現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「全日本ラリー仕様のハイエースがヤバすぎる!」各部のメイキングを徹底考察

ここから本文です

「全日本ラリー仕様のハイエースがヤバすぎる!」各部のメイキングを徹底考察

掲載 更新 58
「全日本ラリー仕様のハイエースがヤバすぎる!」各部のメイキングを徹底考察

ボディの作り込みは競技車両そのもの!

異色のラリー仕様ハイエースで戦うチーム代表を直撃

「子供の頃に大好きだった家のクルマにもう一度・・・」世代を超えて愛された117クーペ伝説!

レース会場にあるハイエースといえば、サポート用の機材を運搬するトランスポーターというのが相場だが、今回紹介するのはなんと競技を戦うガチの参加車両。そんな前代未聞のハイエース(CAST RACINGハイエース)が登場したのは、佐賀県唐津市を舞台に開催された全日本ラリー選手権第3戦のツール・ド・九州2021 in 唐津(4月9日~11日)。

「なぜハイエースで?」「仕様は?」「勝算はあるの?」など湧き出る疑問を解決すべく、WEB OPTIONはマシンメイクだけでなくドライバーとしても参戦するサンコーワークスの喜多見代表を直撃してみた。

元々は名門ラリーチームでメカドラとして活躍した喜多見氏が、1988年に独立してスタートさせたのがサンコーワークス(創業時社名はアドバンスサンコー)。その後、特許取得の純正ショックアブソーバーの改造・再生技術“Neo Tune”を開発したところ、全国のハイエース乗りから魔法のショックとして注目を集め、ハイエース用パフォーマンスパーツブランドの“CAST”を展開することになった。

そんなオリジナルパーツの開発とハイエースのイメージ向上のために、CAST製品の一次代理店を務める丸徳商会とタッグを組んで2021年から全日本ラリーJN3クラスへ2台のハイエースで挑むことになったのだ。

イエローのアクセントカラーが施されているのが、CASTレーシングサンコーハイエース。ピンクのアクセントカラーの方がCASTレーシングマルトクハイエース。どちらもベースはTRH200型の標準ボディに2.0Lガソリンエンジン、5速MTを搭載するDXグレードだが、5ドアのサンコー号よりも4ドア(右側のリヤドアレス)のマルトク号の方が、車重が20kg以上軽い。

車内に張り巡らされた20点式ロールケージはFIA基準を満たす溶接留めの堅牢なもので、もちろんワンオフのスペシャル品。タイヤはヨコハマでターマック用がアドバンA052、グラベル用がA035だが、LT規格のラリータイヤなどあるはずはないので、減トンと呼ばれる車検証の記載変更によりインプレッサ用を装着できるようにした。

そしてサスペンション。形式はフロントがウィッシュボーン+トーションバースプリングでリヤがリーフリジッドだ。そこに、純正改のNeoTuneを投入してハイエースらしからぬ旋回性能と操安性を確保。次戦からはサブタンク付きの新型ダンパーを投入予定とのこと。

アーム類にも手が入り、フロントはワイドトレッド化を狙って延長ロアアームを投入。リヤにはリーフエンドブッシュをCASTのベアリングタイプに変更している。ブレーキはパッド&シューをBRIG製のスポーツタイプに交換している程度だ。

ブリッドのフルバケットシートが装着されたインテリアは競技車らしい雰囲気。サイドブレーキは、規則に合わせてステッキ型の純正を加工延長したものだ。ちなみにエンジン系の変更点は触媒のみ。駆動系はデフを2ウェイ機械式LSDに変更済みだ。次戦からは5速フルクロスミッションの投入も予定されている。

ヒール&トゥや左足ブレーキ操作にも対応できるよう加工されたペダル周りは、完全に競技車のそれだ。

初戦となった唐津での結果は、サンコー号(ドライバー喜多見/コ・ドライバー木原)が最終のSS10でパワステトラブルでリタイヤ。マルトク号(ドライバー国沢/コ・ドライバー大西)がクラス9位で完走。ゼロから手探りの挑戦には苦労がつきものだが、次戦に向けてのデータ取得など多くの成果が得られたというから、全日本ラリーの台風の目として今後も注目していきたい。

