「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、ランボルギーニ ガヤルドだ。
ランボルギーニ ガヤルド LP550-2(2010年:車種追加)
イタリアを代表するスーパースポーツカー メーカーとして知られるランボルギーニは、1990年代終盤からアウディの傘下に入り、順調に成長を続けてきた。アウディのコントロールによって、ランボルギーニのクルマ作りに対するコンセプトは大きく変わった。その象徴ともいえるのが、ロードカーにとってベストな駆動方式はフルタイム4WDであるという、確固たる哲学だ。
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しかし、ランボルギーニは昨年(編集部註:2009年)に限定発売した「ガヤルドLP550-2 バレンティーノ・バルボーニ」で、ついに久々のRWD(後輪駆動)モデルを投入した。そして今回、その成功を受けて「LP550-2」のシリーズ化を実現してきたのだった。
センターデフにビスカスカップリングを用いたフルタイム4WD仕様の「LP560-4」と、RWD仕様の「LP550-2」の違い。それはミッドシップ搭載される5.2L版のV型10気筒エンジンのパワースペック。そして駆動方式の違いに伴う、シャシセッティングの差に集約できる。
まず注目されるのは、4WD仕様に対して最高出力は10psのハンディキャップがある550ps仕様のエンジンだが、これは同様の比較で、車重が4WD仕様よりも30kg軽量であることを考えれば、決定的なハンディキャップとはならないはずだ。公称の0→100km/h加速は3.9秒、最高速度は320km/h。
最高出力の発生回転数が8000rpmというデータが象徴するとおり、LP550-2のエンジンは高回転型で、かつレブリミットまで、そのスムーズさを損なわない。ランボルギーニ、そしてアウディの力作ともいえる珠玉のV型10気筒エンジンだ。
やはりランボルギーニには後輪駆動もよく似合う
そんなガヤルド LP550-2に試乗する機会を得た。試乗車はナンバー取得前ということもあり、またそのパフォーマンスを存分に味わうには公道では物足りないということもあってか、試乗会場は袖ケ浦フォレスト レースウェイ。ただし、コースの一部にはパイロンでシケインも設置され、サーキットで思い切り全開走行!というわけにはいかないが、それでもそのパフォーマンスの一端を垣間見ることはできた。
今回の試乗車は、それにシングルクラッチ式ロボタイズ型6速MT(クラッチペダルレスの2ペダルMT)の「eギア」を組み合わせた仕様だったが、その制御モードでコルサ(イタリア語でレース)を選べば、シフト時にクラッチが切断されている時間は驚くほど短くなるし、またESPの介入するタイミングも4WD仕様より、さらに限界近くにまで遅らされている。このESPは完全にその機能をカットすることも可能だが、通常のオンロードではONにしておいた方が無難だろう。
ナチュラルでかつダイレクトなステアリングの動き、そして十分に引き締められたサスペンションも、RWD仕様たるLP550-2の特長であり、また積極的にコーナリングをエンジョイしようという気持ちを駆り立ててくれる原動力でもある。
ランボルギーニにとって、RWDモデルの本格復活は、ガヤルドというスーパースポーツカーに対して注がれる視線を、さらに熱いものとしてくれるに違いない。
■ランボルギーニ ガヤルド LP550-2 主要諸元
●全長×全幅×全高:4345×1900×1165mm
●ホイールベース:2560mm
●車両重量:1380kg
●エンジン種類:V10 DOHC
●排気量:5204cc
●最高出力:405kW<550ps>/8000rpm
●最大トルク:540Nm<55.1kgm>/6500rpm
●トランスミッション:6速AMT
●駆動方式:縦置きミッドシップRWD
●10・15モード燃費:未発表
●タイヤ:前235/35ZR19、後295/30ZR19
●当時の車両価格(税込):2408万1750円
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みんなのコメント
それとも捻じれて力を逃がすようになっているのであろうか。