北米ホンダは9月22日から6代目となる新型CR-Vを発売すると発表した。新型CR-Vは今年7月12日に初公開したがいよいよ市場に投入されることになった。
日本向けのCR-Vは、初代こそトヨタRAV4とともにライトクロカンブームを牽引したが、大きくなりすぎて、高過ぎる価格もいけなかったのか、売れ行きもさっぱり。2022年8月末をもって5代目となる現行モデルの国内生産を終了、在庫を残すのみとなった。
北米で販売開始した新型CR-V ヴェゼル似で新型ZR-Vよりカッコいい!? 日本でなぜ販売しないのか?
厳密にいうと、4代目が2016年7月に生産終了した後、北米では2016年10月に5代目が登場したものの、日本では約2年も遅れて2018年8月にようやく発売となったのだが、結局日本市場から撤退してしまった。そりゃ、一番売れるメイン市場の北米を優先して日本軽視の作りじゃ売れんわという声も多かったのは事実。
そんななか、ホンダはCR-Vの日本販売を諦め、ヴェゼル以上CR-V未満の新型ZR-V(北米市場ではHR-V)を実質的な後継車として、日本で販売することを決定。当初は今秋の発売予定だったが、半導体などの部品供給不足を理由に来春に発売延期となった。
新型CR-Vを見て、ヴェゼルに似てカッコいいじゃないか、ZR-Vよりいいかもと思った人も多いのではないだろうか。
そこで、新型CR-Vはどんなモデルなのか、日本再々登場はないのか、解説していこう。
文/ベストカーweb編集部
写真/ベストカーweb編集部、Honda
■ヴェゼルにも似てカッコいいエクステリアデザイン
新型CR-V。塊感のある力強いボディとハニカム構造のグリル、最近のホンダデザインの共通するヘッドライトが特徴。写真はSport Touring
まずは新型CR-Vのエクステリアデザインを見てほしい。兄貴分のSUV、パスポートやピックアップトラックのリッジラインと共通するデザインテイストで、ヴェゼルにも雰囲気が似ている。
新型CR-Vのエクステリアは「タフで洗練されたデザイン」で、より長く、より広く、より低くなった水平ベルトラインによる大幅に広いスタンスを採用することで新しいホンダのデザインの方向性を示しているものだという。
ハイブリッドモデルには専用のエクステリアが与えられる。よりアグレッシブな造形のフロントとリアのフェイシアとグリルメッシュがグロスブラックのアクセントで強調されており、長方形のエキゾーストフィニッシャーが備えられており、上級グレードのSport Touringにはブラックの19インチ5本スポークアルミホイールが装着される。
さて、気になるボディサイズは全長約4694×全幅約1864×全高約1692mmでホイールベースは約2700mm。日本で8月末に生産終了した5代目CR-Vのボディサイズは全長4605×全幅1855×全高1680mmと、新型はひと回り大きくなっている。
ボディサイズは全長約4694×全幅約1864×全高約1692mmとRAV4とほぼ同じサイズ
■ハニカムメッシュパネルなど最新のホンダデザインを採用したインテリア
新型CR-Vのインテリア。より広々としたインテリアとなり、アップルカープレイとアンドロイドオート互換性を備えた9インチHDタッチスクリーンを備える
コクピットは、水平基調でダッシュボード中央にメタルハニカムメッシュパネルを採用した新型シビックと同じ最新のホンダデザインで、Apple CarPlay/Android Autoに対応した7~9インチのタッチ式HondaCONNECTディスプレイや10.25インチのフルデジタルメーターが特徴。
フロントのボディスタビライザーシートは長時間ドライブでの疲労を軽減するフォルムを採用し、ステアリングホイールの角度をセダンモデルに近づけたことで、より快適でスポーティなドライビングポジションを提供するという。
ホイールベースが延長されたことで、前席から後席までのカップルディスタンスが拡大されており、後席の足元スペースが先代型より広がっている。さらに後席は8つの角度に調整可能なリクライニング機構を備えており、快適性を向上。
ラゲッジルームは歴代CR-Vのなかで最も広く、通常時1027L、6対4分割可倒式リアシートを倒せば最大2166Lに広がる。
■パワートレインは1.5リッターVTECターボと2リッターハイブリッドのe:HEV
新型CR-Vに搭載されるパワートレインは、1.5リッターのVTECターボ(193ps/24.8kgm)と、第4世代の2リッター2モーターハイブリッド(207ps/34.2kgm)の2種類。
4WDシステムにはリアルタイムAWDを採用。エンジントルクの最大50%を後輪に送ることが可能で、雪路や泥など滑りやすい悪路でのトラクション状況を改善し、歴代初となるヒルディセントコントロールも採用している。
ドライブモードにはエコ、ノーマル、スノーの3つのモードが設定されており、さまざまな運転状況の最適化が図られている。
■価格とグレード
新型CR-V Sportsグレード
新型CR-Vには、1.5リッターVTECターボを搭載したベーシックモデル「EX」、「EX-L」に加え、新世代ハイブリッドの2リッターe:HEVを搭載した「Sport」、「Sport Touring」という4つのグレードが用意されている。価格は約470万~580万円と、北米仕様のZR-V(HR-V)は約360万~約440万円に比べ、100万円以上高くなっている。
■日本導入を考え直してほしい
来春に発売予定の新型ZR-V
CR-Vは現行5代目から、サイズがデカ過ぎと言われ続けてきた。だが、その考え方もここ数年で変わってきている。実際、新型CR-Vのサイズは、サイズ比較表を見ればわかる通り、販売好調のRAV4とほぼ同じサイズでバカでかいというほどのものではないからだ。
●新型CR-V=全長約4694×全幅約1864×全高約1692mm(1インチ、25.4mm換算)
●新型ZR-V=全長4575×全幅1840×全高1620mm
●ヴェゼル=全長4330×全幅1790×全高1590mm
●ハリアー=全長4740×全幅1855×全高1690mm
●RAV4=全長4610×全幅1865×全高1690mm
●エクストレイル=全長4660×全幅1840×全高1720mm
●CX-5=全長4575×全幅1845×全高1690mm
●CX-60=全長4740×全幅1890×全高1685mm
エクステリアデザインもどっぷりとした5代目に比べ、塊感のあるダイナミックなスタイルで、フロントグリルもヴェゼルに似た、売れそうなデザイン。
しかし、日本では来春にも発売されるZR-Vが、CR-Vの実質的な後継車として、位置づけられているため、日本での新型CR-Vの発売は今のところ絶望的。
とはいえ、過去に空白期間・再登場した前例もあるため、数年後には発売される可能性もひょっとしたらあるかもしれない。ホンダ様、日本での販売を考え直してくれませんか、お願いします!
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