この続きは後編にて。

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