2016年1月22日、ボッシュは日本でも自動運転の公道試験を開始していることを公表した。ボッシュはすでにドイツ、アメリカの公道で自動運転の実証試験のための走行を行なっており、日本は3番目、左側通行の国では初となる。
ボッシュは、2013年初めからドイツのアウトバーン(A81号線)とアメリカのインターステーツ・ハイウェイ(280号線)でテスト車両による公道試験を実施している。これまでに1万km以上の走行試験を無事故で達成していという。
ボッシュの公道テスト車両は必要に応じて加速、ブレーキ、追い越しをしながら進み、いつウィンカーを点灯し、車線を変更するかを交通状況に応じて判断できるようになっている。
これらの機能の基盤となるのが、車両周辺の交通環境を検知するセンサーと地図情報だ。地図はボッシュのパートナーであるオランダのナビゲーション&マップデータ会社のTomTom社の詳細なマップデータを使用している。コンピュータがこれらの情報を分析して他のクルマなどの行動を予測しながら自動運転車の走行モードを決定している。
日本では2015年10月に自動運転の公道試験がスタートを切っている。当面の目的は高速道路での自動運転の開発で、2020年までに高速道路や高速走行が可能な道路で自動運転を実現する計画だ。ボッシュ取締役会メンバーのディルク・ホーアイゼルは、「日本は左側通行であることに加え、複雑な交通状況なので開発面で貴重な洞察が得られると期待しています」と語っている。
ボッシュでは現在、約2500人のエンジニアが世界中で運転支援システム、自動運転の開発に取り組んでいる。ドイツや米国のエンジニアたちに続き日本のチームも自動運転車両による公道試験を開始したのだ。日本での走行試験は、東北自動車道(栃木県)と東名高速(神奈川県)、さらにボッシュの2つのテストコース(塩原と女満別)で行なわれている。
■ドイツは法改正で高度運転支援システムが実現
国連は、交通事故の死亡者数が世界中で毎年約125万人に上ると推定しており、こうした事故の90%は人為的なミスが起因していると考えられている。「危険な交通状況下において、適切なサポートシステムが人命を救います」とホーアイゼルは指摘する。
ボッシュの事故調査によると、より高度な運転の自動化により、ドイツ国内だけでも事故発生率が3分の1以上減少すると予測され、また、自動運転は安全性の向上につながるだけでなく、効率性の向上にも寄与する。米国の調査報告書によると、自動運転技術に関連するインテリジェントな予測走行により、高速道路で最大39%の燃費向上が可能だという結果が出ているのだ。
自動運転がテスト車両だけでなく、量産車でも実現できるようになるには、自動運転のための法的要件が整う必要があことは言うまでもない。日本、米国とドイツではこの点がすでに検討課題となっており、「運転中はドライバーが車両をコントロールしなければならない」としているウィーン交通条約を改正する動きが勢いを増している。
ドイツはすで連邦経済エネルギー省がリードしで官民共同の高度運転支援システム実証プロジェクト( Ko-HAF)が展開されているためもあって、この運転に関する改正条項が承認され、2016年4月23日から施行される予定だ。
また、ウィーン交通条約加盟国は今後この改訂条項を各国の法令に適用していく見込みで、ドライバーの操作が自動運転システムに対して優先されるか、またはシステムを無効にすることができるという条件下において、自動運転が認められていく可能性が高まっている。さらに、UNECE(国連欧州経済委員会)のワーキンググループが、最大10km/h以下であれば自動操縦を許容すると定めた規則R79の見直しも始めている。
一方、自動運転機能の検証についても課題がある。現在の検証方法では、自動運転システムが市場に投入されるまでに数100万kmにもおよぶ走行試験を行なう必要があるので、ボッシュは現在まったく新しいアプローチでこの問題に取り組んでいるという。
■より早く実現する自動パーキング
ボッシュは、完全自動運転よりも完全自動駐車の実現が早いと考えている。その理由は、自動駐車支援システムはすでに市場に投入されているからだ。このシステムは、スマートフォンから遠隔で操作をし、車輌が自動で駐車スペースに移動することができるというもの。
「ボッシュの自動駐車システムは、車両に搭載する運転支援システムとして開発がスタートしたわけですが、今やその範疇を遥かに上回るものとなりつつあります」とホーアイゼルは述べている。
その例の1つが、駐車スペースの検索作業をより簡単に、また駐車場の管理者が駐車ペースを有効に活用できるよう支援するアクティブパーキングロット・マネージメントだ。このシステムは、駐車場の舗装路面に埋め込まれたセンサーが空き状況を検知し、この情報がリアルタイムでマップデータに取り込まれる。ドライバーはインターネットからこのマップデータにアクセスし、空きスペースを予約し、カーナビゲーションの指示に従ってその駐車スペースに移動するのだ。
さらに、ボッシュはダイムラー社と共同で、駐車革命とも言える 大きな目標に取り組んでいる。その目標とは、ドライバーの代わりに駐車したり、車両を探すだけでなく、その車両を再び元の位置に戻すことだ。ボッシュはこの目標に向けて、車両の有無を検知するオキュパンシーセンサー、カメラ、通信テクノロジーなどの駐車場に欠かせないインフラの開発を進めている。
■重要性が高まるセンサー類
世界最大の自動車機器サプライヤー、ボッシュはこれまで蓄積してきた自動運転に必要な全ての技術を活用している。自動運転に関連する技術には、パワートレーン、ブレーキ、ステアリングの他に、センサー、ナビゲーションシステム、車内外のネットワーク化ソリューションも含まれる。ホーアイゼルも、「ボッシュはコンポーネントから包括的なシステムまで、あらゆる側面から開発を進めています」と語っている。
ボッシュのセンサーに対する評価は高く、ドライバー支援システム向けに販売したサラウンドセンサーの累計販売が2015年は5000万台を超えている。また、2014年にはレーダーセンサーとビデオカメラセンサーの販売台数が倍増し、2015年も同様の成長を遂げている。中でもアダプティブクルーズコントロール(ACC)などのシステムに使用されるレーダーセンサーでは世界の市場をリードしており、2016年にはレーダーセンサー(周波数77GHz)の累計生産台数が1000万台に到達する見込みだ。さらに、2015年には5000台目の「Servolectric」(電動パワーステアリングシステム)がドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州のシュヴェービッシュ・グミュント工場から送り出されている。
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