PHOTO:小竹 充

●取材協力:サンコーワークス 千葉県いすみ市行川242-1 TEL:0470-86-5190

こんな記事も読まれています

3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
3時間で争われるスーパーGT第2戦富士の持ち込みタイヤ数と義務ピット回数が発表。モラルハザードは1名が適用
AUTOSPORT web
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
F1、2025年に向けてポイントシステム変更を検討。12位まで対象を拡大か
AUTOSPORT web
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
「30万円」の大幅値下げ!? 鮮烈レッドの「新型セダン」発表! 爆速の「超高性能モデル」も新設定! 今あえて「値上げラッシュ」に逆行した理由とは
くるまのニュース
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
急拡大! BYDの高級車ブランド「方程豹」 無骨SUV&華麗スポーツカー発表
AUTOCAR JAPAN
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
約20年ぶりのBTCCフル参戦に臨む元世界王者ロブ・ハフ「カローラはかなり快適だ。でも忙しいね!」
AUTOSPORT web
アウディの電動SUV『Q6 e-tron』に105mm長い「L」
アウディの電動SUV『Q6 e-tron』に105mm長い「L」
レスポンス
においを出すSUVだと…? ホンダの新SUVは至れり尽くせり? 中国でEV攻勢へ
においを出すSUVだと…? ホンダの新SUVは至れり尽くせり? 中国でEV攻勢へ
乗りものニュース
「市販します」トヨタのEV“bZ”シリーズ新型2車種 Z世代向け&ファミリー向け スタイルはっきり分ける
「市販します」トヨタのEV“bZ”シリーズ新型2車種 Z世代向け&ファミリー向け スタイルはっきり分ける
乗りものニュース
三菱「新型“精悍”コンパクトSUV」発表! 斬新マスクがカッコイイ! 新型「ASX」マイチェン版 欧州で発売へ
三菱「新型“精悍”コンパクトSUV」発表! 斬新マスクがカッコイイ! 新型「ASX」マイチェン版 欧州で発売へ
くるまのニュース
セゾン自動車火災保険、商号を「SOMPOダイレクト」に変更
セゾン自動車火災保険、商号を「SOMPOダイレクト」に変更
レスポンス
フィアット「500」の謎の振動がやっと解消! 飛び散るオイル問題は果たして解決されたのか…!?【週刊チンクエチェントVol.35】
フィアット「500」の謎の振動がやっと解消! 飛び散るオイル問題は果たして解決されたのか…!?【週刊チンクエチェントVol.35】
Auto Messe Web
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
厳選値引き実例 X氏の値引き特報
グーネット
33歳、フェラーリを買う──Vol.17 オープン最高! でも……
33歳、フェラーリを買う──Vol.17 オープン最高! でも……
GQ JAPAN
タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
タイヤブランドGTラジアルよりオールシーズンタイヤ「4シーズンズ」発売
レスポンス
これぞ徹底的に遊べる軽!──新型ホンダN-VAN FUN STYLE+ NATURE試乗記
これぞ徹底的に遊べる軽!──新型ホンダN-VAN FUN STYLE+ NATURE試乗記
GQ JAPAN
グランツーリスモ7に新規車種3台を追加するアップデート配信。シュコダがシリーズ初登場
グランツーリスモ7に新規車種3台を追加するアップデート配信。シュコダがシリーズ初登場
AUTOSPORT web
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
顔が…いや全身変わった!? ホンダの売れ筋コンパクトSUV「ヴェゼル」改良 ハイブリッドはEVに近づく?
乗りものニュース
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
ワイパー「高速運転」はゴム寿命縮める? 面倒な交換ケチって「ゆっくりモード」本当にコスパは良いのか
くるまのニュース

みんなのコメント

58件
  • > フロントはワイドトレッド化を狙って延長ロアアームを投入
    延長ロワアームってレギュレーションOKだったけ?って画像みたら、ボールジョイント交換。
    紛らわしい。
  • 何がヤバすぎるの?普通にレース出場にあたって車両をハイエースにしたのは
    このチームの判断で、改造もレギュレーションに合致させるため、モタスポ専門外が
    記事書いてるの?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

294.7405.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

51.8938.0万円

中古車を検索
ハイエースワゴンの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

294.7405.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

51.8938.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村