2023年4月18日に上海モーターショーでワールドプレミアされた新型「LM」が話題となっている。中国市場を中心として販売されていた先代LMに次ぐ2代目として完全刷新。2023年秋頃には日本でも発売されるという。
「日本での価格は3000万円か!??」とのうわさもある新型LM。明らかとなった情報をご紹介しながら、LMが高額でも売れるワケについて考察しよう。
レクサスLM初披露!! 今秋日本発売で…いくら? 何千万円で発売になるの??
文:吉川賢一
写真:LEXUS
先代LMやアルファードを圧倒的に凌駕する優雅さ
今回明らかとなった新型LM(プロトタイプ)についての情報は、ボディサイズやパワートレイン、内外装のデザインについてと、6/7人乗りに加え、4人乗り仕様の設定があることなど。新型LMプロトタイプのボディサイズは、全長5125(+85)mm、全幅1890(+40)mm、全高1955 (+10)mm、ホイールベースは3000(+0)mm(カッコ内は先代比)と、全体的に先代よりもひと回り大きくなった。特に1.9m近くまで拡幅した車幅は、取り回し性能と刺し違えてでも、居住性アップを狙ったことを感じさせる。
フロントデザインは、レクサスRX風のスピンドルボディのデザインを採用。ボディカラー同色のため、ギラギラしたメッキの派手さは若干抑えられてはいるが、センス良くまとめられたエクステリアは人気が出そうだ。
そんな新型LMのホットポイントは、なんといっても4人乗り仕様の後席シートだ。ファーストクラスのような高級シートや48インチサイズの大型ディスプレイというクルマの中とは思えない豪華装備の設定のほか、周波数感応バルブ付きAVSやドライブモード「Rear Comfort」による極上の乗り心地、徹底的に高められた静粛性など、ビジネスからプライベートまで万能に使えるスペシャルルームとなっている。先代LMやアルファードにも4人乗り仕様はあったが、それらを圧倒的に凌駕する優雅さを備えているはず。一度でいいから味わってみたいと思う内容だ。
パワートレインは、2.4L直列4気筒ターボハイブリッド(eAxle)と、2.5L直列4気筒ハイブリッドシステム(E-FourとFF)を設定、この辺りはクラウンクロスオーバーと同じ設定だ。「ミニバンに2.4Lハイブリッドターボ」という組み合わせは意外だが、6月発表予定の新型ヴェルファイアにも同ユニット搭載が予定されており、今後、ハイパフォーマンス・ハイブリッドミニバンが流行することを予期させる。
全長5125(+85)mm、全幅1890(+40)mm、全高1955 (+10)mm、ホイールベースは3000(+0)mmと、先代よりもさらにひと回り大きくなった
ファーストクラスばりの高級シートや48インチサイズの大型ディスプレイの設定、徹底的に高めた静粛性、極上の乗り心地など、ビジネスからリラックスまで万能に使えるプライベートルームとなる新型LMの後席
後席に対して、運転席周りはすっきりした印象。大型の液晶メーターとセンターディスプレイが特徴的だ
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日本仕向けの価格は上級仕様で1200万円からと予想
一部の自動車メディアで、「新型LMは3000万円超か!?」(先代LMが中国価格116万元≒2270万円相当から推測)という予測が出ていたが、この価格で日本仕向けが販売されることはまずないだろう。中国仕向けのクルマは国内で製造することが義務付けられているため、現地での相場と日本の相場は異なるからだ。
現在販売されている中国トヨタのアルファード2.5Lプレミアムエディションは89万元(日本の2.5LハイブリッドSR-Cパッケージに相当、税込572万円)で、先代LMは7人乗りで116万6000元だった。ここから予測すると、先代LMは(日本で販売したとすれば)750万円相当と考えられ、ここから商品力アップをした分を加味して、新型LMの価格は900万円~、上級の4人乗り仕様では1200万円~といったところではないだろうか。
1200万円~というのは十分に高額だが、フラグシップのレクサスLS(1078~1796万円)とも被る価格帯であり、レクサスの最上級ミニバンとあれば妥当なところ。また、これまではアルファードのエグゼクティブラウンジやレクサスLSに集まっていた法人需要ならば、1200万円だろうと1500万円だろうとそれほど問題ではないはず。会社の重役を安全かつ快適に移動、車内で仕事もできるといった名目の超快適ビジネスミニバンとして、経費で購入することはそれほどハードルが高いことではないはずだ。
法人以外の富裕層としても、一般人にはおいそれと購入できない価格帯となるほうが、優越感を得られるというもの。「価格に見合う価値があるのか!?」という考察はナンセンスなのかもしれない。
かつて2015年~2019年頃まで販売されていた、モデリスタの4人乗りコンプリートカー「ロイヤルラウンジ」。価格は1500万円前後と超高額だった
ロングホイールベースのラージセダンから、ラグジュアリーミニバンへ
メンツを重んじる中国では、後席に客人や家族を乗せて「おもてなし」ができるロングホイールベースのラージセダンが人気だった(高価なクルマを購入できるほど成功した自分の姿を認めてほしい、といった考えがあるそう)。ただ現在は、この手のラグジュアリーミニバンに移ってきているそうで、中国国内メーカーもこぞってラグジュアリーミニバンを投入している。
「どれだけ見栄を張れるか?」といった視点は日本でも共通する。性能についてはまだわからないところが多い新型LMだが、「最上級」や「究極」といったキーワードは、購入希望者には刺さりまくっているのではないだろうか。
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みんなのコメント
超高級車みたいに年間出荷数が少なすぎると
トヨタは困るはず