近年、日本で販売台数を増やしている輸入車勢のなかでも特に「売れてる」販売トップ3は、上からベンツ、VW、BMW。この3ブランドだけで、実に46%あまりのシェアを誇っている。しかし、逆に考えれば残りの過半数はトップ3以外の輸入ブランドが選ばれているということになる。本記事ではミニ、ルノー、シトロエンの個性派ブランドで今、最も買いの1台をチョイス。この3ブランドは、比較的扱いやすいサイズの車が中心であることも魅力のひとつだ。
文:石川真禧照、嶋田智之、塩見智
写真:編集部、BMW MINI
ベストカー 2018年5月26日号
このままがいい? 変革が必要? クルマが売れない理由は販売方法にもあり
ミニで今、最も買いの1台は?
■BMWミニの候補車 3選
・ミニ クロスオーバーD ALL4(421万円)
・ミニ 5ドア ONE(259万円)
・ミニ 3ドア ジョンクーパーワークス(418万円)
ミニ クロスオーバー D ALL4/全長×全幅×全高:4315×1820×1595mm、エンジン:2L直4ディーゼルターボ、最高出力/最大トルク:150ps/33.7kgm
ボクのなかで、ミニを性格付けすると、3ドアはスポーツ、クロスオーバーや5ドア、クラブマンはファミリー、カブリオレはホビーの車だと思っている。
ファミリーカーとしてのミニだが、価格で選ぶなら5ドアの「ONE」。直3、1.5Lターボのパワー/トルクともにファミリーカーとして使うなら居住空間は充分だし、燃費もいい。
3ドアをファミリーカーとして使うのは、リアシートの広さを考えるとやはり不便。カーゴスペースは、ワゴンタイプのクラブマンもあるが、ここまで荷物を積む人は少ないと思うので、5ドアをすすめたい。
スポーツモデルは、なんといっても3ドア、「ジョンクーパーワークス」の6MT車。6ATも楽しいが、ここはやはり231psを発揮する2L直4ターボをぶん回す楽しみには代え難い。
ということで、「クロスオーバーD ALL4」をミニ最大の鉄板車として推したい。ディーゼルだし、4輪駆動という組み合わせにオールマイティ感がある。動力性能は2000回転からのレスポンスのよさと俊敏さもある。ただし、エンジンからの振動や音は少し気になるのはご愛敬。
このクロスオーバーの魅力は歴代ミニ最大の室内空間。窮屈な思いをしたくないという、他社からの乗り替えユーザーも納得の広さだろう。
【石川真禧照】
ルノーで今、最も買いの1台は?
■ルノーの候補車 3選
・カングー ゼン MT(249万9000円)
・トゥインゴ インテンス キャンバストップ(204万円)
・ルーテシア R.S.トロフィー(334万円)
カングー ゼン(6MT)/全長×全幅×全高:4280×1830×1810mm、エンジン:1.2L直3ターボ、最高出力/最大トルク:115ps/19.4kgm
4WS機構を持ったメガーヌGTの身のこなしにはニヤリとさせられるし、派生ブランドである新生アルピーヌA110のスポーツカーとしての乗り味も感動的だ。派手さのないルノーだけど、実はすばらしい車がたくさんある。
そんななか、今の日本でのラインアップから鉄板ベスト3を選ぶなら、まず第3位はこれ。スポーツモデルから、ルーテシア「R.S.トロフィ」だ。
サーキットに持ち込んでそのまま楽しめるよう作られてるのに、街中でもそこそこ快適に走れる柔軟性。そして、たった220psながら峠道ではポルシェを追えるほどの驚異的なハンドリング。それが334万円で買えるなんて、バーゲンプライスだと思う。
第2位は、トゥインゴ インテンス キャンバストップ。愛らしいスタイリングももちろん魅力的だけど、RR(リアエンジン・リア駆動)レイアウトを採用したことによる驚きの小回りに、外から見るより広い居住空間、荷重移動を利用した時の望外にスポーティなハンドリングがいい。
意外な高速巡航性も、フレンチらしい優しい乗り心地も。開放感のあるオープンエアも味わえて、それで204万円って超良心的でしょ?
そして第1位は鉄板中の鉄板、カングー ゼンの6MT。小さなミニバンで広いし、使い勝手はいいし、乗り心地はフラットで快適だし、なのに運転手がちっとも退屈しない乗り味を持ってるのが最高にいい。
1.2L直3ターボはたった115psだけど、今どき貴重な6速MT(DCTもあり)と望外に懐深くよく曲がるシャシーを巧みに使って走れば、かなりスポーティで楽しい。249.9万円で、この充実ぶりって、ほかにはないですよ。
【嶋田智之】
シトロエンで今、最も買いの1台は?
■シトロエンの候補車 3選
・C3 フィール(219万円)
・C4ピカソ シャイン ブルーHDi(372万円)
・グランドC4ピカソ シャイン ブルーHDi(380万円)
C3 フィール/全長×全幅×全高:3995×1750×1495mm、エンジン:1.2L直3ターボ、最高出力/最大トルク:110ps/20.9kgm
C3は219万円からとアフォーダブルで、そんなに人気ないから値引きも期待大。ただし、売却時の下取りも絶対によくないから大前提として乗りつぶす予定で買う人向け。
内外装ともに高い素材を一切使わずデザインの力でここまで華やかな車に仕上げているのがグッド。
乗り心地のよさこそフランス車を選ぶ最大の理由だ。国産車も高いやつの乗り心地は輸入車のそれに引けを取らなくなってきたが、小型車の場合、依然として開きが大きい。
これはシートに金をかけるかどうかの違い。フランスの小型車は室内に平気で安っぽさむきだしのプラスティックを使う代わりにシートに金をかける。
いっぽうで日本の小型車は、ピアノブラックの加飾パネルなどをおごる代わりにシートをケチる(例外はあるが傾向として)。ベーシックカーは見せ物じゃなく乗り物。乗り心地優先であるべきだ。
ひと昔前までシトロエンの最大の弱点はショボいパワートレーンだった。4速ATは変速時の衝撃の大きさが衝撃的だったし、ロボタイズドMTは乗り手を選んだ。
だが、ようやく彼らも自分たちの得手不得手を知り、アイシンからATを買い付けるようになった。
さらにC3に載る1.2Lガソリン直3ターボエンジンは振動が少なくパワーも必要充分。かくしてC3は変なカタチのまじめな車に仕上がっている。
大きいシトロエンが欲しいならC4ピカソかグランドC4ピカソがマル。新世代の車台は高速安定性重視でややフランス車らしさを薄めたが、万人向けとも言える。高くても彼らの得意技であるトルキーなディーゼルを選ぶべし。
個性的なスタイリングはシトロエンの車づくりのあらわれ。この姿を気に入る人は車づくりの哲学(こう見えて実用性重視な姿勢など)にも共感する可能性大。ビビビッときたら迷わず飛び込んでOKだ。
【塩見智】
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