ニュージーランド出身のヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)が、地元のアジア・パシフィック・ラリー選手権の制覇とともにERCヨーロッパ・ラリー選手権の連覇を決め、さらにポルトガルやベルギー、ノルウェーなどの欧州諸国に加え、南米アルゼンチンでも国内選手権を制覇した“成功作”の『ヒョンデi20 Nラリー2』に関し、製造元のヒョンデ・モータースポーツが2025年シーズンに向け、さらなる改良を発表。開発に利用可能な7つのジョーカーを活用し、登場以来最大となるアップグレード・パッケージ“ステップ2”の投入をアナウンスしている。
この新型ヒョンデi20 Nラリー2ステップ2は、すでに11月に開催されたフランス国内ラリー選手権の最終戦として名高い『ラリー・ドゥ・ヴァー』で公式デビューを果たしており、クリス・ミークが0号車としてステアリングを握っていた。
25歳メベリーニが今季8人目の勝者に。そしてパッドンが2年連続のヨーロッパ王座を獲得/ERC第8戦
ヒョンデ・モータースポーツによれば、この「i20 Nラリー2ステップ2はクルマの開発に利用できる7つのジョーカーを活用し、発売以来最大のアップグレード・パッケージを実現した」とされ「2025年シーズンに向けてさらに改良される」と表明している。
「改良されたフロントとリヤのサスペンションジオメトリーと運動力学、更新されたエンジンソフトウェアを補完するように設定された、新しいギアボックスのレシオ、そして新しい差動ランプオプションを備えた最新の部品(デファレンシャル)は2025年初頭にも承認され、最初のi20 Nラリー2ステップ2がすぐにカスタマーに提供され、既存の車両をアップデートするためのキットが利用可能になる」
今季2024年はチーム・ヒョンデ・ポルトガル)のドライバーとして国内選手権に参戦した前述のミークは、シーズン最初の4ラウンドを圧倒的な強さで勝利したものの、続く2戦の不振でランキング2位に転落。しかし続くラウンドで5回目の優勝を果たし、最終戦の表彰台でポイントのトップに返り咲き、チームに2年連続のドライバーズタイトルをもたらした。
その最終戦でのミークは、オープニングステージ後の1分15秒のペナルティから立ち直らなければならず、タイトル獲得を確実にするためには表彰台とパワーステージでの勝利が必要に。
事前のステージで後輪を損傷したにもかかわらず、ここで3位でフィニッシュを決めたWRC世界ラリー選手権の優勝経験者は、最終ステージで最大ポイントを獲得したことでタイトルの行方が何度も入れ替わった劇的なシーソーゲームを制し、自身2度目のポルトガル選手権を獲得している。
そのミークを筆頭に、パッドンらもスイッチやアップグレードが想定される新型ヒョンデi20 Nラリー2ステップ2は、2025年ERCでは開幕戦として4月4~6日に予定され、今回で第42回を数える『ラリー・シエラ・モレナ』にて欧州選手権デビューのときを迎える。
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