北米マツダは10月1日、国際的なツーリングカーレース「TCR」レギュレーションに沿った新型レースマシン「マツダ3 TCR」を発表した。
TCRは、2リッター以下の量産FWDターボ車をベースにした、4ドアまたは5ドアのマシンを使用するレースで、2015年の創設以降、各国でそのレギュレーションを採用したシリーズが開催されている。日本でも「TCRジャパン」が本年始動し、全国のサーキットで熱戦が繰り広げられているところだ。その魅力は、イコールコンディションのマシンによるスリリングなレース展開で、様々なメーカーがコストパフォーマンスに優れた車種を投入している。
今回登場したマツダ3 TCRはネーミングのとおり、登場以来コンパクトハッチらしからぬ躍動的なスタイリングで高い評価を得ている「マツダ3」がベース。ブランドの最新デザイン言語「鼓動」を採用したエクステリアは、米国アーバインに所在するマツダデザインアメリカのデザイナーが練り上げたもので、マツダ3のクリーンなボディラインはそのままに、TCRの車両規格を完全に満たしている。
もちろん、中身は市販車とは別物となり、パワーユニットは350馬力を発生する4気筒ターボで、パドルシフト付の6速トランスミッションが組み合わされる。開発を担ったのは既に「MX-5 カップカー」を製作した実績のあるロングロードレーシングだから、マツダ車との相性は折り紙付きで、購入者はすぐにTCRシリーズの36レースに参戦可能だ。
「TCRはマツダ3の魅力を伝える絶好の機会であり、顧客にマツダのレース車両を積極的にアピールしていきたい」という北米マツダ幹部の言葉からも、マツダ3 TCRにかけるメーカーの意気込みが伝わってくる。実戦への初参戦は来年1月の「2020 IMSAミシュラン・パイロット・チャレンジ」になる見込みで、まずは数年ぶりの復帰となる同レースで高成績をあげ、世界各国での活躍へ繋げていく構えだ。
上質なデザインとこだわりの走行性能でブランド力の向上を図るマツダだが、今後はレースシーンからも目が離せそうにない。
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