現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 企画から半年! 日産が新型「アリア」をわざわざラジコン化したワケは? 小さい車体に四輪制御技術を再現

ここから本文です

企画から半年! 日産が新型「アリア」をわざわざラジコン化したワケは? 小さい車体に四輪制御技術を再現

掲載 更新 3
企画から半年! 日産が新型「アリア」をわざわざラジコン化したワケは? 小さい車体に四輪制御技術を再現

■暖簾をくぐるとドライビングシミュレーター

 日産が始めたラーメン屋の動画が大きな話題になっています。

激カッコイイ! 日産「ムラーノ」新型モデル発表!

 名付けて「e-4ORCE ラーメンカウンター」。

 小じゃれたラーメン屋に入ると、職人気質の店主が精魂込めて作ったラーメンを、e-4ORCEの小型四輪電動車の上に載せ、一気に走らせ、お客の前で絶妙なブレーキングをかけます。

 スープが、どんぶりの中でチャップンと大きく揺れることはありません。麺はシコシコ、深みあるスープ、そして豊富な具材を堪能。キーワードは「ブレない、揺れない」です。

 そんなプロモーション動画を作成した目的は、新型電動SUV「アリア」に初導入する四駆電動制御システム「e-4ORCE(イーフォース)」への認識を、一般ユーザーに深めてもらおうというものです。

 こうしたラーメンと四駆EVとのコラボに驚いたユーザーも少なくないと思いますが、日産はさらに「e-4ORCE ラーメンカウンター」の体験イベントまで実施するというのですから、これまた驚きです。

 日産グローバル本社(横浜市西区)のショールームに到着すると、メインステージには2台の「アリア」の姿が。そしてすぐ隣に「e-4ORCE ラーメンカウンター」が設置されていました。

 暖簾をくぐると、そこにあったのはラーメンカウンター……ではなく、ドライビングシミュレーター。さらにその前には、ラジコンカーの走行コースが出現しました。

 ラジコンカーは、アリアを模した四駆EVです。そのフロントガラス部分に小型カメラがあり、そこからの映像をドライビングシミュレーターのモニターで見ながら、実際にラジコンを走らせるという試みです。

 コースは路面係数(ミュー)を低く、またタイヤも硬めな設定として、比較的滑りやすい走行状態を再現しています。

 早速、体験してみました。

 ポイントは、e-4ORCEのオンとオフで運転感覚がどれだけ変わるのかという点です。

 まず慣熟走行すると、コース全体を大きく8の字で走るイメージだということが分かりました。操作系はステアリングとアクセルのみですが、入力に対するクルマの動きはクイック過ぎず、かといって通信によるタイムラグを感じるほどでもなく、まさに普通のクルマを普段運転しているような感覚に近いものです。

 次に、e-4ORCEのオンとオフを体験します。

 オンの状態では、アクセル全開で丁寧にステアリング操作すると、安定した軌道で周回できました。

 一方、オフの状態では、軌道を外側にはみ出してしまうアンダーステア傾向が出てしまい、アクセルを何度か戻す操作が必要になりました。

 明らかに、オンとオフで走りの違い、そして運転の安心感が違います。

 走り終えると、ラーメン屋の店員の姿をしたスタッフから、日産オリジナルの“本物のラーメン”(しょうゆ味・しお味)をプレゼントしていただきました。できたてホヤホヤではなくレトルトです。自宅でじっくり味わってみたいと思います。

■e-4ORCEラーメンと実車アリアとの具体的な関係は?

 走行体験の後、e-4ORCEラジコンの詳細について、日産の企画・先行技術開発本部先行車両開発部の関係者から話を聞きました。

 e-4ORCEラジコンは、モーターを4個搭載。Gセンサー、ジャイロセンサー、車輪速センサーを使って走行状況を把握して、それによって四輪をコントロールすることで、タイヤのグリップを最大活用する制御を実現しています。

 一方で、アリアに搭載されているe-4ORCEは、2つのモーターと4つのブレーキを協調制御して車両姿勢を自由自在に操り、どのような路面状況でもドライバーが安心して思い通りにコーナーリングを楽しむことを目的としています。

 力強い走りで、路面を問わず、ドライバーの意のままに動き、また同乗するすべての人に快適な乗り心地を実現することを目指して開発されました。

 e-4ORCEラジコンについては、企画から6か月、作成に3か月を要しています。

 そもそも、日産には「TECH for LIFEプロジェクト」という、生活の中に日産の技術を取り入れてインスパイアしてもらう、少しおもしろめの企画があります。

 その中でe-4ORCEについて議論したところ、実車でのリアルではなく、視点を変えようということで、ラーメンというアイデアが出てきたということです。

 ただし、イベントでラーメンを提供するのは、さまざまな面でハードルが高いと考えていたところ、ちょうど研究開発の中で「e-4ORCEをラジコンで試したらどうなるのか」という発想が出てきたため、それとイベントを融合することになったというわけです。

 先行車両開発部の中島敏行部長は「日産には、電動車の制御でリーフやe-POWERでの技術の作り込みがある。特に、アクセルレスポンスでのトルクの立ち上がりの速さと滑らかな走りでは、他社と比べてデータ上、アドバンテージがある」と言い切ります。

