2024年F1第17戦アゼルバイジャンGP。シャルル・ルクレールが得意のバクーで4年連続のポールポジションを獲得し、今年こそ勝利を掴むべく序盤は順調にトップを走行していた。後方ではスタート直後にランス・ストロールと角田裕毅が接触し、角田は2戦続けて早々にリタイアを喫した。アゼルバイジャンGP前半を無線とともに振り返る。
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ピアストリ、チームの指示に背いたオーバーテイクで優勝「待ちの姿勢では勝てなかった」選手権首位奪取に大きく貢献
毎年大荒れの展開となるアゼルバイジャンGP。今年も例外ではなかった。まずはスタート直後。上位勢に大きな混乱はなかったが、その後方ではランス・ストロール(アストンマーティン)と角田裕毅(RB)の接触事故が起きた。
1周目
ストロール:パンクチャーだ。
緊急ピットインするストロール。
ストロール:角田がドアを閉めた!
角田はステイアウトして走行を続けたがペースが上がらず、ずるずると順位を落としていった。
まさかのQ1落ちを喫して15番手スタートだったランド・ノリス(マクラーレン)はスタートで12番手に。さらに3周目には角田もかわして11番手に上がった。
4周目
ウィル・ジョゼフ:4秒1だ。
ノリス:後ろとのギャップだよ。操り人形じゃあるまいし。
ジョゼフ:1秒0だ。
担当エンジニアのジョゼフが前を行くオリバー・ベアマン(ハース)とのタイム差を伝えたのに対し、ノリスは背後のニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)との差を知りたかったようだ。それにしても、「操り人形」という非難は、ちょっとひどい。とはいえジョゼフはそんなやりとりは慣れっこになっているのか、上位勢とは逆のハードタイヤスタートを選択したノリスを、こう言って励ました。
10周目
ジョゼフ:ミディアム勢はグレイニングは出てないが、オーバーヒートに苦しんでいる。きみの方がいい仕事をしているぞ。
ミディアム勢のなかでも、特に5番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はグリップ不足に手こずり、すぐ前のカルロス・サインツ(フェラーリ)との差は徐々に開いていった。
11周目
フェルスタッペン:タイヤが全然食いつかない。
首位シャルル・ルクレール(フェラーリ)を追うオスカー・ピアストリ(マクラーレン)も、そろそろタイヤが厳しくなっていた。しかし13周目にピットインしたセルジオ・ペレス(レッドブル)は、21秒後方。ここでピットに向かうと、ペレスにアンダーカットされる恐れがあった。そこでペレスの前を走るノリスに、協力を仰いだ。
14周目
ジョゼフ:ランド、セクター2でペレスを押さえてくれないか? もちろん、自分のタイヤをこれ以上傷めずにだけど。
ノリス:わかった。どれくらいやればいい?
ジョゼフ:今から1、2周だ。
ペレス:くそっ、押さえられてる。
リチャード・ウッド:そのようだね。
15周目にピットインしたピアストリは、ペレスのコンマ5秒前でコース復帰できた。ノリスの隠れたファインプレーだった。
14周目、ピットに向かった角田は、そのまま無念のリタイアを喫した。
角田:彼(ストロール)は少なくとも、審議対象になってるの?
エルネスト・デジデリオ:残念ながら、お咎めなしだ。不満な気持ちはわかる。事前に知らせなくて、申し訳なかった。接触事故の後、クルマをなんとかしようとしてたんだ。右のサイドポッドに、大穴が開いてたからね。
ルクレールも16周目にピットインし、再び首位ルクレールをピアストリが追う展開に。しかしルクレールのハードタイヤが十分温まる前に、ピアストリは一気に1秒以内まで差を縮めてきた。
18周目
ルクレール:(ピアストリは)狂ったようにプッシュしてる。それともペースがそれだけ速いのか?
ブライアン・ボッツィ:大丈夫だ。心配するな
しかしピアストリはルクレールの隙を突き、20周目のターン1で果敢に飛び込み、鮮やかに抜き去っていった。
そのはるか後方では、パワーユニット交換でピットレーンスタートだったルイス・ハミルトン(メルセデス)が、14番手まで順位を上げていた。しかしバトルを続けたために、タイヤのダメージが酷かった。
25周目
ピーター・ボニントン:タイヤ表面温度を下げる走り方をするんだ。
ハミルトン:やってるよ!!
ハードタイヤで走り続けるノリスは、23周目にサインツにかわされ6番手に。背後からはフェルスタッペンも1秒以内に迫る。しかしノリスは巧みにディフェンスし、抜く隙を与えない。
25周目
フェルスタッペン:ブレーキが効かない。
その間に8番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)が、フェルスタッペンにあっという間に迫っていった。
33周目
フェルスタッペン:リヤのグリップがない。リヤが跳ねまくってる。
フェルスタッペンは34周目のターン1で、ラッセルになすすべもなく抜かれていった。
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F1第17戦無線レビュー(2)に続く
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