 そうしたこれまでの電動車での実績があるからこそ、今回のe-4ORCEラジコン体験イベント(2022年3月19日~21日)が実現できているのだと思います。

 今回、実際に体験してみて、改めてe-4ORCE技術の奥深さが理解できました。

関連タグ

こんな記事も読まれています

マセラティ、日本初の新グローバルコンセプトストアが7月6日に目黒でオープン
マセラティ、日本初の新グローバルコンセプトストアが7月6日に目黒でオープン
レスポンス
「うっせーな」とか言わないで! 対策は十分してるけど「トラック」が「騒音」から逃れられないワケ
「うっせーな」とか言わないで! 対策は十分してるけど「トラック」が「騒音」から逃れられないワケ
WEB CARTOP
グーマガ 今週のダイジェスト【6/29~7/5】来た!レクサス&フィットのスクープ3連発!
グーマガ 今週のダイジェスト【6/29~7/5】来た!レクサス&フィットのスクープ3連発!
グーネット
Moto3ドイツ予選|コリン・ベイアーがレコードタイムでポールポジション獲得。日本人ライダーは古里が8番手で最上位
Moto3ドイツ予選|コリン・ベイアーがレコードタイムでポールポジション獲得。日本人ライダーは古里が8番手で最上位
motorsport.com 日本版
雨のシルバーストンでイギリス人ドライバーがトップ3独占! ラッセルが首位。角田裕毅は14番手|F1イギリスGPフリー走行3回目
雨のシルバーストンでイギリス人ドライバーがトップ3独占! ラッセルが首位。角田裕毅は14番手|F1イギリスGPフリー走行3回目
motorsport.com 日本版
松下信治はなぜシーズン途中でスーパーフォーミュラのシートを失ったのか? 本人も覚悟していた“その日”が来るまでのコト
松下信治はなぜシーズン途中でスーパーフォーミュラのシートを失ったのか? 本人も覚悟していた“その日”が来るまでのコト
motorsport.com 日本版
これが最後の『GLEクーペ』? 2度目の改良に込めたメルセデスベンツの大胆なアップデート戦略
これが最後の『GLEクーペ』? 2度目の改良に込めたメルセデスベンツの大胆なアップデート戦略
レスポンス
F1イギリスFP3速報|雨の中メルセデスがワンツー! ノリス3番手。RB角田裕毅は14番手
F1イギリスFP3速報|雨の中メルセデスがワンツー! ノリス3番手。RB角田裕毅は14番手
motorsport.com 日本版
「日本一売れたクルマ」が交代! 唯一の“10万台”超えで「王座」を奪取! 超人気の「背高モデル」根強い支持の理由とは
「日本一売れたクルマ」が交代! 唯一の“10万台”超えで「王座」を奪取! 超人気の「背高モデル」根強い支持の理由とは
くるまのニュース
トヨタの斬新「86ワゴン」に大反響! まさかの「スポーティワゴン」に進化! 実用的な「ハチロク」実車展示に熱視線
トヨタの斬新「86ワゴン」に大反響! まさかの「スポーティワゴン」に進化! 実用的な「ハチロク」実車展示に熱視線
くるまのニュース
727馬力の高性能セダン BMW新型「M5」生産開始 7代目に進化したMモデルは初のハイブリッド採用で7代目に進化
727馬力の高性能セダン BMW新型「M5」生産開始 7代目に進化したMモデルは初のハイブリッド採用で7代目に進化
VAGUE
マセラティ、韓国市場に進出…毎月新型車を発表へ
マセラティ、韓国市場に進出…毎月新型車を発表へ
レスポンス
500万円で買える電気セダンの実力は?【九島辰也】
500万円で買える電気セダンの実力は?【九島辰也】
グーネット
日産「新型コンパクトSUV」発表! 超スタイリッシュな斬新“デザイン”が「カッコイイ」! 6速MTアリ&鮮烈イエロー復活の「ジューク」オーストラリア登場で反響集まる
日産「新型コンパクトSUV」発表! 超スタイリッシュな斬新“デザイン”が「カッコイイ」! 6速MTアリ&鮮烈イエロー復活の「ジューク」オーストラリア登場で反響集まる
くるまのニュース
[カーオーディオ 逸品探究]非ナビ派の新選択肢、カロッツェリア「ディスプレイオーディオ」の実力を分析!
[カーオーディオ 逸品探究]非ナビ派の新選択肢、カロッツェリア「ディスプレイオーディオ」の実力を分析!
レスポンス
人気のアクセサリー2点を装備したうえで価格を据え置いたシトロエンC3エアクロスSUVの特別仕様車が登場
人気のアクセサリー2点を装備したうえで価格を据え置いたシトロエンC3エアクロスSUVの特別仕様車が登場
カー・アンド・ドライバー
フレンチタッチ! プジョー『408GT』に特別仕様…人気アクセサリーを装備し、価格は509万円据え置き
フレンチタッチ! プジョー『408GT』に特別仕様…人気アクセサリーを装備し、価格は509万円据え置き
レスポンス
ジープがブランド初のフル電動SUV「アベンジャー」のティザーサイトを公開
ジープがブランド初のフル電動SUV「アベンジャー」のティザーサイトを公開
@DIME

みんなのコメント

3件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

659.0944.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

379.0835.9万円

中古車を検索
アリアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

659.0944.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

379.0835.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村